早くも200万円台となった現行BMW 3シリーズ。…それって本当に「買い」ですか?
カテゴリー: クルマ
タグ: BMW / セダン / ステーションワゴン / 男性向け / 富裕層向け / AT / FR / 3シリーズ / 3シリーズツーリング / EDGEが効いている / EDGE SELECTION
2016/05/20
安値の理由は「ゴルフより多い」というその流通量
現行BMW 3シリーズおよび3シリーズツーリングの初期モデルが今、妙に安くなっている。具体的には車両価格で200万円台半ばも見ておけば、13年式付近の320iラグジュアリーや320dブルーパフォーマンス ラグジュアリーといった人気グレードを狙えてしまうのだ。それも過走行の微妙な物件ではなく、走行1万km台から2万km台ぐらいまでの上モノを、である。
安値の理由は、「13年式はちょうど今年初めての車検を迎えるタイミングだから」というのもあるだろうが、結局は「そもそも数が多いから」ということに尽きるのではないかと見ている。
数字を挙げてみよう。5月12日現在、13~14年式BMW 3シリーズの流通量は596台。これに対して、競合であるメルセデス・ベンツ Cクラスの同年式車は(こちらは端境期のため旧型と現行型の合算になるが)132台であり、売れ筋なれど車格はまったく異なる現行フォルクスワーゲン ゴルフの13~14年式でも235台でしかない。……BMW 3シリーズの数字が輸入車の中ではいかに突出したものであるかが、おわかりいただけるかと思う。
何事も数が増えすぎると、それを売りさばくための「値下げ合戦」になりがちなのが小売業の常であるゆえ、現在の現行BMW 3シリーズ(および3シリーズツーリング)初期年式のプライス状況は客観的に見れば非常に納得がいくものである。
問題は、それを「主観的」に見たときにどうか? ということだ。
あまりにも多いその「生息数」についてどう考えるか
3年落ちぐらいにはなってしまうが、例えばまだまだ走行1万kmや2万km程度の現行BMW 320dブルーパフォーマンス(新車時価格470万円)を車両250万円程度で入手できるというのは、基本的には喜ばしいことである。だが、もしもその車がまるでトヨタ プリウスのように街にあふれかえっていたとしたらどうだろうか?
自宅がある町内には同型車が10台ぐらい駐車されており、幹線道路を走っても3分に1回はお仲間とすれ違う……という状況であれば、小林一茶ではないが「めでたさも 中位(ちゆうくらゐ)なり おらが3」という気分にもなってしまうだろう。一般論であり例外もあるだろうが、輸入車を好む人というのは「自分の選択はありふれたものであった……」と感じるのを心底嫌うものではないだろうか。「孤高」や「希少」という言葉が大好きなのである。ちなみにこれを書いている筆者のメンタリティも、おおむねそんなようなところだ。
ということで、もしも現行BMW 3シリーズが「あまりにもありふれていて、同型車としょっちゅうすれ違う」という状況であるならば、筆者個人としてはいくら割安であっても買いたくないし、人様にオススメする気にもあまりなれない。
じゃあ実際の状況ははどうなのかといえば、「基本的にはそんなにありふれてはいない。ただし地域による」というのがある程度の正解だろう。
都内では若干気になるかもしれないが、基本的にはノープロブレム!
日本における輸入車のシェアはおおむね10%弱でしかなく、さらにその中のごく一部である現行BMW 3シリーズの数など、いくら輸入車の中では超メジャー銘柄とはいえ「知れたもの」でしかない。年間販売台数はせいぜい1万数千台レベルであり、トヨタ プリウスの10分の1以下だ。それゆえ、「狭い町内に10台はある」とか「幹線道路を走っても3分に1回はお仲間とすれ違う」ということは理論上ありえないのだ。
ただしそれはあくまでも「理論上」であり、筆者が住んでいる東京都目黒区あたりだと、現行BMW 3シリーズは正直しょっちゅう見かける車である。だが、そうはいっても「嫌になるぐらいひんぱんに見かける」というわけでは決してなく、ニュアンスとしては「時おり見かける」程度でしかない。
たとえ時おりでも同型車を見かけるというのは、「孤高」「希少」という言葉を好む筆者としては若干気になる部分もあるのは確かだ。しかしそれは、現行BMW 3シリーズという素晴らしすぎる車の低走行物件を、車両価格200万円台半ば程度で買えてしまうという僥倖(ぎょうこう)を、何ら阻害するものではない。つまり、筆者としては車両200万円台級の現行BMW 3シリーズについては「絶対に買い!」と判定したいわけだが、あなたの場合はどうだろうか?
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