20年前の記憶を呼び覚まし『アルテッツァ AS200』に乗った。やっぱり、いい車だった
2018/02/27
「ねぇいい車があるよ」とオススメしたのは1G-FE搭載のアルテッツァ AS200
編集部の大平君こと“てんちょ~”が車を買いたいらしいと、風の便りに聞いた。
彼のキャラクターはよくは知らないが、走り屋系の雰囲気はどことなく漂っていた。
おせっかいなおじさんの意見なんか必要ないのはわかっていても彼に電話をしてしまった。
「ねぇ、いい車があるよ」と。老婆心とは思ったが、つい進言してしまったのだ。
それは1998年に誕生したトヨタ アルテッツァだ。もう新車が出た当時に乗って以来20年が経過しようとしている。
AS200とRS200の2モデルがあり、AS200は信頼性の高い1G-FEの6気筒が搭載してあり、4ATとのマッチングも大人の雰囲気で練れた印象が好きだった。
直列6気筒は、余計な装置である振動を低減するメカニズムを採用しなくても、ダイナミックバランスは完璧だ。だから振動も少ない。要するに素性がとても良いのだ。
最高出力は、それほどでもないが、ワイドバンドで扱いやすいエンジン特性だ。遠出でも住宅街で絶対的に扱いやすく重宝するに違いない。
一方、顔つきが一緒でも性格の違うRS200はル・マンなどの耐久レースで実績のある直列4気筒の3S-GEを採用した。高度にチューニングしたNAエンジンには6MTと5ATのトランスミッションが搭載された。
NAでありながらリッター100馬力以上を発生して210馬力を誇った。しかし実際に乗ってみるとRS200はとにかくノイズが大きくて落ち着いて乗ってられない。210馬力のすごさが音以外では今ひとつ伝わってこなかった。
断然AS200がオススメである! と彼に熱く話したことを思い出す。
それからすぐに彼はアルテッツァ AS200を購入したと聞き、とても嬉しかった。派手なエンジンサウンドのRS200は、家族には不評な印象が表れそうで乗ってほしくなかった。
また、個人的にアルテッツァを好きな理由は、エンジンもそうだが開発された背景とデザインにある。ヨーロッパの本格派のコンパクトFRセダンにモノ申す勢いで作った肝いりのモデルである。
フロントフェンダーの処理は今見てもカッコイイ。センスの良さがうかがえる。レクサス LC並みの薄いフェンダーアーチの曲げしろは低重心をデザインで表している。
ミッションは6MT? ボディはソリッドのレッド??
彼が購入したアルテッツァを機会があったら乗せてもらいたいと思っていたところに、タイミング良く試乗できる機会を与えてくれた。
事前の打ち合わせで「4ATだからちょっとおじさんくさいけどね」と話すと「マニュアルなんっすよ!」と軽い口調で言い放つではないか。
え? MTなの? 6気筒でMT6速? それ改造車じゃないの? と聞いたら「しばらくしてから6MTが追加になったんすよ!」って教えていただいた。
確かに初期のモデルしか試乗していなかった。
色は?
「赤っす!」
レッド? メタリックのちょっと銅色みたいな?
と聞いたら「いや真っ赤っすよ!」ことごとく似て非なる答えが返ってくる。
どのくらい走っているのか聞くと「10万キロっす!」とのこと。
「う~ん~新鮮ないいイメージを落としたくないなぁ~」と心で呟いていた。
しかし、ドアを開けると感触が悪くない。ドアやボディの歪んでいる感じが瞬間的に感じられない。シートに座ってドアをゆっくり閉める。シートもへたっていない。それにしても精度がいい閉り音だ。
少し子供っぽいクロノグラフの時計のようなメーターを見て、6気筒エンジンは十分に温まっている様子だった。
高速道路で高回転まで回してみる。とにかくスピードよりもハーモニックなエンジンサウンドと、速度に合わせて気持ちよく決まるギアをコントロールする嬉しさがこみあがってくる。
そして、サスペンションが意外にしなやか。これなら家族も文句のない仕様だ。
こんなに足回りがいいなんて、外観では想像できないけどいい車買ったね! と褒めた。
てんちょ~の素朴な笑顔が誇らしく見えた。
【試乗車情報】
車名:トヨタ アルテッツァ AS200
年式:H15
エンジン:2.0L直6NA
駆動方式:FR
ミッション:6MT
修復歴:無
走行距離:10万km
車検残:あり(約1.5年)
車両状態:社外アルミ、社外マフラー装着
購入時総額:42.0万円(税込)
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