「最新であること」にこだわらない中高年には、旧型になったばかりのベンツ Aクラスがハマるかも?
2018/10/24
▲10月18日に新型が発表されたことで、このたび晴れて(?)旧型となったW176型メルセデス・ベンツ Aクラス。でも、そのプレミアムコンパクトとしての実力はいまだ十分なはず最新のモノがいいのはわかるが、ちょっとぐらい古くたって別に構わない
若者のそれとはちょっと異なる「中高年ならではの車選び」について、このところ真剣に考え続けている筆者(あと1ヵ月で51歳)である。
で、約51歳という絶対的な中高年になってみて思うのは、「もう新しいモノとかコトなんてどうでもいい」ということだ。
「どうでもいい」と言ってしまうと語弊がありすぎるかもしれないが、まぁ率直に言ってしまえばそういうことになる。
例えば、これをお読みの親愛なる中高年各位はさすがに「Eメールも使えません」みたいな化石的おじいちゃんではなく、日々それを仕事などで使いこなしていらっしゃるだろう。
だが、ご承知の人も多いとは思うが、昨今はそのEメールすらも「もはや化石」といわれている。
イケてる若衆が勤める情報企業などでは、社内および関係者向けの業務連絡にはEメールは使わず、「slack」や「ChatWork」などを使うケースが増えているのだ。「おじさん、まだメールなんて使ってるの?www」みたいな感じで。
だが……それを聞いても別に焦ったりはせず、「ふーん、そうなんだ」としか思わないのが、筆者こと51歳・中高年である。
なぜならば、「そりゃslackもChatWorkも便利なんだろうけど、Eメールだって十分以上に便利なんだから、オレはそれでいいよ」としか思えないからだ。
もちろんこれはホメられた態度ではなく、単なる「心身の老化に伴う好奇心や熱意の低下」ということなのだろう。
それはそのとおりなのだが、しかしこうも思うのだ。
「老化したって別にいいじゃん。だって、生きてりゃ誰だって必ず老化するんだから」
最新のテクノロジーやカルチャーを否定したいわけではない。だがそれはそれとして若い世代に任せ、自分らは慣れしんだ古い(だが十分以上にまだまだ現役で使える)テクノロジーに身を委ねつつ、ザ・ローリング・ストーンズのLP盤でも聴きながらのんびり楽しく暮らしますよ……というのが、ひとりの中高年としての偽らざる心境である。
▲若い世代が作る最近のポップミュージックが嫌いなわけでないが、それと同時に「音楽なんて、1960年代までの名曲を繰り返し聴いてりゃそれでいいんじゃないの?」とも実は思っている凄いのはいいことだけど、そこまで凄くなくても十分かも
前フリが長くなってしまい恐縮である。
以上のような、「最新のモノが素晴らしいのはわかる。だが無理にそれを追いかけなくてもいいのでは?」という心境になってきた中高年各位にオススメしたいのが、「旧型」になったばかりのメルセデス・ベンツ Aクラスだ。
▲こちらがつい先日「旧型」になった3世代目のメルセデス・ベンツ Aクラス。登場は2012年11月
ご承知のとおりメルセデス・ベンツ Aクラスは、1998年に(メルセデスとしては)かなり大衆的な小型車として登場したわけだが、2012年デビューのW176型Aクラスは、それまでとはずいぶん雰囲気もデザインも、そして性能も異なる「シュッとしたプレミアムコンパクト」に生まれ変わった。
だがそんなW176型も「そろそろ古くなった」ということでフルモデルチェンジが行われ、日本でも10月18日に新型のAクラスが正式発表された。
そして新型のAは「シャシー性能がものすごく高く」、そしてMBUXという新しいインフォテイメントシステムも「超画期的!」なのだという。
しかし……それを聞いたときの筆者の反応は、先ほどの「Eメールはもう古い。これからはslackだよ」みたいな話を聞いたときとほぼ同じであった。
「ふ~ん、そうなんだ。それはステキだね。でも自分は今の(旧型になった)Aクラスでもぜんぜん十分に思うから、そっちでいいよ」
これは先ほども申し上げた「好奇心や熱意の低下」とも関連しているため、まったく自慢にならない、むしろ恥ずべき話ではある。だが、心底そのように思ってしまうのだ。
「シャシー性能が抜群に良くなった? そりゃ結構だけど、今のでも十分以上にイイじゃん? あれ以上良くなってどうするの? 空でも飛ぶの?」
「画期的なインフォテイメント? なるほど、いいね。でも俺、車の中ではナビすらあまり使わないんだよね(まったく使わないわけじゃないけど)」
……というのはちょっと意地の悪い、いかにも頑固ジジイ的な物言いかもしれない。
だがここまでではないにしても、多少なりとも「うん、そうかもしれないね」とご賛同いただける中高年各位であれば、旧型となった(つまりお手頃相場になった)W176型Aクラスに注目してみる価値はある。
▲グレードやオプションなどにより細部のデザインやシート表皮の素材などはいろいろ異なるが、旧型Aクラスのインテリアはおおむねこのような感じ。コンパクトカーとはいえ上質感は十分だろう走行2万km台までの物件も総額100万円台後半から
2018年10月中旬現在、「旧型」Aクラスの中古車相場は支払総額で見ておおむね150万~420万円と、なかなか上下に幅広い。
だが「走行2万km台までのA180系(1.6L直噴ターボ搭載のベーシックなグレード)」に絞ってみると、総額160万~220万円付近にけっこうな狙い目物件が集中していることに気づく。
総額160万~220万円といえば、ちょっと気の利いた軽自動車の新車を買うのと同じ程度か、下手をすればそれよりも安い予算である。それで、旧型になったとはいえ走行2万km台までのシュッとしたメルセデスが買えるというのだから、「最新であること」に特にこだわりがないのであれば、これはもう注目するしかないではないか。
▲2代目までのAクラスと比べて、この世代はデザインだけでなく「走りの質感」もグッと上質になっている
「走り」は良い。新型と比べてしまうとさすがにアラも見えるのだろうが、普通に単体でそれに乗っている限りは「なかなかいい車だなぁ~」以外の感想は浮かばないはずだ。
中高年世代には不可欠の「先進安全装備」もまずまずと言える。
「レーダー型衝突警告システム」や、ドライバーの疲労を検知して警告する「アテンションアシスト」、事故の際に歩行者の負傷を軽減する「アクティブボンネット」などは全車に標準装備。加えてオプションとして、全車速追従型レーダークルーズコントロールの「ディストロニックプラス」や、車両の斜め後方を監視する「ブラインドスポットアシスト」などもある。
その意味で、できれば前述のディストロニックとブラインドスポットアシストに加えて「PRE-SAFE」もセットになった「レーダーセーフティパッケージ」を選びたいところかもしれない。だがそれを選んだ場合でも、低走行物件の相場はおおむね総額170万円から。十分お手頃と言えるだろう。
▲レーダーセーフティパッケージに付帯する「PRE-SAFE」の説明図版。危険回避のため急ハンドルや急ブレーキの操作をした際、安全装備の効果を最大限まで高めるため、サイドウインドウが自動的に閉まるなどする
「最新」「最良」を求める人間の向上心を否定するつもりはさらさらないが、それに無理に踊らされる必要も特にはないはず。踊るつもりがない各位には、モデルチェンジを機にさらなるお買い得相場になったW176型メルセデス・ベンツAクラスに、ぜひともご注目いただきたい。
▼検索条件
支払総額あり×総額230万円未満×2万㎞台まで×修復歴なしこの記事で紹介している物件
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