新車を買ったことで改めて見えた中古車の素晴らしさ。特に、中古のボルボ V60とか
2017/12/18
ビカビカの新車はアウトドア趣味には不向き?
「輸入中古車評論家」を自称し、これまで数え切れないほどの数の中古ガイシャを購入してきた不肖筆者。しかしこのたび思うところあって国産車の、しかも新車を、生まれて初めて購入した。
買ったのはスバルのXVという車なのだが、XVそのものに関するウンヌンはさておき、とにかく新車と名が付くものを買ってみて思ったのは、「やはり中古車には中古車の良さが確実にある!」ということだった。
や、「内外装の美観」については言うまでもなく新車の圧勝であり、いわゆる「安全性」に関しても新車の大勝利だ。年式古めの中古車は、最新世代の安全技術にはほぼ太刀打ちできないと断言できる。
しかしある種のケースでは……具体的には「何らかのアウトドア系趣味のために車を買う」という場合には、実は新車より中古車の方が良いのではないか? とも思うのだ。
なぜかというと、ビカビカの新車に乗っているとどうしても「汚したくない」「キズを付けたくない」的なセコい思いが本能的に立ち上がってしまい、それが、本来は車のことなど気にせず打ち込むべき野外活動に多少の影を落としてしまうからだ。
中古車だからこそ、ある意味「自由」を謳歌できる
筆者個人の例で具体的にお話ししよう。
筆者は釣り、英語で言うところのフィッシングなる野外活動を愛好している。そのため数年前、ルノー カングーという箱型の車を中古で購入した。
ご承知のとおり、釣りというのは少々の荒れ地を車で通過しつつポイントへ到着する場合が多い。で、首尾よく釣れた場合には魚をクーラーボックスに入れ、それを荷室に積み込むことになる。
……そうするとですね、車のあちこちに小キズが付いたり、車内が妙に生臭くなってしまう可能性も大いにあるわけですよ。
もちろんそれなりに気をつけていたので、結論として釣りに起因するキズや異臭は発生させずに済んだ。しかし正直申し上げれば「ま、多少キズが付いたりしてもいいや」とは思っていた。
なぜならば、なかなかキレイな中古車ではあったが、とはいえ中古品なので「それなりの使用感」みたいなものは元々存在していたからだ。それゆえ、その上にさらなる使用感が多少プラスされたとしても「ま、仕方ないか……」ぐらいには思えるものだ。あきらめが付きやすいといいますか。
このような気安さというか気楽に付き合える点が、中古車の美点のひとつなのだ。
しかし、ビカビカの新車となるとそうはいかない。
中古のカングーに乗っていた頃は、すべてに対してのんびり構えていた不肖筆者。釣り場に行く際は強烈な笹ヤブ道を平気で走り回り、同乗者がスナック菓子を車内でこぼしても「あ、ぜんぜん気にしないでいいよ!」とかなんとか言っていた。
しかし新車のスバル XVに乗る私は別人だ。
やや狭い駐車場に止めれば「……隣の車からドアパンチされるんじゃないか?」と疑心暗鬼になり、同乗者が車内にスマホを置こうとすれば「あっ、そこには置かないで! 内装にキズが入るから!」などとキイキイ声を上げている。
当然、笹ヤブだらけの釣り場にも行っていない。せっかく四駆のSUVを買ったというのに。
まぁこれは極端な例かもしれず、もう少々の時間がたてば筆者の心もラクになり(ふんぎりがつき?)、笹ヤブ系の釣り場にも出かけることになるのだろう。
しかしながら新車ユーザーおよび中古車ユーザーそれぞれの心理に「おおむねこのような傾向」があることは、おそらく間違いないと思っている。
例えばボルボ V60の前期型中古車なんて選択はどうだろう?
以上の理由により、釣りに限らずアウトドア系の趣味活動を愛車の主たる使用目的と考えるのであれば、「新車より中古車の方が道具グルマとしては実は優秀」と言える可能性も大いにあるわけだ。
もちろん「や、わたしは下ろしたての新車でも気にせずガケとか登りますけどね、わはは」的にメンタルが強い人は、新車をお買い求めになればいいだろう。しかしそうではない一般的なメンタルの持ち主には、割と真剣に「あえて中古」という選択も心からオススメしたいのである。
その際、候補となる車種は星の数ほどあろうが、不肖筆者としては以下の条件を満たしている車種だと、何かと具合が良いのではないかとにらんでいる。
1. ある程度「走り」がいい
→ 遠くまで出かけることも多い野外活動ゆえ、走りがイマイチな車だと疲れてしまう。
2. シートの出来がいい
→ 理由は1と同様。
3. ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)や自動ブレーキ的な安全装備が付いている
→ 行きはさておき、野外活動の帰り道は疲れて運転が散漫になりがち。絶対あった方がいい。
4. ビジュアルと雰囲気もなかなかよろしい
→ 道具グルマとはいえ「所有欲」みたいなものもある程度は満たしたい。人間だもの。
以上の4条件に当てはまる中古車もこれまた星の数ほどありそうだが、筆者の経験から言わせていただくならば「ボルボ V60の前期型」が適任のような気がしてならない。
総額150万~199万円ほどでも低走行物件を検索可能
ボルボ V60の前期型は2011~2012年式に相当するため、今がちょうど2回目車検ぐらいの時期。そのため相場はかなりお手頃で、具体的には総額150万~199万円ほどで走行3万km台までの個体を探すことができる。
そしてこの年式ということは、まだまだ十分キレイではあるが、それでも少々の使用感は生じているはずなので、比較的ラクな気持ちで笹ヤブ道などにも突撃できてしまうわけだ。
そして、「1. 走り」も非常に優秀。手頃な予算で狙えるのは1.6L直噴ターボエンジン搭載の下位グレードが中心だが、パワーとトルクは十分以上で、シャシーの出来もすこぶる良い。
「2. シート」についても、ボルボ V60は実は名作とすら言えるシートを備えている。特にフロントシートは非常に座り心地が良く、疲れにくく、そしてそのビジュアルもなかなか良好だ。
「3. ACCや自動ブレーキ」なども、安全にこだわるボルボだけあってV60には当初から採用されている。しかし諸々のそれが標準装備となったのは2014年10月のことで、前期1.6L直噴ターボ搭載グレードではオプション扱いだった。それゆえ筆者が前期V60を探すなら「セーフティパッケージ」との表示があるものにこだわるだろう。
「4. ビジュアルと雰囲気」は各自の趣味に基づいてご判断いただくしかないが、筆者としては「なかなかイイじゃないですか!」と思っている。
……と、以上のとおり筆者的にはボルボ V60前期型の中古車をオススメしたいわけだが、もちろんそれに従う必要などない。ステキな候補は他にもたくさんあるだろう。
ただ、「道具グルマ的な何かを近々買うつもりなんだけど、やっぱ新車の方がいいのかな?」と思っている人に「や、一概にそうとばかりは言えませんよ!」とだけは、この場を借りて強く申し上げたいのである。
▼検索条件
ボルボ V60(初代)×総額199万円以下×走行距離3万km代×修復歴なし×支払総額ありこの記事で紹介している物件
あわせて読みたい
- 西川淳の「SUV嫌いに効くクスリをください」 ランボルギーニ ウルスの巻
- トヨタと共同開発中のピュアEV、スバル ソルテラ
- SUVじゃなくていいじゃない! この夏、「キャンピングGT」に乗ろう!【カーセンサー8月号】
- 5年落ち以内が車両本体価格200万円以下から狙える! スタイリッシュな輸入車SUV4選
- 植田圭輔さんが、真っ赤なポルシェで緑の中を駆け抜ける!
- 9年連続エンジン・オブ・ザ・イヤー2.0~2.5L部門賞を受賞した「2.5L直列5気筒TFSIエンジン」搭載の狙い目モデル3選
- 【試乗】新型 フォルクスワーゲン T-Cross│「TさいSUV」はハッチバックよりもどこが欲張りか? 実際に乗って考えた
- 手にするものはすべてがアート。自然を愛するアーティストは世界で1台だけのメルセデス・ベンツ Gクラスに乗る
- アルピナ B8 4.6リムジン。それはある意味「永遠の命」をもつ希少名車だった。【NEXT EDGE CAR】
- 小沢コージが自動車界の勇者・救世主を探すべく「激レア変態車」の取引現場、白金の魔窟を直撃!【カーセンサーニッチ】