CX-8 ▲マツダから新たに登場した3列シートSUV「CX-80」ことが気になるのはやまやまですが、CX-80が登場したことで、相変わらず大いに魅力的な3列シートSUVだといえる前身モデル「CX-8」の中古車が、けっこうお買い得な状況になっているのではないか……ということで調査してみました!

CX-8の機能とデザインは依然としてイケてる!

「大人も3列目シートにしっかり座れる希有なSUV」であるマツダ CX -80が2024年10月、待望のデビューを果たしました。車に6名以上が乗る機会があって、なおかつ「ミニバンはあまり好きじゃない」という人にとっては朗報以外の何ものでもありません。

しかし残念ながら、その中古車はまだまだ希少です。具体的には2025年4月下旬現在、中古車の流通量はわずか50台弱で、価格も「新車より少しはお得」といったレベルです。
 

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マツダ CX-80(初代) × 全国

であるならば、CX-80の前身である「マツダ CX-8」の中古車に目を向けてみてもいいのではないでしょうか?
 

CX-8▲「……そういえばCX-8の中古車もアリなのかも?」と思ったならば、ぜひチェックしてみましょう!

いわゆる型遅れになったCX-8ではありますが、3列シートSUVとしての実力(3列目の居住性など)はCX-80とおおむね同等であり、走りやデザインも「まだまだぜんぜんイケてる!」というのが正しい評価であるかと思います。

ということで、実はまだまだ大注目に値するマツダ CX-8の中古車状況とオススメグレードについて、今一度しっかり考えてみることにしましょう!
 

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中古車状況:値崩れしない固い相場も、直近3ヵ月で下落傾向

2025年4月下旬現在、マツダ CX-8の中古車は全国で1900台近くもの豊富な数が流通しており、平均価格は268.2万円という比較的お手頃な水準。

パワーユニット別で見るとディーゼルターボエンジン搭載車が約8割を占めており、駆動方式別では2WDが約67%、4WDが約33%となっています。

ここ3年間ほどの平均価格の推移は、おおむね総額280万~320万円のゾーンを推移しているという状況。昨年末、総額の平均中古車価格が320万円を超えましたが直近では下落傾向にあり、同290万円を下回りそうな気配を見せています。
 

CX-8▲直近で平均総額がダウンし、流通量も順調に増加しているCX-8は、今がある意味買い時か?
 

中古車のオススメ①:価格重視で選ぶなら総額180万円前後のXD プロアクティブ

マツダ CX-8全体としての中古車相場は総額140万~480万円と上下に幅広く、主には値段に応じて年式もグレードも、そして車両のコンディションもまちまちです。

そのなかから「なるべく安く、なるべく良いモノを買いたい」と考えた場合に注目するべきは、総額180万円前後のXD プロアクティブです。
 

CX-8▲XD プロアクティブは、ディーゼルターボを搭載する前期型の中間グレード
CX-8▲こちらがXD プロアクティブの運転席まわり
CX-8▲XD プロアクティブシート表皮はベースグレードと同じくファブリックだが、運転席が10Way、助手席は6Wayのパワーシートとなり、シートヒーターもプラスされている

XD プロアクティブは、最高出力190ps/最大トルク420N・mのトルクフルな2.2Lディーゼルターボエンジンを搭載するシリーズの中間グレード。ひとつ上のグレードである「XD Lパッケージ」のような本革シートは採用されていませんが、パワーシートやシートヒーター、ステアリングヒーターなどの「プレミアムSUVにはあって然るべき装備類」は標準装備。

本革シートにこだわりさえしなければ、装備面での不満はほとんど感じないはずです。こちらの走行距離5万km前後の物件を総額180万円前後で入手すれば、購入後の満足感はかなりのモノとなるでしょう。

また「どうしても本革シートにこだわりたい!」という場合は、その価格帯での流通量は少なめですが、まずまずなコンディションの「XD Lパッケージ」を総額190万円付近で見つけることも不可能ではありません。
 

CX-8▲こちらはXD Lパッケージのインテリア。シート表皮は肌触りの良い本革で、当然ながら運転席10Way、助手席6Wayのパワーシートも採用。スピーカーは「BOSEサウンドシステム」になる

なお2.5Lガソリンエンジンの「25S プロアクティブ」と「25T プロアクティブ」も悪くないのですが、残念ながらこちらの流通量は希少。そのため、最初からディーゼルターボに狙いを定めるのが吉となるでしょう。
 

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中古車のオススメ②:最上級狙いなら総額330万円前後のXD エクスクルーシブモード

マツダ CX-8の最上級グレードである「エクスクルーシブモード」は、フロントグリルが専用のブロックメッシュとなる他、サイドガーニッシュやルーフレール、高輝度塗装の19インチホイールなどを標準装備。さらには本革シートもベンチレーション付きになるなどの充実した仕様です。
 

CX-8▲こちらがXD エクスクルーシブモード。フロントグリルはガンメタリックのブロックメッシュとなり、写真には写っていないが、リアのマフラーカッターも大径のものが採用されている
CX-8▲XD エクスクルーシブモードの運転席まわり
CX-8▲シート表皮はナッパレザーにキルティング加工とブラックパイピングをあしらったもの。シートヒーターの他にベンチレーション機能も付加されている

「エクスクルーシブモード」は、2.2Lディーゼルターボ(XD)と2.5Lガソリン自然吸気(25S)および同ターボ(25T)というすべてのパワーユニットに設定されていますが、ガソリンエンジンのエクスクルーシブモードはやや希少。流通量が圧倒的に多いのはディーゼルターボエンジンの「XD エクスクルーシブモード」です。

そんなXD エクスクルーシブモードの中古車価格は総額300万~480万円と上下に幅広い状況ですが、総額330万円前後にて、走行距離5万km以下のこなれた1台を見つけることができます。決して格安ではありませんが、「最上のCX-8を入手するための予算」としてはリーズナブルといえるでしょう。
 

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とはいえもう少し抑えめな予算でいきたい場合は、エクスクルーシブモードが登場する以前は最上級グレードだった「Lパッケージ」を狙ってみるのも悪くありません。
 

CX-8▲XD Lパッケージのリアビュー

エクスクルーシブモードほどではないにしても十分以上にラグジュアリーなLパッケージは、2.2Lディーゼルエンジンを搭載する流通量豊富な「XD Lパッケージ」の場合で総額250万円前後がひとつの目安となります。

また2.5Lターボエンジンを搭載する「25T Lパッケージ」はかなり希少ですが、2.5L自然吸気エンジン「25S Lパッケージ」であれば、ほどほどの数が流通中。その場合の価格目安は総額280万円前後になります。
 

 

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中古車のオススメ③:熟成の最終世代は総額400万円前後でお好みのグレードを

マツダ CX-8は、モデル末期にあたる2022年11月にも大幅改良を実施しています。

このタイミングでエクステリアデザインをマツダの最新バージョンへ進化させるとともに、足回りの特性やATの変速タイミング制御等々を変更してダイナミクス性能を向上。またアクセル/ブレーキ/ステアリングの各操作をアシストする「クルージング&トラフィックサポート」の採用や「Apple CarPlay」のワイヤレス化等々により、安全性と利便性も向上されました。

また、スポーティなイメージを強調した新グレード「スポーツアピアランス」と、家族そろってのレジャーを想定したAWDの特別仕様車「グランドジャーニー」を設定し、従来の「Lパッケージ」と「プロアクティブ」を廃止したのもこのタイミングです。
 

CX-8▲内外装にブラックを多用し、精悍でスポーティなイメージを強調した「XD スポーツアピアランス」
CX-8▲柔和な表情を表現すると同時に、ドライブモードに「オフロード」モードを追加した「XD グランドジャーニー」

そういった形でモデルとしての熟成と完成を迎えた最終世代を選びたい場合、他の世代以上にガソリンエンジン車の流通量は少なめです。唯一「25S ブラックトーンエディション」だけはほどほどの数が流通していますが、その他のガソリン車はすべて「希少」といえる流通量。そのため、パワーユニットの選択肢は「ディーゼルターボ一択」と言っていいでしょう。

そしてディーゼルターボエンジンを搭載する最終世代各グレードの、走行距離2万km台までの物件に限定した場合の流通量と価格の目安は、おおむね下記のとおりです。

●XD スマートエディション|約15台|総額340万~470万円
●XD スポーツアピアランス|約30台|総額370万~470万円
●XD ブラックトーンエディション|約30台|総額350万~470万円
●XD グランドジャーニー|約15台|総額400万~450万円
●XD エクスクルーシブモード|約15台|総額400万~480万円

具体的な価格はもちろん個体によって様々ですが、イメージとしては「いずれのグレードも総額400万円前半で好条件な1台が見つかる」というニュアンスです。

その中でどのグレードを選ぶかは人それぞれのお好み次第であり、それぞれのグレードが、それぞれ固有の魅力を備えています。しかしお買い得感という観点だけで言うとしたら、「総額300万円台のXD スポーツアピアランスまたはブラックトーンエディション」と「総額400万円台前半のXD エクスクルーシブモード」のコスパが光ります。
 

CX-8▲ブラックメタリック塗装の19インチアルミホイールや、スエード調の生地である「グランリュクス」を表皮に使用しているレッドステッチ入りシートなどが特徴となる「XD ブラックトーンエディション」

とはいえ最終的には個人的な好みとご縁を優先するべきでしょう。この世代であれば、どれを選んだとしても大満足できるはずです。
 

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マツダ CX-8(初代) × 2022年12月~2024年3月 × 全国
文/伊達軍曹 写真/尾形和美、マツダ
伊達軍曹

自動車ライター

伊達軍曹

外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツR EX Black Interior Selection。