カーセンサーnet上には40万台以上の物件が掲載されている。物件チェックを日課とする筆者が、その中から偶然見つけた「なんだこの中古車は!!」という物件を紹介しよう!

▲今回紹介するのはこちらの物件! カーセンサーには「消防車」も掲載されているのだ ▲今回紹介するのはこちらの物件! カーセンサーには「消防車」も掲載されているのだ

空港で活躍していた本物の消防車

高級SUVとして人気を博してきた、ランドローバー レンジローバー。常々、自動車メディアから“砂漠のロールスロイス”なんて揶揄されてきた。

しかし、本家本元であるロールスロイスがカリナンというSUVを投入した今、レンジローバーの扱いはどうなるんだ、なんてことを思いながら中古車物件をあさっていた。

最低でも600万円用意しないと現行型はまだまだ厳しいなぁ、先代モデルなら200万円くらいからでも狙えなくはないなぁ、そういえば初代は26年間も生産され続けていまだに人気あるんだよなぁ、なんてツベコベ言いながら、出くわしたのが、今回紹介する物件だ。

へっ、6輪車?

へっ、マニュアル?

へっ、本物の元消防車?

と面白い中古車に大興奮。

「SHOREHAM AIRPORT FIRE & RESCUE(ショアハム飛行場消防レスキュー)」とボディ横に記載されていることから、インターネットで検索してみた。

なんでもイギリス南東部にある、「ブライトン・シティ・エアポート」というこじんまりとし飛行場に配属されていた消防車らしい。

ちなみに、ブライトン・シティ・エアポートが開港したのは1910年のことで、イギリス最古であり、世界最古の商業飛行場なんだという。

しかも現役。空港ターミナルはアール・デコ調で、建築物に詳しくもなければ、さほど興味もない筆者が見ても美しいと思えた。

そんなブライトン・シティ・エアポートに配属されていたのが、この6輪レンジローバーだ。

▲消防車として必要な装備も当然そのまま残っている ▲消防車として必要な装備も当然そのまま残っている
▲SHOREHAM AIRPORT FIRE & RESCUEの文字から、イギリスの空港で活躍していたことがわかる? ▲SHOREHAM AIRPORT FIRE & RESCUEの文字から、イギリスの空港で活躍していたことがわかる?

しかもフルタイム「6WD」

イギリスのカーマイケル(Carmichael)社が手がけた6輪レンジローバーはコマンドーと呼ばれ、消防レスキュー仕様車には「TACR2」という名称が与えられていた。

「T」ruck Fire-fighting 「A」irfield 「C」rash 「R」escue 2 Tonne 6×4 Mark「2」、とやたら長い名前の一部の頭文字が車名になっている。

カーマイケル社は基本的にランドローバー純正部品で6輪車を作るが、付け加えられた二輪は駆動力をもたないものが多い。

だから車名には6×4とあるが、中には6輪駆動も生産されたという。今回の物件はというと、「フルタイム6輪駆動」と記載されているではないか!

200ガロンタンクはファイバー製でなるべく低い位置に搭載することで、ハンドリング性能に悪影響が出ないように工夫されている。

重たくなっている車両の制動力を確保するために、フロントのブレーキラインは通常の1本ではなく2本となっている。そしてサスペンションは全輪、独立懸架式を採用。

消防レスキュー車としての性能はまったくの未知数だが、かつて使われていた本物に乗れる、というだけでもワクワクするではないか。

ブライトン・シティ・エアポートの地図は車内に貼られたままで、これまたワクワクさせてくれる。

▲パッと見は普通の車に見えるが…… ▲パッと見は普通の車に見えるが……
▲消防用の機器を動かすためであろうスイッチがあり、ただの車ではないということがわかる ▲消防用の機器を動かすためであろうスイッチがあり、ただの車ではないということがわかる
▲ブライトン・シティ・エアポートの地図がそのまま貼られている ▲ブライトン・シティ・エアポートの地図がそのまま貼られている

333万円という車両価格が高いのか、安いのかさっぱりわからない。

ただ、6輪車で、マニュアルトランスミッションで、元消防レスキュー車、という付加価値をどう捉えるか次第だろう。

もちろん他の人との差別化を重んじる人には、最強な選択肢のようにも思える。

この車が気になった猛者はぜひ、在庫の有無をチェックしてみてほしい。

それにしても奥が深いぜ、中古車!

text/古賀貴司(自動車王国)
photo/カーセンサーnet