▲写真のミニカーは、女性にも大人気のフィアット 500C。その魅力は後編で解説します。そして隣の腕時計は、カシオのG-SHOCKのなかでも不動の人気を誇る定番モデル、「5600」シリーズ。その下のTシャツは、こちらも根強い人気を誇るヘインズのTシャツ。それも、より上質な素材で日本人の体型に合った、「プレミアムジャパンフィット」です。これらのアイテムをジーンズに合わせたときの清潔感こそ、中古車選びにも通じるベーシックの魅力なのです。※写真のアイテムは、すべてスタッフの私物です ▲写真のミニカーは、女性にも大人気のフィアット 500C。その魅力は後編で解説します。そして隣の腕時計は、カシオのG-SHOCKのなかでも不動の人気を誇る定番モデル、「5600」シリーズ。その下のTシャツは、こちらも根強い人気を誇るヘインズのTシャツ。それも、より上質な素材で日本人の体型に合った、「プレミアムジャパンフィット」です。これらのアイテムをジーンズに合わせたときの清潔感こそ、中古車選びにも通じるベーシックの魅力なのです。※写真のアイテムは、すべてスタッフの私物です

車には疎いけど、手軽でおしゃれで好感度の上がる1台を選びたいというあなたに、その極意を伝授。「車を着こなす」ポイントと、オススメの国産車5台をご紹介します

車を「上手に着こなしている」人たち

あなたの周りに車好きな人がいたとして、実際に見せてもらうと「あ~、似合ってるよね」とか、「〇〇さんの雰囲気にぴったり」ということ、わりと多いはず。それは、自分のスタイルが確立されているからなんですよね。

つまり、彼らは「車を上手に着こなしている」人たちなんです。もちろん、その境地に至るまでは、幾多の失敗があったことでしょう。予算をオーバーして遊びに行く余裕がなくなったり、もしものときに備えて室内が広すぎる車を選んでしまったり……。

でも、あまり車に詳しくないし、失敗なんて勘弁! というあなた。そうした修業を積むことなく、自分にぴったりで、周囲のウケもいい、好感度のアガる車を迷わず選ぶコツがあるんです。

それが、「清潔感」です。

では「清潔感」とは、具体的にどんなことを指すのか。ファッションにたとえてみましょう。

ベーシックだから飽きることがない

装いにはトレンドがあり、女性の方なら最新のモードを見据えながら、色やデザインに注意を払っているはずです。一方、男性はというと、女性の服に比べてデザインのバリエーションが少ないぶん、頻繁に買い足す必要がありません。といっても、実は毎年少しずつ微細な変化はあるのですが……。

ともあれ、着こなしのハードルが低く、長く着られるベーシックなカジュアル服や小物を押さえておけば、週末のスタイルに悩む必要はありませんよね?

一番上の写真でご紹介したTシャツ、腕時計は、まさにそんな「週末の鉄板アイテム」です。ベーシックでカジュアルな着こなしは、それぞれのアイテムがことさらに主張せず、デザインもシンプルなぶん、注意すべき点があります。

それが「清潔感」

過度に汚れていないことは当然として、サイズは大きからず小さからずの絶妙なフィット感を重視することで、クリーンな印象が高まり、「こなれた感じ」が演出できます。

これを車に置き換えた場合、中古車は最も魅力的な選択肢です。なぜなら、1~2世代前の中古車は、モードをけん引する最新モデル(例外あり)ほど主張しすぎることがなく、気軽に「こなれた感じ」を出せるうえ、程よい希少価値で静かに個性を主張することもできるからです。

さらに、必要十分なボディサイズによるフィット感にも気を配れば、もう言うことなし。これからご紹介する5台は、いずれもカジュアルで好感度の高いものばかり。あとは色や装備にこだわって、理想のイメージに近づけましょう!

カジュアルで好感度の高い5台はコチラ

▲当初、クロスロードは当時提携していたランドローバー ディスカバリーのホンダ版として販売されていて、ホンダオリジナルで登場したのが、こちらの2代目。ボディカラーは清潔感のある白が多いものの、膨張色なのとせっかくの個性が薄まってしまうので、締まった印象で都会的な雰囲気を漂わせる黒をおすすめします。▲当初、クロスロードは当時提携していたランドローバー ディスカバリーのホンダ版として販売されていて、ホンダオリジナルで登場したのが、こちらの2代目。ボディカラーは清潔感のある白が多いものの、膨張色なのとせっかくの個性が薄まってしまうので、締まった印象で都会的な雰囲気を漂わせる黒をオススメします

■ホンダ クロスロード 2代目
(2007~2010年)

角のとれた四角いデザインは嫌味がなく、それでいて都会的で、どんなスタイルでも合わせやすい。これぞ「清潔感」! ただし、当時はSUVの人気が丸みを帯びたデザインに集まっていたために大きな人気を獲得することはできず、わずか4年未満でカタログ落ちしてしまいました。

それでも、今なお古さを感じさせないデザインはさすがで、狭いながらも3列目シートを備えた7人乗りの室内は、普段使いからキャンプまでこなせる車を探しているファミリーに最適です。エンジンは1.8リッターと2リッターの2種類で、駆動方式は2WDと4WDがあり、SUVらしくアクティブに使うなら、荷物をたくさん積んでもパワフルな2リッターの4WDがオススメ。

清潔感のあるデザインに惹かれるユーザーが多いせいか、流通量が少ない割に中古車人気は高く、高年式で程度のいいものは150万円前後で取り引きされています。最終モデルでも8年落ちということを考えれば、総予算100万円で走行距離5万km前後を基準に探すのが現実的です。

▲G-SHOCKを連想させる、タフで垢抜けたデザインがこの車の魅力。デザインに敏感な若手クリエイターを中心に人気があり、荷物をたくさん積むフォトグラファーやスタイリストの愛用者が少なくありません。なお、室内が広いとはいえコンパクトカーには違いないので、快適性を重視するなら少人数での使用がおすすめです。▲G-SHOCKを連想させる、タフであか抜けたデザインがこの車の魅力。デザインに敏感な若手クリエイターを中心に人気があり、荷物をたくさん積むフォトグラファーやスタイリストの愛用者が少なくありません。なお、室内が広いとはいえコンパクトカーには違いないので、快適性を重視するなら少人数での使用がオススメです

■ホンダ エレメント
(2003~2005年)

若い世代のタフギアをイメージしてアメリカで企画・生産された、とても個性的な車です。これ見よがしな高級感とは対極にある、樹脂パーツを多用したスタイリングは実に潔く、清潔感を感じさせる大きな魅力となっています。

コンセプトは「ビーチのライフガード・ステーション」。実際、全長4.3mと小柄ながら、助手席と後席の背もたれを倒せばロングボードが積めるほどの長さを誇ります。しかもサイドドアは珍しい観音開きで大きな荷物を積み込みやすく、シートやフロアは防水仕様。週末ライフの軸に海や川遊びを据えているカップルには、しっくりくるのではないでしょうか。

エンジンは2.4リッターのみで、そこそこパワフル。駆動方式は2WDと4WDがありますが、道なき道を行くほどの使い方をするのでなければ、4WDにこだわる必要はありません。個性が強いのと、アメリカ向けならではの質感の乏しさ(それが魅力ではあるのですが)が災いし、1代限りで消滅しました。

そのぶんレアなので、街での注目度は抜群。中古車は流通量が少なく比較検討は困難ですが、総予算100万円で無理なく探せます。荒く使われていないか室内をじっくりチェックして、気に入ったら即決しちゃいましょう!

▲3代目エスクードのスタイリングは直線基調で力感があり、それでいて野暮ったくないのが魅力。シンプルな清潔感を活かすうえでも過剰なドレスアップは控えましょう。また、ボディカラーは渋い色が多く、それだとクロスカントリー色が強まってしまい、街では地味な印象に。むしろタフギアだからこそ上質感のある白を合わせるのが、上手な選び方です。▲3代目エスクードのスタイリングは直線基調で力感があり、それでいて野暮ったくないのが魅力。シンプルな清潔感を生かすうえでも過剰なドレスアップは控えましょう。また、ボディカラーは渋い色が多く、それだとクロスカントリー色が強まってしまい、街では地味な印象に。むしろタフギアだからこそ上質感のある白を合わせるのが、上手な選び方です

■スズキ/エスクード 3代目
(2005~2017年)

近頃大人気のSUVは、もともと荒地を走るトラックベースの重厚なクロスカントリー4WDがルーツ。年々、街乗りを主体とするユーザーのニーズが高まったこともあり、スズキは乗り心地に優れ、高速道路でも快適なライトクロカンというキャラクターをいち早く創出しました。

それがこのエスクード。初代は1988年からですが、現実的な選択肢として、またSUVのたくましさをシンプルなラインでデザインした3代目は、クリーンで清潔感があり、カジュアル感を演出するうえでオススメです。

しかもエスクードは、悪路での走破性を高めるクロスカントリー4WDの長所をも維持していて、タフギアとしても秀逸。キャンプや渓流釣りに行くと、大きな岩がゴロゴロしていたりするシーンに直面することがありますが、エスクードなら「あと1歩先へ」が可能になるのです。

もちろん街乗りが主体でも、優れた悪路走破性はもしものときに役立ちますし、アウトドアウエアを街着にスタイリングする、ハイスペックなギアを愛するモノ好き男子にはたまらない逸品といえるでしょう。 

生産期間が長く、エンジンは1.6リッターの4気筒から3.2リッターの6気筒まで多彩なこともあり、中古車価格帯は50万~160万円と幅広くなっています。タフな身の上だけに走行距離には目をつぶり、総予算70万~100万円で流通量の多い2.4リッター4気筒モデルを探してはいかがでしょう。

▲近年のスズキ車はデザインの評価が高く、なかでも現行型アルトはその筆頭。メッキパーツの加飾に頼らず、造形で美しさを追求したそのスタイリングは、清潔感にあふれています。高性能モデルのアルトワークスもありますが、あくまでも走るのが好きなマニア向け。価格も高いので、ベーシックモデルの上級グレードで車本来の良さを満喫しましょう。▲近年のスズキ車はデザインの評価が高く、なかでも現行型アルトはその筆頭。メッキパーツの加飾に頼らず、造形で美しさを追求したそのスタイリングは、清潔感にあふれています。高性能モデルのアルトワークスもありますが、あくまでも走るのが好きなマニア向け。価格も高いので、ベーシックモデルの上級グレードで車本来の良さを満喫しましょう

■スズキ アルト 8代目
(2014年~)

パーソナルカーとしての軽自動車を代表する、スズキのロングセラー、アルト。背の高いハイトワゴンが大勢となった近年は、いまひとつ個性に乏しかったものの、現行型は随所にレトロな雰囲気を盛り込んだ、シンプルで力強いスタイリングが目を引きます。

そもそもアルトの初代モデル(1979~1984年)はシンプルで使いやすい設計を取り入れ、主婦や働く女性を中心に大ヒットした名車。原点回帰を目指した現行型が過剰にかわいさを主張することなく、プレーンで飽きのこない清潔感を漂わせているのも当然のなりゆきなのです。

ボディカラーは豊富に揃い、デザインを生かすなら赤や黒などのはっきりとした色がオススメ。カラフルな色のコンバースのスニーカーを合わせる感覚で、男女問わずシンプル&カジュアルに着こなせます。また、軽ハッチバックならではの取り回しの良さと経済性は、交通インフラが脆弱な郊外のみならず、狭い道が多く渋滞の激しい都市部でも大きなメリットがあります。

いま流行りの「スニーカー通勤」の感覚で、仕事から外出まで軽快に使い倒したいユーザーにオススメです。 中古車流通量は多く、中心価格帯は80万円前後。新車でも買える車だけに、お得なカーライフを実践するなら装備が充実したXやSグレード(新車価格で100万超)を、総予算100万円以内を目標に探しましょう。

▲バンパーやグリルは簡単に取り外しができ、カスタマイズの楽しみも味わえます。近場限定の使い方ならノンターボ車でも不満はないでしょうが、遠出も兼ねるなら出力の大きいターボ車がおすすめ。1代限りのモデルで年式も古いため、状態のいい中古車を探すのは簡単ではありませんが、理想の1台が見つかれば、シンプルなデザインの良さを心ゆくまで堪能できます。▲バンパーやグリルは簡単に取り外しができ、カスタマイズの楽しみも味わえます。近場限定の使い方ならノンターボ車でも不満はないでしょうが、遠出も兼ねるなら出力の大きいターボ車がオススメ。1代限りのモデルで年式も古いため、状態のいい中古車を探すのは簡単ではありませんが、理想の1台が見つかれば、シンプルなデザインの良さを心ゆくまで堪能できます

■ダイハツ ネイキッド
(1999~2004年)

高級感をわかりやすく演出しようとすると、車にかぎらずデザイン過多になりがちで、トレンドにも左右されます。一方、シンプルで素材の良さが伝わるデザインは飽きることがなく、時代を超えて愛することができます。そのキーワードとなるのが「清潔感」なわけですが、過去にはシンプルさを巧みなデザイン処理でアイデンティティとした、ネイキッドという車がありました。

いかにも鉄の板という意匠のボディパネル、ヒンジがむき出しのドアなど一風変わったデザインに見えますが、実は欧州の古い実用車に多く見られた傾向です。あちらではシンプルな車を長く乗る合理的な価値観が浸透しているのです。ネイキッドはいわば頻繁な買い替えを主流とする日本の車文化への、アンチテーゼともいえるでしょう。

ただ、ダイハツの健闘むなしく、ネイキッドは大ヒットを記録することなく1代限りで消滅してしまいました(泣)。それでも、ユーズド加工を施したジーンズのごとく、手軽に洒落た欧州スタイルを実践できるのが、この車のいいところ。

ヘインズのTシャツとジーンズの組み合わせのように、ベーシックなカジュアルスタイルを好む若い男女から、渋み漂うシニアまで、その装いを格上げしてくれることでしょう。また、室内は天井が高めで荷物も積みやすいので、2人使いなら週末の外遊びにも対応します。

年式の古い車につき、価格帯は10万~50万円と低め傾向。総予算40万~50万円で高年式・低走行(といっても5万kmは覚悟)車を探せば、購入後のメンテナンス代が抑えられます。飽きのこないデザインの車だからこそ、長く乗ってその魅力を満喫しましょう!

text/櫻井香
photo/見城 了、編集部

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