輸入車の大試乗会に参加してきました。普段あまりお伝えすることのなかった車にも乗れたので、その中から今回はM・ベンツ C300 アバンギャルドSをご紹介したいと思います。果たして旧型と比べてどんな点が優れているんでしょうか。

ファミリィカーの主役をミニバンに奪われてからというものの、長らく人気低迷が続いているセダン。その上この不景気とあっては…ですが、考えようによっては、中古車なら人気のないぶんお買い得な車に出会えるってことです。
そうなると悩むのが、やっぱり新型がいいのか? それとも旧型を安く買うべきか? というわけで、新型の魅力とともに、旧型と比べてどうなのかという点もチェックしてみました。

M・ベンツ C300 アバンギャルドS(新車価格:702万円)

  • M・ベンツ C300 アバンギャルドS フロント|ちょい乗り試乗
  • M・ベンツ C300 アバンギャルドS リア|ちょい乗り試乗
  • M・ベンツ C300 アバンギャルドS インパネ|ちょい乗り試乗
M・ベンツのセダンとしてはエントリークラスとなるCクラス。名車190を祖にもつ、小さいボディながらもM・ベンツ味が凝縮されているモデルです。

現行Cクラスが登場したのは2007年6月。これまでと異なるのは、2つのキャラクターをもつモデルを用意し、それぞれで足回りの味つけはもちろん、フロントグリルまで差別化されている点です。一つはM・ベンツ伝統の、いわば正統派の味を楽しめる「エレガンス」。もう一つはスポーティモデルとして位置づけられる「アバンギャルド」です。
今回試乗したのは、アバンギャルドの中でも前225/45R17、後245/40R17アルミ&タイヤを履きこなし、スポーツサスペンション、パドルシフト、本革シートなどを標準で装備するCクラス最上級グレード(C63 AMGを除く)、C300 アバンギャルドSです。エンジンは3LのV6、これに7速ATが組み合わされています。
この3L+7速ATはどんな領域でも非常にスムーズで、かつグンと踏み込んだときのエンジン音の演出がドライバーの心をくすぐります。
乗り心地はスポーツグレードとはいえ、マナーの行き届いた乗り心地です。M・ベンツとしては硬い部類ですが、しなやかでマイルド。不快な突き上げは一切ありません。段差を乗り越える際のいなしかたは、たとえ小さくても「さすがはM・ベンツ」とうならせる仕上がりです。

昔は、M・ベンツに乗っても「高級車だから(=高いお金を払うんだから)これくらい快適でないとね」などと思ったものですが、齢40を過ぎてくると「これほど楽で、快適な車は他にない」と思うようになり、だからこそ高いお金を払ってでも欲しくなるようになってきました。
一度M・ベンツに乗ってしまったら、もう他の車に浮気できなくなる味。それは年齢とともにわかってきたことなのかもしれません。

旧型と比べてどうか?


インテリアの質感も、走りも新型が上なのは、当たり前といえば当たり前。旧型のヘッドライトは丸目が2つつながった形なので、エクステリアも新型のほうが好みだという人は多いでしょう。
しかし旧型の最安値が50万円を切っていると聞いたら? それほど旧型が安くなってきています。旧型とはいえ、M・ベンツ味は濃厚です。この価格で「M・ベンツ」に乗れるなら、かなりお買い得ではないですか?
<カーセンサーnetデスク・ぴえいる>