ホンダヴェゼル(田代哲也)



講師紹介

松本英雄

自動車テクノロジーライター

松本英雄

自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。

田代哲也

マンガ家

田代哲也

マンガ家・イラストレーター。1987年『週刊少年ジャンプ・サマースペシャル』(集英社)でデビュー。少年マンガ誌、青年マンガ誌、スポーツ雑誌などジャンルを問わず執筆。絵本『田んぼの昆虫たんけん隊』『水泳大好き!トラ』(星の環会)。2004年より東放学園高等専修学校、東放学園映画専門学校で講師を務める。スズキの車を5台乗り継ぎ、現在の愛車はエスクード。

ホンダヴェゼル(田代哲也)
ホンダヴェゼル(田代哲也)
ホンダヴェゼル(田代哲也)

重要ワード(マンガ内※)解説

※1 前モデルが大ヒット
コンパクトSUV市場は、2010年6月に登場した日産 ジュークが切り開き、2013年12月に登場した初代ヴェゼル(下記写真)が人気を決定づけた。その後、マツダ CX-3やトヨタ C-HRなどの競合が登場するが、ヴェゼルは安定して売れ続け2019年にSUV販売台数No.1に返り咲いた。

ホンダヴェゼル

※2 S500
ホンダが1963年10月に発売した2人乗りのオープンスポーツ。もともとは1962年にS360が発表されたが、ホンダは開発を断念し、531ccエンジンを搭載したS500を発売。1964年には603ccエンジン搭載のS600、1966年には791ccエンジン搭載のS800に進化した。

※3 ボディ同色のグリル
インテグレーテッドグリルデザインと名付けられた手法で、ボディ同色にすることでフロントフェイスの一体感が高められた。上級グレードのプレイはグリルの中にトリコロールカラーのオーナメントがさり気なく配置され、オシャレな雰囲気を醸し出している。

※4 グリルレス
グリルは車のフロントフェイスを形作るとても重要なパーツ。日本でも過去に何度かグリルをなくしたモデルが販売されたが、軒み販売が低調で、マイナーチェンジでグリルが付けられた。ホンダ Honda e(写真)や初代日産 リーフはあえてグリルレスにしたEVで、先進性を表現した。

ホンダHonda e▲2020年10月に登場したホンダ Honda e

※5 欧州を意識した
フランスやスウェーデンの車のインテリアは温かみを感じるデザインのものが多い。ヴェゼルのインテリアもシンプルで機能性を高めた中に、色合いや触感で柔らかみを感じるように仕立てられた。エアコンの風もそよ風のように吹き出す機能が盛り込まれている。

※6 シート
大きめのシートは丸みのあるシンプルなデザインながら運転中の体をしっかりサポートしてくれる。シート表皮は柔らかくて触り心地のいいファブリックが採用された。

ホンダヴェゼル▲上級グレードのe:HEVプレイのシートはライトグレージュとブラックを組み合わせたモダンなデザインに

※7 エンジン音
ヴェゼルが採用する“e:HEV”は市街など多くのシーンでモーターの力のみで走行。バッテリーにためた電気が少なくなるとエンジンが作動し発電用モーターを動かす。エンジン音はこのときに聞こえる。高速道路のクルージングではエンジンの力で走行する。

※8 ガツンと発進する刺激
100%電気自動車や、モーターの力で走行しエンジンは発電に徹するシリーズハイブリッド。その登場時は、発進と同時に最大トルクを出すモーターならではの走りを存分に体感できる味付けが多かった。しかし、近年はより自然なフィーリングで走れるチューニングが増えている。

※9 ターボの味付けの変化
初期のターボは一定のエンジン回転数になると急に利いてくる“ドッカンターボ”が多かった。その後、北欧メーカーが低過給のライトプレッシャーターボを採用。現在では現行型ステップワゴンなど自然にエンジンをアシストするダウンサイジングターボが主流。

ホンダステップワゴン▲2015年4月にデビューした5代目ステップワゴンは1.5Lダウンサイジングターボを採用

※10 欧州で受注開始
ヴェゼルは海外ではHR-Vという名前で販売されており、ヨーロッパでもデリバリーがスタートした。アメリカでは2022年モデルとして初代が継続販売されている。HR-Vは2020年に北米で8万4027台販売された。

イラスト・マンガ/田代哲也、文/高橋満(BRIDGE MAN)、監修/松本英雄、写真/ホンダ
※この記事は情報誌カーセンサー2021年12月号掲載の記事をWeb用に再編成したものです