▲初代から一貫して「人馬一体」というコンセプトのもと、開発されているロードスター(左から初代、2代目、3代目)▲初代から一貫して「人馬一体」というコンセプトのもと、開発されているロードスター(左から初代、2代目、3代目)

全世界で愛されるライトウェイトオープン2シーター

この車種が生まれていなかったらその後に登場したライトウェイトオープンカーは存在していなかった、とまでいわれる車種がマツダから1989年に登場したロードスターです。それまで縮小の一途をたどっていたライトウェイトオープンカー市場でしたが、初代ロードスターは登場から2年という短期間で累計10万台以上を販売するほどの大ヒットを記録。その後はメルセデスベンツ SLKやフィアット バルケッタ、MG F、BMW Z3など多くのフォロワーを生んだことでも知られています。

そんなロードスターも現行モデルで4代目となり、中古車市場にも多くの個体が流通しています。全世界で累計100万台以上の販売台数を記録しているので当然とも言えるのですが、記事執筆時点でも1300台以上の中古車が登録されており、一体どの代のロードスターがオススメなのか分からない! というアナタのために、ロードスターオーナーでもある筆者が初代から3代目までのロードスターのオススメポイントをお伝えしていきたいと思います!
 

初代ロードスター(1989~1997年)

登場から30年余りたっても古さを感じさせないルックスが魅力

▲日本の伝統文化「能面」がデザインモチーフとなったフロントマスク▲日本の伝統文化「能面」がデザインモチーフとなったフロントマスク
 

平成元年の9月に日本で発売が開始された初代ロードスター。当時、マツダは国内で5チャンネル体制を推し進めており、その中の「ユーノス」ブランドから登場したことからユーノス・ロードスターの名前でデビューしています。そのため車検証上の車名もユーノスとなっており、型式のNA6CEの「E」はユーノス(EUNOS)の頭文字を表しているのです。

初代モデルは1.6リッターエンジンと5速MTの組み合わせでスタート。1990年3月にはAT仕様が追加されています。1993年にはエンジンを1.8リッターに換装し、車検証上の車名がマツダに。1995年にはさらに改良が入り、通称シリーズ2と呼ばれています。

▲多くの特別仕様車が用意されたのもロードスターの特徴のひとつ▲多くの特別仕様車が用意されたのもロードスターの特徴のひとつ

そんな初代の最大の特徴はやはりリトラクタブルヘッドライトを用いたクラシカルなルックス。日本の伝統をデザインに落とし込んだその外観は、現在まで多くのユーザーをとりこにしています。しかし、最終モデルですら約20年が経過していることからも分かるように立派に旧車の仲間入りを果たしていることから、コンディションを維持するには費用がかさんでしまう可能性が。また、マツダがレストアプロジェクトの立ち上げを発表し部品の再生産をアナウンスしていることから、今後人気が再燃し、車両価格の上昇が見込まれます。

こんな人にオススメ

リトラクタブルヘッドライトを採用した初代モデルにベタぼれしてしまった人や、旧車を愛でるように、少々のトラブルも楽しめるような人にオススメしたい!

2代目ロードスター(1998~2005年)

初代をベースに大幅にレベルアップした2代目モデル

▲動力性能はもちろん、快適装備やユーティリティなども大幅に進化していた▲動力性能はもちろん、快適装備やユーティリティなども大幅に進化していた
 

2代目となったロードスターは、基本コンポーネントは初代を踏襲したものの各部を最適化。大幅に基本性能をアップさせています。搭載されるエンジンは初代に引き続き1.8リッターのものと、途中で消滅してしまった1.6リッターが再び復活。1.8リッターモデルのMTは6速となっています。

外観ではフロント部分の軽量化や衝突時の歩行者へのダメージ低減を目的として、リトラクタブルヘッドライトを廃止。ドアノブも一般的なフラットタイプへと変更されています。内装もナビが普及してきた時代のもののため、オーディオスペースを上部に配し、ナビ装着時の視認性が大きくアップ。また、スペアタイヤの搭載位置をトランクフロア下に変更しトランクスペースを拡大したり、全車に両側SRSエアバッグを標準装備したりするなど、細かい部分でも進化していることが分かります。

2000年7月のマイナーチェンジでは、当時のマツダのアイデンティティであった5角形グリルを取り入れた外観になった他、1.8リッターエンジンに可変バルブタイミング機構のS-VTを採用。大幅に動力性能がアップしています。また、2003年には歴代唯一のクーペボディとなる「ロードスタークーペ」と過給機付きモデルの「ロードスターターボ」がそれぞれ限定車として登場しました。

▲クーペは4グレードが設定され、それぞれ台数限定と受注期間限定だった▲クーペは4グレードが設定され、それぞれ台数限定と受注期間限定だった

2代目ロードスターは初代と共通の部分が多くあるため、豊富なアフターパーツが選び放題なのが嬉しいところ。また、初代に比べて安価で程度の良いものを見つけることができるため、スポーツカー入門車としてもセカンドカーとしてもオススメできるモデルとなっています。

こんな人にオススメ

ライトウェイト2シータースポーツカーとしてガンガン走りたい人はS-VTが採用された1.8リッターモデルを。手軽にオープンエアモータリングを楽しみたい人には1.6リッターモデルをそれぞれオススメしたい!

3代目ロードスター(2005~2015年)

スイッチ一つでオープンが楽しめるRHTが待望の追加

▲プラットフォームが一新された新世代ロードスター▲プラットフォームが一新された新世代ロードスター
 

3代目ロードスターはプラットフォームを一新し、3ナンバーサイズへと変貌を遂げ、搭載されるエンジンも新世代の2リッターエンジンへと大型化されました。そのため「大きく重くなってしまった」と勘違いしている人もいるようですが、実は同じRSグレードのMT車同士で比較するとその車重の差はたったの20kg。ライトウェイトスポーツカーとしての真髄は全くブレていなかったのです。

また、排気量がアップしたことでグランドツーリングカーとしての資質も大きくアップ。先代までは4速だったATも6速となったことでクルージング時の静粛性や燃費も向上しており、大人のスポーツモデルという新たな魅力も持ち合わせています。もちろんRSグレードはビルシュタイン製ショックアブソーバーやトルセン式スーパーLSDを装備するなど、スポーツカーとしての実力も言うまでもありません。

そんな3代目最大のトピックは2006年8月に追加されたパワーリトラクタブルハードトップ (RHT)モデルです。電動で開閉できるメタルトップルーフを備えた同車は、耐候性や防犯性の観点から幌モデルの購入に踏み切れなかったユーザーから高い支持を得て、モデル後半では販売される新車のほとんどがRHTモデルとなるほど大人気となりました。

▲耐候性や防犯性も高いメタルルーフを採用したRHTが追加された▲耐候性や防犯性も高いメタルルーフを採用したRHTが追加された

この代で狙いたいのはやはりRHTモデル。高年式モデルだと高値となりますが、初期モデルであれば乗り出し価格でアンダー100万円の個体も存在します。予算を150万円までアップすれば低走行の個体を狙うことも夢ではありません。また、幌モデルであれば乗り出し70万円台からとなっているため、想像以上に安価に楽しむことが可能となっているのも魅力です。

こんな人にオススメ

長距離ドライブを楽しみたい人や、ATでもスポーティな走りを堪能したい人に。もっと気軽にオープンエアモータリングを楽しみたい人にはRHTモデルをオススメしたい!

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マツダ(ユーノス)ロードスター 初代モデル

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マツダ ロードスター 2代目モデル

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マツダ ロードスター 3代目モデル

text/小鮒康一
photo/マツダ株式会社