『リユースできて排ガスゼロ』中古の日産 リーフこそ究極のエコロジー!! ではその実力はいかに?
2018/10/27
先代型リーフの中古車は究極のエコ物件だった!?
昨今自動車の排出ガスによる地球環境への影響が問題視されています。
自動車メーカーもハイブリッドや電気自動車など、排出ガスを低減させる車を開発しています。
また、海外ではガソリンエンジンを今後なくすといった目標も掲げられるなど、様々な活動が行われています。
そんな中、我々個人ができることはどんなことがあるのか考えてみました。
例えば、中古車を購入するときにそこまで考える人は希かもしれませんが、すでにある車両を再び使用するということは「リユース」ということになって環境に優しい行為と言えます。
じゃあ排出ガスを一切出さない電気自動車を中古車で購入するのは究極のエコなのでは!? ということで今回は先代型の日産リーフのお話です。
4年落ち、5.5万km走行のリーフの実力は?
中古の電気自動車を購入するときに一番気になるのがバッテリーの状態と航続距離ではないでしょうか?
リーフに搭載されているリチウムイオンバッテリーは、携帯電話に使われているものと仕組みは同じもので、繰り返し充電と放電を繰り返していくことで、どうしても劣化してしまうもの。
しかし、劣化の速度は使用方法によって大きく異なるため、年式や走行距離よりもバッテリーの状況を確認して選びたいところです。
リーフの場合は、メーターパネルのバッテリー残量計の右端の目盛りを確認することで、バッテリーの状況を確認することでできます。
新車の状態だとここが12セグメントとなっており、劣化するごとに目盛りが減少していくというもの。
新車保証(24kWh車は5年10万km、30kWh車は8年16万km)期間内に9セグメントを割り込む(=8セグメントになる)と9セグメント以上へ復帰することを保証していますが、劣化していないに越したことはありませんね。
それでは中古のリーフの実力派どうでしょう? そこで今回は、先代型のリーフを用意しました。
2014年登録で約5.5万kmを走行したワンオーナーのもので、バッテリーのセグメントは新車時と変わらず12セグメントをキープしている良好な個体。
聞けばオーナー氏は自宅に充電器を持たず、もっぱらディーラーの急速充電器を使用しているとのことで、急速充電を多用していても日常的に使用していた方がバッテリーには優しいのかもしれません。
先代型リーフに乗って箱根までドライブ!
今回はそんな先代型リーフに乗って箱根へ向かうというお気楽……じゃない、マジメな検証企画を実行することに。
カーセンサー編集部のある上野から箱根湯本まではおよそ100km弱の道のり。
カタログ上での航続距離は228kmです。
私、編集部のてんちょ~、カメラマン。大人3人が乗ってエアコンONではとてもそこまでの距離は走れないと踏んで、箱根町役場に設置してある急速充電器をひとまずの目的地に設定しました。
それでは出発! と行きたいところですが、まずは近所の日産ディーラーで充電することに。
表示される航続可能距離は、直近の走行状態によって算出されています。とても優秀。
つまり、この車両を引き取った編集部のてんちょ~がモーター駆動の魅力にとりつかれ、アグレッシブな運転をした結果がこの数値というワケだったのです。
実際、充電後は筆者がステアリングを握り、約60km離れた東名高速道路の海老名パーキングエリアに入った段階での航続可能距離は94kmと、およそ150km走行できる計算となりました。
電気自動車はガソリンエンジン車以上に走り方によって電費(ガソリン車でいう燃費)に違いが出やすく、回生ブレーキでの減速時にどれだけ電気を回収できるかがキモ。
強いブレーキを踏むと車が回収できる電気の量を超えてしまって効率よく回生できないため、ふんわりブレーキを心がけるといいでしょう。
箱根町役場までは余裕で到着。いったん充電し、大観山パーキングを目指す
海老名パーキングエリアにも急速充電器が設置されていますが、2台とも先客がいたことと残り航続可能距離が94kmと余裕があったため、こちらでは充電をせずに箱根町役場へ向かいました。
平日ということもあって、渋滞にハマることなくひとつ目の目的地である箱根町役場に無事到着。
この段階で約100km走行して航続可能距離は43kmの表示。
次の目的地は大観山のパーキングで距離的にはたどり着けそうな気もしましたが、上りが続くことも考慮してここでいったん充電をしました。
充電中はせっかくなので箱根湯本駅周辺を散策。
箱根での試乗会などで幾度となく前を通過したことはありましたが、実際に降り立ったのは初めてです。
充電中の時間を使ってこういった普段しないことができるのも電気自動車の良いところと言えるかもしれませんね!
結局、箱根町役場では20分少々の充電で、バッテリーは91%まで回復。
余裕をもって大観山パーキングを目指します。
道中は上りが続くルートでしたがモーターの豊かなトルクでグイグイ加速し、当然ながらエンジンがうなりを上げることもないので非常に快適。
そして大観山のパーキングに到着した段階でバッテリー残量は45%まで減少。走行距離は30km弱でしたが、やはり上りが続くシーンでのバッテリー消費は避けられませんね。
帰路は西湘バイパスの小田原インターを目指してひたすら箱根を下ります。
ほぼ全域で下りとなるため回生ブレーキで充電し放題となり、小田原インター到着時点でバッテリー残量は59%まで回復しました。
ということで、先代型リーフでの箱根観光……じゃなかった箱根テストの結果、旧型でもバッテリーの状態が良好であればほぼ満充電状態で150km前後はコンスタントに走行できることが分かりました。
1回の充電でこれだけの距離が走れれば、十分日常使いも問題なくできるのではないでしょうか? もちろん燃料代はゼロですし(電気代はかかりますが)、排出ガスもゼロで環境にやさしいですよ!
ではでは先代型リーフを買うならどれ?
「リーフメッチャいいじゃん!!」ということはわかっていただいたと思いますが、次に気になるのがどのモデルを買えばいいのかということです。
先代型リーフは大きく分けて前期、中期、後期に分けられます。
デビューから2012年11月までが前期型となり、航続距離は200kmとなります。
2012年11月から2015年12月までが中期型となり、モーターの変更や軽量化などによって航続距離が228kmに延ばしました。
そして2015年12月から販売終了までが後期型。
新たに30kWhの大容量駆動用バッテリーを搭載したモデルが追加され、航続距離は280kmとなっています(24kWhは中期型と同様)。
先代型リーフは総額60万円台から見つけることができますが、そのほとんどが前期型。
中期型となると80万円台がスタート価格となりそうです。
一方30kWhモデルは130万円台とやや値が張る印象ですが、登場から3年未満で、新車価格が320万円~の車両がこの価格と考えれば買い得感があると言えるでしょう。
グレードは下から、S、X、Gと3グレードが基本となります。
Sグレードは装備が大幅に省かれており、省電力暖房システムであるヒートポンプシステムが非装備となってしまいます。
暖房を使う時期の電費が大幅に低下してしまうので、できればXグレード以上を狙いたいところです。
このように中古で狙えばエコロジーかつエコノミーな先代型リーフ。
もし自動車としての役目を果たしたとしても駆動用バッテリーは高い残存容量を持つことから、再利用や再製品化、再販売など二次利用されるというのも素晴らしい点ではないでしょうか。
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日産 リーフ(初代)×支払総額あり×修復歴なしあわせて読みたい
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