【マンガ】トヨタ GRヤリス(現行型)ってどんな車? 詳しく解説【人気車ゼミ】
2022/02/04
講師紹介
自動車テクノロジーライター
松本英雄
自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。
マンガ家
田代哲也
マンガ家・イラストレーター。1987年『週刊少年ジャンプ・サマースペシャル』(集英社)でデビュー。少年マンガ誌、青年マンガ誌、スポーツ雑誌などジャンルを問わず執筆。絵本『田んぼの昆虫たんけん隊』『水泳大好き!トラ』(星の環会)。2004年より東放学園高等専修学校、東放学園映画専門学校で講師を務める。スズキの車を5台乗り継ぎ、現在の愛車はエスクード。
重要ワード(マンガ内※)解説
GRヤリスはTNGAの思想に基づいて開発されたスポーツ4WDプラットフォームを採用。アルミ素材のエンジンフードやドアパネル、CFRP素材のルーフパネルなどで軽量化が図られた。
1973年に初開催された、各国を転戦するラリーの世界選手権、通称WRC。かつてはスバルがインプレッサ、三菱がランサーエボリューションで参戦し、デッドヒートを繰り広げた。
BBS製鍛造アルミホイールとミシュランのパイロットスポーツタイヤ4S、フロントにはブレーキ用ダクトも奢られるGRヤリスの最上級グレード。トランスミッションはショートストロークの6MT、シートはホールド性を追求したプレミアムスポーツシートを採用。
フロントバンパーの両サイドに取り付けられる翼のようなエアロパーツで、空気を横に流すことでタイヤハウス付近に起こる乱流を整え、車体が浮き上がろうとするのを抑える効果がある。GRヤリスはバンパーと一体になったデザインのカナードを採用。
標準のヤリスの全幅が1695mmなのに対し、GRヤリスの全幅は1805mm。そしてGRヤリスRSのリアトレッド幅は1555mm。フェンダーが大きく張り出し、キャビンがコンパクトにまとめられた安定感のある形状は「タンブルホーム」と呼ばれ、スポーツカーの王道になる。
コーナー手前で強烈なブレーキングを繰り返すと、フロントブレーキに大きな力がかかる。これが原因でブレーキが利きにくくなるのがペーパーロック現象やフェード現象だ。レーシングカーはこの現象を抑えるために空気を送り込んで冷却するダクトが設けられる。
RSに装着されるシートは6MTモデルのRZと同じもので、シート表皮はファブリックになる。RZハイパフォーマンスはウルトラスエードと合成皮革を組み合わせたプレミアムスポーツシートを装着。このシートはヘッドレスト形状などが異なり、肩回りのサポートも大きい。
GRヤリスのサスペンションは全グレード共通で、フロントがストラット式、リアがダブルウィッシュボーン式になる。足回りはかなり硬めのセッティングだが、2WDでFFのRSは街乗りのことを考えてRZ系よりもマイルドなチューニングが施されている。
最高出力272psという数字は驚くほどではないが、これを1.6Lの直3ターボエンジンで達成しているところがすごい。車両重量も軽いため、パワーウェイトレシオは4.706になる。ちなみに、国産スポーツモデルだと三菱 ランサーエボリューションIXと同程度になる。
RSのトランスミッションはCVTだが、MT感覚を味わえる10速スポーツシーケンシャルシフトマチックで、パドルシフトも備わっているため、操作する楽しみは失われていない。