トヨタ シエンタ ▲ノーズのスラント角が抑えられて丸みを取り戻す次期シエンタ。初代への原点回帰を思わせる。カーキ内装を選ぶとセンターピラーはボディ同色に仕立てられる

5ナンバーボディで登場

トヨタのエントリーミニバンにあたるシエンタが2022年夏に一新される。

2003年に丸みを帯びたルックスで発売され、2015年まで販売されたロングセラーの初代。現行2代目もデビューから7年が経過した現在もインパクトは薄れていない。これに続く3代目シエンタはどんな車に仕上がるのか。

何より朗報なことは引き続き5ナンバー枠に収まるサイズを継承することだ。3ナンバー幅に拡大されたノア/ヴォクシーとの差異が強調される。

一方で、全高は20mm高くなりその増加分は室内高に充てられて居住性アップが図られる。結果、室内高は1300mmに達してライバルであるホンダ フリードの1285mmを超える。

また、2列目シートのスライド機構が改良されレッグスペースは80mm増加。これによって、足元は買い物バスケットがそのまま置けるほど広がる。ツール感の強い2列シート5人乗りも継続設定される。
 

トヨタ シエンタ▲次期シエンタのボディカラー一覧(マガジンX編集部予想)、ホワイトパールクリスタルシャインとスカーレットM(赤)を除き、外板色にはソリッドカラーが揃う。道具感の演出に重きを置いた結果だろう。コスト削減効果も?

エクステリアは原点回帰

次期シエンタのエクステリアだがフロントノーズは傾斜が抑えられて水平基調に戻される。これによって、車両感覚がつかみやすくなり0.2m縮小される。5.0mの最小回転半径と相まって取り回しやすくなるだろう。

カーキ内装を選択すると外観センターピラーのブラックアウト処理が省かれ、キャビン後ろ半分が切り離されて見えることで道具感が訴求されるのがユニークだ。

現行モデルには直4エンジンが用いられているが、今回のモデルチェンジではTNGA世代の1.5L直3に置き換わる。このおかげかWLTCモード燃費はHEVが22.8㎞/Lから28.5㎞/Lに、ガソリン2WD車は17.0㎞/Lから18.3㎞/Lにそれぞれ向上する。

なお、ガソリン4WD車は廃止され代わりにHEVに「e-Four」が新設定される。
 

トヨタ シエンタ▲次期シエンタのグレード別装備とオプション(マガジンX編集部予想)

安全装備も充実

後れを取っている安全デバイスはアップデートされて大幅に進化する。衝突被害軽減ブレーキは二輪車や、右左折時の横断歩行者および対向車にも対応。

最上級グレードには照射範囲が制御される「アダプティブ・ハイビーム」、ドライバー異常時対応システム(HEVのみ)も備わる。さらに、前後カメラに録画機能が織り込まれてドラレコの代わりを果たす点も見逃せない。

また、駐車操作を支援してくれる「アドバンスト・パーク」はオプションで選べるがノア/ヴォクシーと違って車外から操作できるリモート機能は含まれない。

3代目シエンタはコンパクトミニバンならではの扱いやすさを保ったまま、快適性と環境性能に磨きがかかって競合車フリードに対する商品競争力が高まる。

部品供給の乱れに影響されて正式な発表日と生産開始日は決まっていないが、遅くても2022年9月にはデビューする見込みだ。

※2022年6月24日現在における新型車の発表についての予測記事です。発表を保証するものではありません

【諸元・スペック】
■予想発表時期:2022年7月以降
■全長×全幅×全高:4260×1695×1695(mm)
■搭載エンジン:1.5L 直3+モーター 他
 

text&photo/マガジンX編集部