トヨタの新型コマーシャルバンの予想図 ▲ヨーロッパがメインマーケットに定められるトヨタの新型コマーシャルバン。ルノー カングーやシトロエン ベルランゴに似たフォルムをまとう可能性もある。プラグインハイブリッド技術が与えられて、エンジン車乗り入れ禁止区域にも対応か。トルコ工場で組み立てられるとの見方もある

ミニバン専用プラットフォームを流用

トヨタが次期ノア/ヴォクシーで採用するミニバン専用プラットフォームを、他に活用できないだろうか。こんな検討を経て、アイデアのひとつとして浮上したのが配送用のコマーシャルバンだ。

この商用車は、ヨーロッパを主戦場に見据えて計画されているようだ。日本でも人気のルノー カングーやシトロエン ベルランゴは、現地欧州では商用車として認知されており、EVバージョンもラインナップされている。

欧州では環境問題などによりエンジン車の乗り入れができない地域が設定されており、今後ますますそういった地域が増えることが予想される。

こうした事情を加味し、トヨタは強みでもあるハイブリッド技術を活用して乗り入れ禁止区域ではEV走行、それ以外の地域ではエンジン車として走行できるプラグインハイブリッドに仕立てる構想を練っているようだ。

ルックスはライバルと目されるカングーや、ベルランゴのような背高ワゴンタイプで両側にスライドドアが設けられるだろう。
 

トヨタ ハイエース▲2019年から発売されている300系ハイエースは全長5m超、全幅も1.9mオーバーの巨大なボディの持ち主。乗用版のグランエースは販売されているものの、バンとしては大きすぎる

300系ハイエースバンの日本導入は

トヨタの商用バンといえば、2019年に海外で発表された300系ハイエースが気になる。乗用ワゴン版のグランエースこそ同年冬に発売されたものの商用版が投入される兆しはない。

残念なニュースだが、「国内投入に向けての準備はなにも行われていない」(関係者談)との証言を得た。現行200系のワイド版(全幅1880mm)を超える1950mmの全幅は狭い路地に入っていけないなど、使い勝手は良好とは言い難い。

だが、現行ハイエースも永遠に法規に引っかからず販売できるワケではない。いつの日か、現役から退く日が来るはずだ。

そのときに、前述したプラグインハイブリッドの商用バンが後継車としての座を担うのかどうか、さらに調査を続けたい。

※2021年8月18日現在における新型車の発表についての予測記事です。発表を保証するものではありません

【諸元・スペック】
■予想発表時期:2022年以降
■全長×全幅×全高:4450×1800×1795(mm)
■搭載エンジン:1.8L 直4+モーター
 

text/マガジンX編集部
photo/マガジンX編集部、トヨタ