7人乗りでもコンパクトなミニバントヨタアイシス。選ぶ際に見るべきポイントは？

カテゴリー: 特選車

2019/11/20

「車を見に行っても、どこをどう見たらいいのか……」

そんな方々の悩みを解消すべく、実際に販売店で実車を見ながらチェックポイントを解説。これを参考に、気になる車に会いに行こう！

▲今回見てきたのは2009年式のトヨタアイシス（初代）。3列シートの7人乗りでありながら全高が1640～1670mmと他のミニバンと比べ低く、独特なスライドドアと相まって使い勝手の良いモデルだ

ファミリーカーならではのチェックポイントがある

助手席側のセンターピラーを廃し、広い開口部を実現しているアイシス。ピラーレスといっても正確にはドア側にピラーをビルトインしているので、運転席側と同等の強度があり側面衝突安全性は確保されている。

「ベビーシートやチャイルドシートに乗せるお子さんがいるファミリー層に人気です」と教えてくれたのは、中古車販売店・オートクラブ横浜本店の店長伊藤さん。

比較検討の際には実際に使う子供用シートを持ち込んで、その使い勝手を試してみることも大切だ。

伊藤さんは、「私自身も1歳の子供がいて、チャイルドシートでの乗降を試したんですがとても扱いやすかったです」と太鼓判を押す。

3列シートに両側スライドドアと機能性に優れるばかりか、エンジン類の故障事例もほとんどないという。流通している物件は、走行距離5万㎞以内のものが多く、上級グレードのプラタナを含め、総額100万円以内の選択肢も豊富だ。

そこで10年落ちも走行4万㎞台の物件を例にチェックポイントを聞いてきた。

今回見た車

トヨタアイシス（プラタナ）

2004年から13年間生産されたロングセラーミニバン。取り回しが良いボディサイズや3列シートと助手席側センターピラーレスの大開口ドアをもつなど、使い勝手の良いモデル
●本体価格／78万円（税込）
●総額／89.1万円（税込）
●年式／2009年式
●走行距離／4.3万km
●修復歴／なし
●乗車人数／7人
●エンジン／2L ガソリン
※2019年10月29日時点の情報

CHECK POINT 1
パワースライドドアの自動開閉動作をチェック

全グレード助手席側は電動スライドドアなので（運転席側はグレードによる）、動作チェックは必須。

動きが遅い、一定の速度で動かない、異音がするといった症状がある場合は避けた方が無難だろう。

電動スライドドアはスイッチでオフにすることもできるので、手動で開閉してスライドの動きに引っ掛かる箇所がないかもあわせて確認を。運転席側も電動の物件はそちらも忘れずに。

▲ミニバンの要ともいえるスライドドアは入念にチェック

CHECK POINT 2
2列目、3列目シートの状態は生地を触ってチェック

前オーナーが子育て中のファミリーだった場合、子供が乗る機会の多い2列目、3列目のシートに頑固な汚れが残っていることもある。

ベージュ系の内装であれば目立つが、黒系の内装だと汚れを見落としてしまう場合も。

気づくのが購入後だったときのショック回避のためにも、飲食物をこぼしがちな座席の間や股の間にあたる部分を実際に触ってみて、ベタつきなどがないかもチェックしておきたい。

▲こちらは2列目のシート。汚れなどを見落とさないようにチェックが必要

CHECK POINT 3
エアコンをオンにし送風口からのにおいを嗅ぐ

ネットに物件の詳しい情報が載っている場合でも、写真や映像では伝わらないのがにおいだ。

家族全員が快適に過ごせるような物件選びでは車内のにおいチェックは重要になる。

タバコやペット、芳香剤のにおいの有無はドアを閉め切ってみると確認しやすい。

エアコンのフィルターににおいの元が付着している可能性もあるので、エアコンでONにして送風口のチェックも忘れずに行っておきたい。

▲他にもカビ臭など同乗者が不快にならないにおいはないか要注意

CHECK POINT 4
劣化によるヘッドライトの曇り具合をチェック

ヘッドライトが樹脂製のため、経年劣化による黄ばみが発生している物件もある。あまりひどいと車検に通らない場合も。

表面だけなら磨きとコーティングで落とせる可能性もあるが、レンズの内側の劣化の場合、元のクリアな状態に戻すことはできない。

新品への交換だと10万円超の出費となるため、状態の良いものを選ぶのがベストだが、中古の部品と交換可能か相談してみるのもアリだ。

▲黄ばみが発生し、光量が落ちると夜間の運転も不安になるため、ヘッドライトにも注意が必要

取材協力

オートクラブ横浜本店店長伊藤諒さん

横浜市都筑区のアットホームな中古車販売店。店長伊藤さんは、一児の父としても日々ファミリーカーの情報収集をしているそうだ。

住所：神奈川県横浜市都筑区早渕1-16-7
電話：045-590-0300

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販売店がよく受ける質問ベスト3

★第3位
1.8Lと2Lだとどちらがオススメですか？

伊藤さん

新車時価格は2Lのモデルが高かったものの中古車では大差なく、実燃費もほとんど同じくらいです。1.8Lと2Lでは自動車税も変わらないため、パワーに余裕のある2Lがオススメです。

★第2位
3列目の広さはどのくらいですか？

伊藤さん

5ナンバーサイズなのでそこまで広いスペースはありませんが、いざというときに大人が座れるくらいの広さはあります。小学校低学年くらいの子供であればそれほど窮屈さを感じることはないでしょう。

★第1位
車のサイズ感はどのくらいですか？

伊藤さん

イメージしやすい車種で言うと、現行型プリウスとほとんど同じサイズです。プリウスよりもちょっとだけ長くてちょっとだけ幅が狭い。車内は広いですが、車のサイズ自体はコンパクトです。

今回取り上げたアイシスのように、小さくても機能性が十分なモデルは多くある。

11月20日発売のカーセンサーでは、小さなミニバンをはじめとした車種を紹介しているので、こちらも合わせてチェックしてみてほしい。

文／小鮒康一（フナタン）、写真／稲葉真

※雑誌版カーセンサー 2020年1月号（2019年11月20日発売）の記事「気になるクルマに会いに行こう」をWEB用に再構成して掲載しています。

訪問した人

小鮒康一（フナタン）

スキマ産業系自動車ライター。元大手自動車関連企業から急転直下でフリーランスライターに。中古車販売店勤務経験もあり、実用車からマニアックな車両まで広く浅く網羅。プライベートはマイナー旧車道一直線かと思ったら、いきなり電気自動車を買ってしまう暴挙に出る。愛車は日産リーフ、初代パルサー、NAロードスター。

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