CX-60 ▲車全体としての評価も高いマツダ CX-80と改良型CX-60ですが、特に「イケてる!」と言われることが多いのは、そのインテリア。しかしながら「イケてるインテリアをもつSUVはCX-80とCX-60だけじゃない!」ということで、その他にも存在している「イケてるインテリアのSUV」を探してみることにしましょう!

CX-80/60の中でも特に評価が高い「イケてる内装」

2024年10月に発売されたマツダの3列シートSUVのCX-80と、同年12月に商品改良を受けた同じくマツダのCX-60ですが、その2車種の「インテリアが素敵すぎる!」と話題になっています。
 

CX-60▲こちらがマツダ CX-80
CX-60▲CX-80のインテリアはこのような感じ。2列・5人乗りとなるCX-60の内装もおおむね同じ造形だ
CX-60▲こちらはCX-60のシート。グレードは人気の「プレミアムモダン」
CX-60▲ドアトリムの造形もしゃれている

あくまでも一般論として、過去の国産車のインテリアは今ひとつあか抜けていない場合もあり、そこを嫌う人が欧州車に流れたりもしていました。しかし、マツダは10年ほど前から急激に「インテリアに関するセンスと質感」を爆上げし、もはや欧州車全般のセンスと質感を超えたようにも思えます。

そんなマツダの内装センスの「現時点における集大成」が、このたび登場したCX-80と、商品改良を受けたCX-60なわけですから、多くの人が「素敵すぎる!」と感じるのも、ある意味当たり前といえば当たり前なのでしょう。

とはいえ「インテリアが素敵なSUV」は何もマツダ CX-80とCX-60だけではなく、その他にも、様々に素敵なインテリアを堪能できるSUVは存在しています。

この記事では、そんな「イケてる内装のSUV」をピックアップしてまいります。
 

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イケてる内装のSUV①|日産 エクストレイル G/G e-4ORCE(4代目)
→想定予算:総額360万~480万円

マツダ CX-80/CX-60以外の国産SUVの中から「イケてる内装」を選ぶとしたら、該当するのは日産の中型SUV、エクストレイルの、上級グレードであるGまたはG e-4ORCEでしょう。
 

CX-60▲現行型日産 エクストレイルの上級グレードである「G」および「G e-4ORCE」

ご承知のとおり現行型である4代目のエクストレイルは、2022年7月に登場した全長4660mm×全幅1840mm×全高1720mmのSUVで、2列シート・5人乗りの仕様と3列シート・7人乗りの仕様が用意されています。

パワーユニットは1.5Lエンジンにモーターを組み合わせた「e-POWER」と呼ばれるハイブリッドです。

で、最近の日産車はエクストレイルに限らず、全般的に内装デザインがしゃれているというか「わかってる!」という感じなのですが、エクストレイルの上級グレードであるG(2WD車)とG e-4ORCE(4WD車)のインテリアは特にしゃれています。
 

CX-60▲「G」または「G e-4ORCE」の標準インテリア。シート表皮は人工皮革である「テーラーフィット」
CX-60▲こちらはオプションの「ナッパレザーシート(タン)」を装着している同グレード

その他のグレードだとシート表皮はファブリックになるのですが、GとG e-4ORCEは「テーラーフィット」という日産独自の人工皮革が標準で、オプションとしてナッパレザー(柔らかくて強い本革)も選択可能。そしてテーラーフィットの方も悪くないのですが、オプションとしてナッパレザーを選んだ物件は、その表皮のパターンを含め、ひたすらおしゃれなのです。

特にそのカラーが「タン」だと、現行型エクストレイルの車内は「明るく華やかだが、上質でもある」という独特の世界観に包まれることになります。

オプション装備であるナッパレザーを装着している物件は、カーセンサーnetで「ナッパレザー」と表記されていることもありますが、特に表記されていない場合もあります。検索時は内装の写真をじっくり見て、ナッパレザーか否かを確認しみてください。
 

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日産 エクストレイル(4代目) × G & G e-4ORCE × 全国
 

イケてる内装のSUV②|アウディ Q5(2代目)
→想定予算:総額280万~700万円

「クールで重厚な美しさ」が感じられるインテリアがお好みであれば、ドイツのアウディが作っているQ5という中型SUVの現行型が狙い目かもしれません。
 

CX-60▲アウディの現行型ミドルSUVである「Q5」。写真は2021年以降の後期型
 

現行型アウディ Q5は、2017年10月に上陸したドイツ製の中型SUV。ボディサイズは全長4680mm×全幅1900mm×全高1665mmということで、マツダ CX-60とおおむね同じぐらいのサイズ感です。前期型のパワーユニットは最高出力252psの2L直4のガソリンターボとディーゼルターボで、駆動方式はフルタイム4WD。2021年3月からの後期型では内外装デザインを変更するとともに、パワーユニットがマイルドハイブリッド機構付きに変わりました。

そしてこちらのインテリアは、下の写真を見ていただければおわかりのとおりの「理知的な美しさの権化」とでも言うべきニュアンス。シート表皮はファブリック(ステップクロス)であったりハーフレザーであったりと様々ですが、そことは無関係に「クールで理知的な世界観」が全開であふれ出ています。
 

CX-60▲あくまでも整然とした理性と知性を感じさせる、現行型Q5のインパネまわり
CX-60▲フロントシートの造形はこのような感じ
 

「温かみ」のような要素には若干欠けるきらいもありますが、「ひたすらクールなインテリア」がお好みであれば、かなり満足できるでしょう。

中古車価格は前期型が総額280万~430万円、エクステリアを含めてさらにおしゃれになった後期型が総額430万~710万円というイメージです。
 

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アウディ Q5(2代目) × 全国
 

イケてる内装のSUV③|ポルシェ マカン(初代)
→想定予算:総額320万~730万円

同じドイツ的な美しさであっても、アウディのようなクール系ではなく「スポーティなニュアンスのインテリア」がお好みである場合には、ポルシェのコンパクトSUVのマカンがいいでしょう。
 

CX-60▲こちらがポルシェ マカン。写真は中期型

ポルシェ マカンは2014年4月に上陸した、ポルシェとしては初のコンパクトSUV。

コンパクトと言っても、それはあくまで「ドイツ基準」ですので、全長4680mm×全幅1925mm×全高1625mmという寸法は、日本ではむしろ「やや大きめな部類」に入るでしょう。

パワーユニットは様々なタイプが存在していますが、比較的手頃な予算で狙えるのは2L直4ターボまたは3L V6ターボで、これでも十分以上の速さと「ポルシェな感じ!」を味わうことができます。

そしてそんなポルシェ マカンのインテリアは、スポーツカーであるポルシェ 911のテイストやディテールを引用しているデザインであるため、必然的に「スポーティな感じ」になります。具体的には眼前に並ぶ3連メーターと、シフトレバーの周囲に配置された多数のスイッチ類が「メカっぽさ」を強調し、ちょっとレーシングカーっぽいシート形状がスポーティな雰囲気を作り上げているのです。
 

CX-60▲「メカっぽさ」が強いポルシェ マカンの運転席まわり
CX-60▲フロントシートはサイドサポート部の張り出しが大きめで、コーナリング中も身体をしっかり支えてくれる

しかしそれでいて近年のポルシェ車は、ただスポーティな感じではなく「ラグジュアリーな感じ」という部分もかなり大事にしているため、マカンのインテリアも、その素材感やデザインのあしらいは上質感に満ちています。

走行距離5万km以内の物件に絞った場合、前期型は総額320万~470万円ぐらいで、2018年12月以降の中期型は総額550万~730万円付近で見つけることが可能です。
 

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ポルシェ マカン(初代) × 全国
 

イケてる内装のSUV④|DSオートモビル DS7クロスバック(初代)
→想定予算:総額300万~460万円

ポルシェ マカンもアウディ Q5も、そして最初に挙げた日産 エクストレイルのGまたはG e-4ORCEも、かなりイケてる内装をもつSUVです。しかし「普通といえば普通」という感も、なくはないかもしれません。

もちろん何事も普通が一番とはいえるのですが、「自分はもっとこうアバンギャルドで独特な、しかし上質な世界観となるインテリアの中に身を置きたい!」と考えるのであれば、選ぶべきはフランス車のDS7クロスバックです。
 

CX-60▲フランスのDSオートモビルが作っている「DS7クロスバック」

DS7クロスバックは、フランスのDSオートモビルが作っているプレミアムSUV。DSオートモビルの中ではフラッグシップモデルですが、ボディサイズ的には「中型SUV」といったところで、具体的には全長4590mm×全幅1895mm×全高1635mm。

パワーユニットは1.6L 直4ガソリンターボまたは2L 直4ディーゼルターボが基本で、2021年3月にはプラグインハイブリッド(PHEV)も追加されました。

DS7は走らせてみてもなかなかステキなSUVではあるのですが、それ以上にとにかくインテリアデザインのセンスがすごいといえます。

上陸当初のDS7には3種類の内装バリエーションが用意されました。最上級仕様は「オペラ」というもので、これは「センターコンソールのクローム部分に伝統的装飾技法のクル・ド・パリ加工を施し、芸術性とアルチザンの技へのオマージュを込めた」というものです。

そして「フランスのモダニズムを表現した」というのが「リヴォリ」で、ファブリック仕様は「バスティーユ」。これは革命の原点であり、近代フランス文化の起点となった「バスティーユ広場」をモチーフにしたそうです――という具合にプレスリリースの内容をほぼそのまま引き写しても、我ながら何を言っているのかさっぱりわからないため、ここは画像を見ていただくのが一番でしょう。

例えば、「芸術性とアルチザンの技へのオマージュを込めた」という「オペラ」はこうです。
 

CX-60▲……なんとも独特なデザインとなる「オペラ」のシート表皮

そして「フランスのモダニズムを表現した」とDSオートモビルが主張する「リヴォリ」は、こんな感じです。
 

CX-60▲こちらは「リヴォリ」。ルーブル宮殿の近くにある、片側が新古典様式のアーケードになっている「リヴォリ通り」をイメージしたデザインらしいが……

……もはやこれがイケているのかいないのか、自分でもよくわからなくなってきましたが、とにかくDS7クロスバックのインテリアが「唯一無二の世界観」を備えていることだけは間違いありません。

そこを気に入った場合には、ぜひ物件の方をチェックしてみてください。総額300万~460万円付近にて、好条件な1台が見つかるはずです。
 

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イケてる内装のSUV⑤|ランドローバー レンジローバー(4代目)
→想定予算:総額500万~730万円

ある種の人はDS7クロスバックのアバンギャルドっぷりがお好みかもしれませんが、「ちょっと前衛的すぎる」という声もあるかもしれません。

そのため最後にピックアップする車種は、英国車ならではの落ち着きのある高級感がひたすらステキと感じられるモデルをピックアップすることにしましょう。

2013年から2021年まで販売された先代のランドローバー レンジローバーです。
 

レンジローバー(4代目)▲「砂漠のロールスロイス」とも呼ばれたランドローバー レンジローバー。写真は2021年までの先代モデル

ご承知のとおりレンジローバーとは、もともとは「砂漠のロールスロイス」とも呼ばれた超プレミアムSUV。その新車価格は年代やグレードによって様々ですが、ざっくり言ってしまうと「2000万円から3000万円ぐらいの車」です。

それゆえインテリアに使用されているレザーやウッド、あるいは金属や樹脂などはすべて超ハイクラスのモノであり、デザイン的には割と普通というかあっさりしているのですが、インテリア全体から醸し出る「高級感」はとてつもないレベルです。

そんなレンジローバーの現行型を買おうとすると、最安の中古車でも軽く1500万円を超えてしまうのですが、先代モデルであれば、走行距離4万km台までの物件を総額500万~730万円ほどで見つけることができます。
 

レンジローバー(4代目)▲写真ではやや伝わりにくいかもしれないが、比較的普通っぽいデザインに見えても、使われている素材がきわめて上質であるため、各部から放たれる「オーラ」のようなものが、一般的な車とはまったく異なる
レンジローバー(4代目)▲先代レンジローバーの2列目シート。こちらも写真では「普通の革シート」に見えるかもしれないので、できれば一度、現物をその目と身体で確認してみてほしい!

もちろんこれとて決して安くはないのですが、レンジローバーのインテリアが放つ圧倒的なオーラと肌触りを感じていると、「……このクオリティでこの値段は、ある意味安いとすら言えるのかも?」と思い始める可能性はあります。それぐらい、レンジローバーのインテリアは超絶です。

もちろん維持費もそれなりにかかる超高級SUVであるため、万人にオススメできるものでもないのですが、もしもご興味があれば、ぜひカーセンサーnetでこっそりチェックしてみてください。
 

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ランドローバー レンジローバー(4代目) × 全国
文/伊達軍曹 写真/尾形和美、マツダ、日産、アウディ、ポルシェ、ステランティス、ランドローバー
※記事内の情報は2025年3月10日時点のものです。
伊達軍曹

自動車ライター

伊達軍曹

外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツR EX Black Interior Selection。