▲フェンダーパネルやボンネットフードはそのままに、フロントバンパーが専用設計されてGRらしさを演出。スクエア基調のエアインテークで他のGRモデルと共通の表情が作り出される ▲フェンダーパネルやボンネットフードはそのままに、フロントバンパーが専用設計されてGRらしさを演出。スクエア基調のエアインテークで他のGRモデルと共通の表情が作り出される

低空販売に苦しむ2シーター軽スポーツ

貴重な国産オープン2シーターのコペンに元気がない。月販目標が800台に定められてから一度も突破できないまま、現在は300台以下の低空飛行が続いている。

なんとか浮上させたいダイハツが目をつけたのは、親会社トヨタが展開しているGRブランドでの販売だ。

着せ替えられるボディをセールスポイントに掲げ、現行コペンが発売されてから約4年が経過する。その間、ダイハツからは丸目ランプが特徴的だった初代をほうふつとさせるセロが、D-SPORTからはエクスプレイ用のボディキットおよび、一般公募で最優秀賞に輝いて市販化が決まった着せ替えキットがリリースされた。

とはいえ、外観のイメチェンは、一般ユーザーが「着せ替え」という言葉から抱くほど、お手軽ではない。自分一人で交換作業ができないうえ、着せ替えキットの価格も30万円を上回る。思いつきで変えられるほど簡単ではない。
 

▲2014年6月にRobe(ローブ)、同年11月にXPLAY(エクスプレイ)、2015年6月に丸目マスクのCero(セロ)が、それぞれ発売された。着せ替え構造により、購入後に外板パネルを交換してイメチェンを図ることもできる▲2014年6月にRobe(ローブ)、同年11月にXPLAY(エクスプレイ)、2015年6月に丸目マスクのCero(セロ)が、それぞれ発売された。着せ替え構造により、購入後に外板パネルを交換してイメチェンを図ることもできる

GRブランドの威光を借りてテコ入れを

コペンの販売状況は芳しいとは言えない。2016年後半から減り始めて、現在は月販300台以下で推移している状況だ。なんとか再浮上させたいとダイハツ自身も考えているに違いない。

そこで白羽の矢が立ったのが、親会社であるトヨタが展開している、GRブランドだ。

GRでは、ミニバンやハイブリッドカーも含めてジャンルを超え、ドレスアップとボディ補強によって、スポーティなイメージが打ち出されている。頂点には、パワートレインにまで手が加えられたGRMNが君臨している。

車好きが集う場所として「GRガレージ」が全国40拠点に用意されてもいる。このブランド力と販売力を借りて、コペンの販売を伸ばしたいダイハツは、トヨタにコペンGRスポーツの設定を提案している模様だ。
 

パワートレインは既存モデルと同じ

着せ替えコンセプトを存分に活用して、GRブランドにふさわしいルックスを実現したいところ。

だが、投資に見合った販売台数が見込めるのか? といったコスト計算に加え、空力特性に影響が及ぶと、公称燃費も変わってしまうことから、エクステリアではせいぜい前後パーツが変更されて、GRらしさを装う程度に留まりそうだ。

どうやら、前後フェンダーやボンネットフード、トランクリッドは現行ローブから流用される公算が大きい。

インテリアでは、シート表皮に専用品を用いることで、差別化が図られる。他、プッシュ式スタートとステアリングホイールに、他車GR用のパーツを流用か。

運動性能アップをめざして、足回りに専用サスペンションが採用される可能性もあるが、ダイハツ側はすでに完成の域に達しているとの見方を掲げており、あえて変える必要はないだろうとの姿勢を示している。

また、タイヤは現状の16インチよりアップさせるのが難しいことから同サイズを踏襲。ただし、ホイールに専用品が用意できないか、検討が行われている。

なお、パワートレインも変更予定はなく、現行モデルの660cc 直3ターボが踏襲される。

まだ検討段階のため、具体的な発売時期は決まっていない。それどころか、検討の結果、実現しないまま日の目を見ない可能性もある。

ここのところ、話題がなかっただけに、アドバルーン的なトピックとして、GRスポーツが追加されたらおもしろそうだ。

※2018年5月18日現在における新型車の発表についての予測記事です。発表を保証するものではありません

【SPECIFICATIONS】
■予想発表時期:2019年10月以降
■全長×全幅×全高:3395×1475×1280(mm)
■搭載エンジン:660cc 直3+ターボ
 

text/マガジンX編集部
photo/マガジンX編集部、ダイハツ