トヨタ RAV4

カーセンサー・カー・オブ・ザ・イヤー2020【SUV・クロカン部門】

カーセンサーだけがもっている膨大なデータをもとにした、毎年恒例の中古車注目度&競争率ランキング「カーセンサー・カー・オブ・ザ・イヤー」。

この記事では、SUV・クロカン上位10モデルをピックアップ。各車種について簡単に紹介しよう。
 

 

●第1位|トヨタ RAV4(現行型)

(2019年04月~生産中)
 

トヨタ RAV4▲洗練された都市型クロスオーバーSUVが主流の中、土の匂いを感じるタフな雰囲気に生まれ変わった現行型RAV4

2019年4月にデビューし、その年の日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したRAV4。

現行型は通算5代目となるモデルだが、2013年に世界で発売された4代目は日本では発売されず、3代目が継続販売されて2016年に販売終了。その後、しばらく日本ではRAV4ブランドが消滅していた経緯がある。そのため日本ではこのモデルが4代目となる。

現行モデルは、日本でも大ヒット。ライズが発売されるまではトヨタで一番売れているSUVだった。

もちろん中古車でも人気は高く、カーセンサー・カー・オブ・ザ・イヤー 2020では総合1位に輝いている。

パワートレインは、2Lガソリンエンジンと2.5Lエンジンとモーターを組み合わせたハイブリッドに。ガソリンモデルのアドベンチャーとG Zパッケージには、前後トルク配分だけでなく後輪左右のトルク配分も自動制御する世界初の4WDシステム“ダイナミックトルクベクタリングAWD”が搭載された。ハイブリッドの4WDシステムは後輪をモーターで作動させるE-Fourになる。

2021年1月現在、現行型RAV4は約580台の中古車が流通しており、価格帯は240万~470万円。高価格帯は、新車のカスタムカーが中心だ。

ガソリンモデルは460台ほど流通していて、そのうちアドベンチャーは約200台。価格帯は280万~420万円となっている。
 

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●第2位|スズキ ジムニーシエラ(現行型)

(2018年07月~生産中)
 

スズキ ジムニーシエラ▲ハイパワーSUVを蹴散らすほどの圧倒的な悪路走破性を誇るジムニーシリーズ。現行型シエラはオフロード性能に加え、オンロード性能も飛躍的に向上した

20年ぶりのフルモデルチェンジと同時に長期の納車待ちが発生するなど、デビューから2年以上たった現在でもその状態が継続しているジムニーシエラ。

軽自動車のジムニーにオーバーフェンダーを装着してトレッドを拡大。FRレイアウトや副変速機付きのパートタイム4WD、リジッドアクスル式サスペンションなどジムニーシリーズの伝統を継承。同じく伝統的なラダーフレームは新開発された。

普通自動車であるシエラは新開発の1.5Lエンジンを搭載しており、トランスミッションは5MTと4ATが用意される。

デザインは丸みを帯びた先代から大きく変わり、四角いボディに丸型ライトを採用。ボディカラーはモノトーンと2トーンが用意されている。

2021年1月現在、350台弱の中古車が流通。新車の納車待ちが続いていることもあり、中古車はプレミア相場で、価格帯は200万~380万円に。高価格帯はカスタムされた中古車になる。MT車は約90台流通している。
 

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●第3位|メルセデス・ベンツ Gクラス(W463型)

(1990年01月~2018年05月)
 

メルセデス・ベンツ Gクラス▲多くのメーカーからプレミアムSUVが登場した現在でも、圧倒的な人気を誇るGクラス

プレミアムSUVの中でも絶大な人気を誇るGクラス。軍用車両を民生用にアレンジして販売されたという生い立ちからもわかるように、悪路走破性は折り紙付き。そのうえで、メルセデスらしいプレミアムな装備が盛り込まれている。

先代W463型は1990年にデビューした後、マイナーチェンジを繰り返しながら28年間にわたり販売された。デビュー時は5ドアロングの他、3ドアのショートボディもラインナップ。オープンボディのカブリオが販売された時期もある。

2006年11月にはトランスミッションを7ATに変更。2013年9月には3L V6ディーゼルターボが導入された。

2018年6月に現行型(型式はW463型のまま)へとモデルチェンジした後も、先代の人気は衰えず、高年式の中古車は高値をキープしている。

2021年1月現在の中古車流通量は約330台で、価格帯は300万~3000万円に。高価格帯は2016年にデビューしたスペシャルモデルのフォー・バイ・フォー スクエアードになる。
 

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●第4位|ポルシェ マカン(現行型)

(2014年04月~生産中)
 

ポルシェ マカン▲SUVの姿でもポルシェらしいスポーティ性が与えられたマカン。トップグレードのマカンターボは0-100km/h4.5秒という加速性能を誇る

カイエンよりひとまわり小さなコンパクトSUV(といっても全幅は1926mmある)のマカン。

フロントデザインは往年のレーシングカー、ポルシェ 917を想起させるものになっている。

グレードは、ベーシックなマカン、S、GTS、ターボの4種類を用意。マカンは2L直4ターボ、マカンSは3L V6ターボ、マカンGTSとマカンターボは2.9L V6ツインターボを搭載。トランスミッションはすべて7速PDKとなる。

ポルシェモデルとしてサーキットで鍛え上げた高いスポーツ性を備えているが、一方で実用性も高く、5人乗りでのトランク容量は488L、リアシートを格納すれば最大1503Lまで容量を拡大できる。

エアサス装着車は最大渡河水深530mmで、最低地上高も245mmまで上げることが可能だ。

2021年1月現在、240台弱の中古車が流通していて、価格帯は450万~1400万円。マカンSは470万円から、GTSは630万円から、ターボは530万円から探すことが可能だ。
 

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●第5位|マツダ CX-8(現行型)

(2017年09月~生産中)
 

マツダ CX-8▲2列シートのCX-5と、北米などで販売される3列シートのCX-9のプラットフォームを組み合わせた、国内最上位SUV

ミニバンからSUVにブームが移行すると、「本当はSUVに乗りたいけれど、多人数乗車ができないから買えない」という人も出てきた。CX-8はそんな人々の声に応えるために、2列シートのCX-5よりもホイールベースや後部を伸ばして3列目席を設置。多人数乗車を実現したモデルになる。

乗車人数は2列目席の仕様違いにより、6人乗りと7人乗りを選ぶことが可能。2列目が2人がけのモデルは、3列目へのウォークスルーが可能なモデルと、2列目中央に大きなアームレスト付きのコンソールを備えたモデルが用意される。

3列目席は1列目、2列目の居住性を犠牲にすることなく身長170cmの人が快適に座れるだけのスペースを確保した。

デビュー時のパワートレインは2.2Lディーゼルターボのみの設定で、2018年11月に2.5Lガソリンエンジンと2.5Lガソリンターボを追加。また、このタイミングで高速走行時や滑りやすい路面でも安定した挙動で走れるG-ベクタリング コントロール プラスが標準装備となった。

2021年1月現在、800台以上の中古車が流通しており、価格帯は230万~470万円となっている。
 

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●第6位|ランドローバー レンジローバーイヴォーク(初代)

(2012年03月~2019年05月)
 

ランドローバー レンジローバーイヴォーク▲5ドアは、3ドアよりも少しだけルーフを高くすることで居住性を確保している

2011年の東京モーターショーで初代レンジローバーイヴォークが発表されたとき、多くの人がその美しさに息をのんだ。

レンジローバーの名にふさわしい直線を基調としたボディながら、ルーフを低くして後ろに向かって傾斜していくシルエットにより洗練された雰囲気を醸し出している。

ボディタイプは3ドアのクーペと5ドアの2種類。2016年にはソフトトップを採用したコンバーチブルもラインナップに加わった。

搭載エンジンは最高出力240psを発生する2L直4ターボ。トランスミッションはデビュー時が6ATで、2013年11月から9ATに変更されている。

2021年1月現在、240台弱の中古車が流通していて、価格帯は200万~600万円。ATが9速に変更された2013年11月以降のモデルは260万円から探すことができる。
 

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●第7位|スバル フォレスター(現行型)

(2018年07月~生産中)
 

スバル フォレスター▲スバルグローバルプラットフォームを採用した現行型フォレスター

インプレッサから採用されたスバルグローバルプラットフォーム(SGP)による優れたハンドリングと安定感のある走りが特徴のフォレスター。

扱いやすいボディサイズを維持しながらも、後部座席の居住性を高め、荷室スペースも拡大された。

運転中にドライバーをモニタリングし、一定時間以上目を閉じていたり顔を正面から大きく外したりすると、ドライバーに注意喚起するドライバーモニタリングシステムを初搭載した。

パワートレインは2.5L水平対向4気筒と、2L水平対向4気筒に電動アシスト機構を備えたe-BOXERを用意。2020年10月には2.5Lエンジンが廃止され、1.8L水平対向4気筒ターボが追加された。

2021年1月現在、300台弱の中古車が流通。価格帯は210万~360万円に。流通している中古車のうち、半数近い140台がe-BOXER搭載車となる。

 

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●第8位|BMW X1(初代)

(2010年04月~2015年09月)
 

BMW X1▲FRベースらしいロングノーズスタイルが特徴的。ボディサイズは日本の都市部でも使用しやすい大きさに

BMWのSUVラインナップの中で、最もコンパクトなモデルがX1。

2015年10月に登場した現行型は駆動方式がFFベースになっているが、初代は3シリーズを元に開発されたため、FRベースなのが大きな特徴として挙げられる。

パワートレインは2L直4、2種類の2L直4ターボ、3L直6が用意された。2L直4のsドライブ18iは4WDではなくFRになる。2012年9月のマイナーチェンジで2LターボにもFRが追加されている。

ボディサイズを全幅1800mm、全高1545mmに設定したことで、一般的な機械式駐車場に入庫できるようになった。

2021年1月現在、300台弱の中古車が流通。価格帯は60万~200万円に。予算100万円以内で買える中古車も60台以上流通している。
 

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●第9位|トヨタ ランドクルーザー70(初代)

(1984年11月~2015年06月)
 

トヨタ ランドクルーザー70▲2014年8月に期間限定復活を果たした70系ランドクルーザーは、今なおプレミア相場が続いている

1984年に登場したヘビーデューティ系のランドクルーザー70は2004年まで日本で生産されたが、生産終了後も海外では販売され続けていた。

そして2014年にランドクルーザー70シリーズの発売30周年記念として、期間限定で再発売が決定。このモデルが現在の中古車市場でのランクル70シリーズの人気を支えている。

復刻モデルは5人乗りのバン以外に、これまで日本市場では販売されていなかったダブルキャブのピックアップも登場。屈強なラダーフレーム構造とパートタイム式4WDになり、トランスミッションは5MTのみの設定だった。

搭載エンジンは最高出力170kW(231ps)、最大トルク360N・m(36.7kg-m)を発生する4L V6ガソリンになる。

2021年1月現在、バンの中古車は約220台流通。このうち、復刻したランクル70は60台ほどになる。

復刻版の価格帯は370万~530万円。新車時価格は360万円だったので、いまだかなりのプレミア相場になっていることがわかる。この傾向はまだまだ続くだろう。
 

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●第10位|トヨタ ライズ(現行型)

(2019年11月~生産中)
 

トヨタ ライズ▲ダイハツ ロッキーのOEMモデルであるライズ。5ナンバーサイズのコンパクトSUVとして大ヒット!

ダイハツの新しい車作りの指針であるDNGA。タントに続くDNGA採用モデルとなるロッキーの兄弟車が、このトヨタ ライズだ。ロッキーとはフロントデザインが異なっている。

全幅を1700mm以下に抑えた5ナンバーサイズながら室内空間はとても広く、例えば前席は助手席に座る人との距離間に窮屈さを感じさせないだけでなく、ドア側のスペースにも余裕がある。

搭載エンジンは1L3気筒ターボ。最高出力は72kW(98ps)と決してハイパワーではないが、CVTが秀逸で、荷物を満載した状態でも力強く走れる。トランスミッションはFFと4WDが用意された。

2021年1月現在、900台以上の中古車が流通。価格帯は140万~300万円。高価格帯はカスタムされた中古車になる。

このうち、FF車は800台以上だが、街乗り中心の人はFFモデルでも十分満足できるはずだ。
 

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総括

2020年のカーセンサー・カー・オブ・ザ・イヤーは、SUVとスポーツモデルの人気が顕著だった。

今回紹介したSUVベスト10でも、RAV4とジムニーシエラは総合順位でベスト10にランクインしているし、他のモデルも総合順位で上位にランクインしている。

他のボディタイプだと、価格重視なのか低年式の中古車がランクインしていたが、SUVは半数が現行型で、それ以外も高年式のモデルがランクインしているのが特徴的だ。

SUVが盛り上がり始めた頃はLクラスのものが中心だったが、現在は5ナンバーサイズのモデルも増えていて、使い方に応じて自由に選べる環境が整っている。

もちろん、低予算でも買うことができるSUVだってあるので、好みの1台をじっくり探してみてほしい。
 

文/高橋満(BRIDGE MAN) 写真/トヨタ、スズキ、メルセデス・ベンツ、ポルシェ、マツダ、ランドローバー、スバル、BMW

高橋満(たかはしみつる)

自動車ライター

高橋満(BRIDGE MAN)

求人誌編集部、カーセンサー編集部を経てエディター/ライターとして1999年に独立。独立後は自動車の他、音楽、アウトドアなどをテーマに執筆。得意としているのは人物インタビュー。著名人から一般の方まで、心の中に深く潜り込んでその人自身も気づいていなかった本音を引き出すことを心がけている。愛車はフィアット500C by DIESEL