Q.ネットで車を購入したけど
届いた車が違う…解約は可能?


 ネットで車を検索。どうしても欲しい車を見つけたのですが、300km以上離れた販売店で、ちょっと見に行く時間を作れません。そこで、メールや電話、FAXを使い写真や状態表などを送ってもらいました。何度かのやり取りを経て、信用できそうなので契約。しかし、実際に届いた車は、なんだかイメージと違っていました。これって解約できますか?

A.ネット購入でも解約は可能
ただし主観的な理由では認められない


 中販連の規約でも、「見本カタログなどによって申し込みをして車両がそれと相違し、その補修もしくは補充が不可能な場合は契約を解除できる」となっています。ですから、送られてきた写真と現物が違うと認められる場合は解約が可能です。例えば、わざとキズが写らない角度から撮影をして、その事実を購入者に隠すなどはこのケースに当たります。また、現物より写真をよく見せるために、明らかな修正が認められる場合も解約できるでしょう。

 ただし、「なんだか写真とは雰囲気が違う」といった主観的な理由では解約は難しいでしょう。例えば、晴れた日に写真を撮ると塗装がキレイに見えることがあります。その状態の写真で確認をしていて、実車が曇の日に手元に届くと「なんだかイメージが」といったことも起こりえます。これは、「写真と現物に相違がある」とまでは言えない事例です。

 ネットで見ただけの購入は、実車を見たり試乗したりしない分、細かく車両や購入の条件をやりとりすることが少なくありません。そこで、ネットなのでクレーム等は受け付けませんと書いてあっても、車が持つ基本性能(安全に走行すること)については、どんなに安価でも担保する必要があります。ネットでの購入でも、車の安全性や走行性能に「隠れた瑕疵(かし)」が見つかった場合は、瑕疵担保責任が発生することは覚えておきましょう。

 中古車とはいえ、安い買い物ではありません。また、いくら写真や資料でやりとりをしても、百聞は一見に如かずです。できるだけ自分の目で見て、店員さんと話しをして、最終的に納得してから購入することをお勧めします。


illustration/もりいくすお


■ワンポイント法律用語■

瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)
売買の対象とされた商品に、購入時に一見して見つけることができないキズや故障があり、買い主がこれを知らない、かつ知らないことに過失がない場合、買い主は瑕疵の存在を知ったときから1年以内であれば、代替物との交換や損害賠償請求ができる。さらに、瑕疵のために契約をした目的を達することができないときは、契約の解除ができる。中古車の場合は替えのきかない特定物なので、損害賠償または契約の解除を請求することとなる。