第62回 トヨタ bBオープンデッキ 【見つけたら即買い!?】
カテゴリー: クルマ
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2009/03/25
■トランク部分を荷台にしたユニークなピックアップ
角張った独特のワル型スタイルと、居住空間や荷室スペースの広さが好評で大ヒットした旧型bB。発表当時、斬新なコンセプトは評判になりましたが、のちにさらに個性的な派生モデルが登場したことをご存じでしょうか。bBのリアトランクに当たる部分を荷台にし、ピックアップトラックのような形にした「bBオープンデッキ」です。bBオープンデッキが登場したのは2001年6月。後部に設置されたオープン形状の荷台と室内との間は、ハッチゲートで仕切られています。またボディの左側面(助手席側)には観音開きのドアが。トヨタアイシスやマツダRX-8、ミニクラブマンのように、ピラーレスの状態になっています。
荷台は意外と実用的で、「20Lのポリタンクが7個積める」というサイズは広いのか狭いのか人によって判断はまちまちでしょうが、やはり汚れた荷物を気にせずに載せることができるのは魅力でしょう。アウトドア志向の人にはもってこいの車です。また深さがあるため、外見で想像するサイズよりは大きな荷物が入るのも特徴的。
一方、荷台が備えられた分、後部座席の居住性はちょっと難あり。ベンチシートは小ぶりで足元も狭く、2+2といった感じのサイズです。しかしリアハッチは上に開くだけではなく、下に開くデッキスルードアを備えるなど、機能性が高いスグレモノ。後部座席もフラットに倒すことができるため、ユーティリティ性能はさすがピックアップと思わせる出来になっています。
エンジンはベースモデルと同じ1.5Lの直4DOHCですが、走行性能はオープンデッキのほうがちょっと高めといえるかもしれません。車両重量が20kgほど軽くなっていること、ルーフの一部が削られたことで重心が下がってコーナーリングでの安定性が高くなったこと、全体的にボディ剛性が高められていることなどがその理由です。
観音開きドアが付いているのに、剛性が高くなっていると聞くとちょっと不思議に思われるかもしれませんが、車両後部のルーフを切り取ったことやドア枚数が減ったこと、室内と荷台を仕切るゲートが設けられたことで剛性確保に寄与しているのではないでしょうか。
インパネデザインはbBとほぼ同様。カラーリングがブラックとグレーの2トーンとなったのが唯一の違いです。運転席・助手席はベンチシートではなく、それぞれ独立したタイプのものになっています。これは運転席側にリアドアがないため、後部に荷物を載せるときにウォークスルーを利用したいという実用面での配慮でしょう。
原稿執筆時点で、掲載されているbBオープンデッキの数は28台。比較的流通量は豊富といえそうですが、うち11台のボディカラーはイメージカラーのイエロー。設定があった他の3色(ブラック、ホワイト、シルバー)は流通量が少なめで探すのはなかなか困難です。インターネット専用特別仕様車である「Iバージョン」にはさらに特別色が用意されていましたが、見つかったのはブルーが1台だけ。これなどはまさに「即買い」といえるでしょう。
相場は60万~100万円くらいが中心価格帯。なかには29万円という物件もありましたが、走行距離が19.1万kmとかなりの多走行っぷり。程度の良い5万km以下の無修復歴車をということになると、やはり70万円以上の予算は確保しておきたいところです。
bBオープンデッキという車は、実用性という点では向かないユーザーも多いモデル。しかし、個性的という点においては他に類をみないほど飛び抜けています。こんな車をトヨタが作ってしまったという面白さを、ぜひ味わってみてはいかがでしょうか。気になった人は「bB オープンデッキ」で検索してみてください。
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