生産終了がアナウンスされた2代目アウトランダー|中古車の狙い目は?
2020/12/13
ガソリンモデルは、中古車でしか買えなくなる
SUVの中でも居住性や積載性が高く、それでいて細い道でも走りやすいミドルクラスのモデルは人気のサイズで、各社が主力車種を投入しています。
三菱からはアウトランダー、そしてプラグインハイブリッドのアウトランダーPHEVが発売されていますが、2020年10月に公式WEBサイトにおいて、アウトランダーの生産終了が告知されました。
アウトランダーPHEVは継続販売されますが、今後はガソリンモデルが欲しいと思ったら中古車でしか買うことができなくなります。
ここではアウトランダーの年式やグレードの違い、中古車市場の状況をご紹介します。
アウトランダーの歴史を振り返る
まずはアウトランダーはどのような生い立ちのSUVなのか、簡単に振り返ります。
1990年代、三菱はパジェロやチャレンジャーなど、クロカン4WDのラインナップが充実していました。しかし1997年にトヨタ ハリアーが世界的なヒットとなったこともあり、三菱も後を追う形でエアトレックというモデルを発売。ランサーエボリューションと同形式の、2Lターボエンジンを搭載するターボRも設定されました。
そして2005年10月にエアトレックの後継車として、初代アウトランダーが登場。5人乗りの2列シートに加え、7人乗り3列シートもラインナップ。オプションでロックフォードフォズゲートのオーディオシステムを選ぶとラゲージに巨大なサブウーハーが設置されるなど、ライバルとは一線を画すモデルでした。
2代目となる現行型は、2015年に大規模なマイナーチェンジ
2012年10月に、アウトランダーは2代目となる現行型へとフルモデルチェンジをしました。先進安全装備をいち早く投入するとともに、同年12月には、主にモーターを動力に走行するプラグインハイブリッド車、アウトランダーPHEVを別モデルとしてラインナップに加えます。
ガソリンモデルの現行型アウトランダーは、「2LのFF」と「2.4Lの4WD」に大別されます。
2WDは4WDに比べ1.4km/L(JC08モード)燃費が良い一方、4WD車にはアクティブコントロール、ASC、ABSを統合制御して様々な路面で安定して走行できるS-AWCを搭載しています。
また、デザインでは初期モデルと、ダイナミックシールドと呼ばれる三菱のデザインアイデンティティを取り入れた2015年6月以降のモデルで大きく分かれます。ダイナミックシールドの採用によって、フロントマスクは精悍で力強い印象になりました。併せて、足回りにも手が加えられ、操縦安定性や乗り心地が向上しています。
さらに2018年8月のマイナーチェンジでは、フロントフェイスのデザインに改良が加えられるとともに、ハイビームをLED化。室内では、後部座席にもエアコン吹き出し口が設置されています。
アウトランダーのグレード構成
2代目のアウトランダーを中古車で狙う場合、快適性が向上し中古車の流通量も豊富な2015年6月以降のモデルがオススメです。そこでこの世代以降のグレードによる違いと、どんな特別仕様車があったかを見ていきましょう。
■セイフティパッケージ
ベースモデルの「G」(FFでは20G、4WDでは24G)に、先進安全装備をパッケージしたグレード。2017年2月には自車を俯瞰で見たような映像を映し出せる、“マルチアラウンドモニター”が採用されました。
2018年8月には衝突被害軽減ブレーキと誤発進抑制機能が全グレード標準装備になったので、セイフティパッケージの設定はなくなりました。
■ナビパッケージ
セイフティパッケージの装備に加え、7インチのメモリーナビゲーションや地デジチューナー、リア&サイドモニターなどが装備されています。
■プラスパッケージ
2018年8月に、ナビパッケージからプラスパッケージに変更。ナビはタッチスクリーン式の、スマートフォン連携ナビゲーションに変更されています。先進安全装備も標準装備になっています。
■アクティブギア
2017年7月に追加された、アウトドアで使うギア感を表現した特別仕様車。エクステリアやインテリアの随所にオレンジのアクセントカラーを配色。シート生地には、スエード調の人工皮革を採用しています。
■ブラックエディション
2018年12月発売。プラスパッケージをベースに、電動格納式リモコンドアミラーと前後のスキッドプレートの色をブラックマイカに変更。ドアガーニッシュ、フロントグリル、ルーフレール、アウターハンドルもブラック塗装されています。インテリアでは、前席にシートヒーターとパワーシートを装備しました。
アウトランダーの中古車は、今どうなっている?
2020年12月現在、ガソリンモデルのアウトランダーの中古車は約120台流通しており、中古車価格帯は100万~300万円となっています。
流通している年式は、ダイナミックシールドを採用した2015~2017年式がやや多くなっています。これはマイナーチェンジでデザインがガラッと変わり新車がたくさん売れたこと、このマイナーチェンジモデルが2度目の車検時期を迎えたことなどが考えられます。
生産が2015年6月~2018年7月までの物件の流通台数は51台と半数弱。中古車価格帯は120万~250万円となっています。
流通量が多いグレードはFF、4WDともに「Gセイフティパッケージ」。ついで4WDの「ナビパッケージと」4WDのベースグレードの「G」が上位を占めます。
予算200万円ほど見ておくと中古車はかなり探しやすく、FFだと走行3万km前後、4WDだと5万kmを少し超えるくらいのものが見つかります。
もし、4WDで走行5万km以下のものが欲しいなら、予算240万~250万円程度見ておくといいでしょう。
さらなるデザイン変更が加えられた2018年8月以降のモデルは、まだ新車の初回車検時期を迎えていないこともあり、流通台数は20台程度と少な目です。もし欲しいグレードや色の条件が決まっていてそれが見つかったなら、早めに決断をした方がいいでしょう。
予算はFFだと総額250万程度。280万円ほど見ておくと4WDが見つけやすくなります。
新車の販売終了が発表されて以降、2代目のアウトランダーの中古車平均価格は上昇傾向にあります。
お得な物件を逃さないよう、定期的にチェックをしてみましょう。
自動車ライター
高橋満(BRIDGE MAN)
求人誌編集部、カーセンサー編集部を経てエディター/ライターとして1999年に独立。独立後は自動車の他、音楽、アウトドアなどをテーマに執筆。得意としているのは人物インタビュー。著名人から一般の方まで、心の中に深く潜り込んでその人自身も気づいていなかった本音を引き出すことを心がけている。愛車はフィアット500C by DIESEL
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