CX-5▲現代のディーゼル車は、ガソリン車を凌駕する洗練されたフィーリングとなっている。写真はマツダ CX-5(2代目・現行型)

ディーゼル車の特徴やガソリン車との違い、人気ランキングを紹介!

かつては“遅い”“うるさい”といったイメージで語られることが多かったディーゼル車だが、最近は技術が進化し、ガソリン車を上回る動力性能をもつモデルが増えてきた。

もちろん低燃費性も大きなメリット。こちらも最新テクノロジーで磨きがかかっている。

ここではディーゼルの特徴の解説と、カーセンサーで人気のディーゼル車トップ10を紹介していく。
 

 

ディーゼル車とは? ガソリン車との違いは?

ディーゼル車とは、軽油を燃料としてディーゼルエンジンで走る車のことだ。一時期は排出ガス規制によって国内の乗用車からほとんどディーゼル車がなくなる……という事態に陥ったが、現在では排ガス問題を見事に克服して息を吹き返した。

今では高級車、上級グレードにも先進的なディーゼルエンジンが数多く搭載。また、欧州車ではハイブリッド車用のパワーユニットとしても採用されている

ガソリンエンジン車とは燃料が違うだけでなく、構造に違いから特性も異なる。一般的にトルクが大きく、燃費性能に優れているのが長所。一方で、パワー(瞬発力)を出すことはガソリンエンジンより苦手で、高回転に対応しにくい。そのため、多くのディーゼルエンジンはターボで空気を強制的に送り込み、高回転域に対応している。
 

ミニ ミニ(3代目) ▲欧州ではディーゼル車がポピュラー。コンパクトカーからラージサイズSUVまで幅広く設定されている。写真はミニ ミニ(3代目)
 

ディーゼル車とガソリン車のエンジンは燃焼構造が違う

ディーゼルエンジンは、軽油がガソリンより「引火、気化しにくいが自然発火しやすい」という特性を生かした設計となっている。

ガソリンエンジンは燃料を気化させて点火プラグで着火する方式だが、ディーゼルエンジンは霧化した燃料を圧縮して自然着火。スロットルバルブもなく、アクセル開度に応じた出力の調整は、燃料を噴射する量を変化させることで行う。

燃焼室の大きさに左右されず、爆発的な燃焼が可能なため、ガソリン車より排気量を大きくしやすいのも特徴だ。
 

ディーゼルエンジン ▲ガソリン車のような点火プラグやスロットルバルブをもたないディーゼルエンジン。現代のディーゼルは燃料噴射技術などが著しく進化した
 

ディーゼル車のメリット・魅力

ディーゼル車のメリットは主に3つ挙げられる。ガソリン車とは異なる魅力となるので、覚えておこう。

燃料コストが安くて済む
ディーゼル車に乗る最大のメリットは、経済性に優れることだ。前述したようにディーゼルエンジンは燃焼効率が高い、すなわち燃費が良い。それに加えて軽油の燃料代がガソリンよりも安い(税金が安い)ため、トータルの燃料コストが圧倒的に少なくて済む。
 

ランドクルーザープラド ▲ディーゼルの太いトルクはクロカン走行においても強力な武器になる。写真はトヨタ ランドクルーザープラド(4代目)

トルクが太くて走りやすい
一般的にディーゼルエンジンは同排気量のガソリンエンジンに比べて、トルクが大きくなりやすい。トルクとは、車を前に押し出す力のこと。つまり坂道を上るときやたくさんの荷物を載せているときでも、力強く走ってくれる、ということだ。エンジン回転数の変化も穏やかで扱いやすい。

そうした特性はトラックなど積載を重視した車にぴったり。また悪路を走破するうえでも有利なことから、本格クロカンやSUVにも数多くディーゼルが採用されている。
 

耐久性が高い
圧縮によって燃料に着火するディーゼルエンジンはエンジン自体の作りが頑丈にできている。必然的に耐久性が高くなるのだ。乗用車よりも過酷な使われ方をする貨物車にディーゼルが多く採用されていることを見ても、耐久性の高さは明らかだろう。
 

 

ディーゼル車のデメリット

ディーゼル車のデメリットは次の3つ。車選びの際はメリットと天秤にかけて、自分に合っているどうか判断しよう。

うるさい、振動がある
ディーゼルエンジンはその構造上、ディーゼルノックという振動がどうしても出てしまう。その振動が発生源となって、ガラガラとした騒音も発生してしまう。ディーゼルを敬遠するユーザーの多くは、特有の振動とノイズを嫌ってのことだろう。

しかし、最近のディーゼル車は燃料噴射制御の工夫やノックを打ち消す機構の採用によって、振動や騒音が以前よりもかなり小さくなっている。車内にいるとガソリン車と見分けがつかないほどだ。
 

 マツダ SKYACTIV-D ▲マツダのスカイアクティブDエンジンなどはディーゼルの振動を打ち消す独自の技術を採用している

高回転まで吹け上がりにくい
圧縮比を高くしなければならないディーゼルエンジンは、ロングストローク(エンジンのピストン径よりもストローク量の方が大きくなること)になりやすい。トルクを稼ぐためには有効だが、高回転まで回りにくくなるのがデメリットだった。

しかし、最近はターボの採用や燃料噴射制御の工夫などにより、比較的低い圧縮比でも安定して燃焼させられる技術が確立。高回転までよく回るディーゼルエンジンが増えてきた。

ガソリン車では発生しない手間がかかることも
排気ガスを浄化するために「尿素SCR」というシステムを使っているディーゼル車の場合には、定期的に尿素水(アドブルー)を補充する必要がある。そのための手間やコストが発生するが、コストについては軽油の安さを考えるとデメリットにはならない程度。手間についてもほとんどの場合、定期点検などのタイミングでOKだ。
 

 

ディーゼル車の選び方

最近はコンパクトカーからSUV、貨物車まで幅広い車種でディーゼル車を選べるようになった。ディーゼル車を選ぶときの主なポイントは次の5つだ。

エンジンの最大出力・最大トルク
ディーゼル車はパワフルだが、搭載するエンジンによって特徴が異なる。諸元表の最高出力・最大トルク、およびそれを発揮する回転域を他車と見比べることでパワーに優れた高回転域タイプかトルクが豊かな低回転域タイプか判断できる。

前者はガソリンライクな吹け上がりの良さがあり、「ロングドライブなどで高速巡行が多い人」に向いている。後者は走りに力強さがあるため、「人や荷物を乗せて山道などをよく走る人」にオススメだ。
 

トヨタ ランドクルーザー250(初代・現行型) ▲悪路を低速でゆっくり走ることが求められるオフロード車に、ディーゼルエンジンの特性はぴったり。写真はトヨタ ランドクルーザー250(初代・現行型)

静粛性と振動対策
現代のディーゼルエンジンは騒音・振動対策が進化し、車内にいるとガソリンエンジンと判別ができないほど静か。ただ、耳をすませば独特の音はするし、ハイブリッド車や電気自動車と比べると静粛性では不利となる。

エンジン本体からの騒音とボディ側の遮音性は諸元表などから判断しづらいため、きちんと試乗することが大切。そうは言っても車に音や振動は付きものなので、神経質にならず「気になるか/気にならない」をチェックするだけで十分だろう。

燃費性能
ディーゼルエンジンは燃料噴射の制御技術などが進化したことで、パワー・トルクと低燃費を両立できるようになった。そうは言っても燃費を気にするなら、諸元表で燃費性能を要チェック。

現在のWLTCモード燃費は「市街地」「郊外」「高速道路」とそれぞれの燃費が表示されているので、自分がよく利用するシーンを想定しながら数値を見比べると良いだろう。
 

マツダ CX-3(初代・現行型) ▲WLTCモード燃費で20km/L以上をマークするディーゼルエンジンも少なくない。写真はマツダ CX-3(初代・現行型)

ボディサイズ
ボディサイズは運転しやすさ、取り回しの良さと直結する。サイズが大きいと重量も重くなり、動力性能や燃費性能にもマイナスに働く。必要な乗車定員や積載能力とあわせて、ちょうど良いサイズの車を選ぼう。

もちろん、駐車場や周囲の道路、よく行く場所へのルートなどを考慮することも忘れないように。

積載性能
重い荷物を載せても力強く走れるのがディーゼル車のメリット。だからこそ、荷室の広さや容量も確認しておきたい。形や床面、装備類も要チェック。スクエアでフラットか、防水・加工が施されているか、後席の可倒方式はアレンジしやすいかなどを調べると良い。

加えて、最大積載量にも注目。車ごとの最大積載量は「車両総重量」-「車両重量」-「全乗員重量(定員×55kg)」という式でも計算できる。
 

トヨタ ハイエースバン(5代目・現行型) ▲バンは最大積載量が諸元表に記載されているので、目を通しておこう。写真はトヨタ ハイエースバン(5代目・現行型)
 

クリーンディーゼル車の税制特例措置

ディーゼル車を含む自動車には購入時にかかる「自動車税環境性能割」と、毎年納める「自動車税種別割」、車検時に納める「自動車重量税」がかかる。

2025年3月7日現在、自家用のディーゼル車が受けられる特性措置は自動車重量税に関する「エコカー減税」のみ。環境性能割と種別割の特例措置は営業用に限られている。

エコカー減税は、2024年1月1日~2025年4月30日および2025年5月1日~2026年4月30日に新車新規検査を受けた車両に適用。平成30年排出ガス規制適合を条件のひとつとして、令和12年度燃費基準の達成率に応じて税額が変化する。適用される免税・軽減措置は次のとおりだ。

2024年1月1日~2025年4月30日に新車新規検査を受けた場合
 

2030年度燃費基準 新車新規検査 初回継続車検
120%達成 免税 免税
90%達成 免税 軽減なし
80%達成 50%軽減
70%達成 25%軽減
2030年度燃費基準 新車新規検査 初回継続車検
120%達成 免税 免税
90%達成 免税 軽減なし
80%達成 50%軽減
70%達成 25%軽減

2025年5月1日~2026年4月30日に新車新規検査を受けた場合

令和12年度燃費基準 新車新規検査 初回継続車検
125%達成 免税 免税
達成 免税 軽減なし
90%達成 50%軽減
80%達成 25%軽減
令和12年度燃費基準 新車新規検査 初回継続車検
125%達成 免税 免税
達成 免税 軽減なし
90%達成 50%軽減
80%達成 25%軽減

※参考:国土交通省「自動車関係税制について」

なお、2021年5月1日~2023年4月30日に新車新規検査を受けて、令和12年度燃費基準を120%以上を達成している中古のクリーンディーゼル車は、初回継続検査時の自動車重量税が免税される。

また、現在のエコカー減税の要件を満たす、ないし過去の排出ガス規制と燃費基準を達成する中古のディーゼル車は、エコカーに適用される本則税率が適用される。
 

車両重量 本則税率
~0.5t 5000円
~1t 1万円
~1.5t 1.5万円
~2t 2万円
~2.5t 2.5万円
~3t 3万円
車両重量 本則税率
~0.5t 5000円
~1t 1万円
~1.5t 1.5万円
~2t 2万円
~2.5t 2.5万円
~3t 3万円

※参考:国土交通省「令和5年度税制改正に伴う自動車重量税の税額の基本的な考え方」

 

ディーゼル車にガソリンを入れた場合の対処法

乗用車タイプの車にもディーゼル車が増えてきたことに伴い、ディーゼル車にガソリンを入れてしまう、いわゆる誤給油のトラブルをよく耳にするようになった。

誤給油してしまった場合、エンジンをかけるのは絶対にNG。燃料の入れ間違いに気づいた時点でエンジンがかかっているならすぐに止め、JAFなどのロードサービスに連絡しよう。その後、修理工場などで燃料を抜いてもらい、正しい燃料に入れ替えればほとんどの場合は大きな問題にならない。

また誤給油以外に、ガス欠にも気をつけたい。ディーゼル車はガス欠すると燃料ライン内に空気が入ってしまう構造で、燃料を入れても再始動できないことがある。事前にエア抜きという作業が必要(一部の車では不要)だ。エア抜きは自分でできるが、手間がかかるのでガス欠しないに越したことはない。

なお、ガソリン車に軽油を誤給油してしまった場合の対応も同様だ。そのままにしておくと軽油が燃料ポンプやインジェクター、エンジン内部などに回って、やがてエンジンが停止。深刻なトラブルになるし、相応の危険も伴う。
 

軽油 ▲セルフスタンドが増えたことにより、燃料入れ間違いのトラブルも増えた要因だという
 

【最新】ディーゼル車人気車種ランキングTOP10

ここからはカーセンサーnetで人気のディーゼル車をランキング形式で紹介していこう。

コンパクトカーからSUV、バン、輸入車まで多彩な顔ぶれだ!
 

 

第1位:トヨタ ハイエースバン(5代目・現行型)

トヨタ ハイエースバン(5代目) ▲ハイエースバンのディーゼルエンジンは二度のマイナーチェンジで性能を大きく向上した

ディーゼル人気が圧倒的に高い4ナンバー貨物車の代表格がハイエースバン。真四角で広大な荷室は積載能力に優れ、トルクがあるから重い荷物を積んでも楽チンだ。

ハイエースには乗用車登録のワゴンと貨物車登録のバンが存在するが、ディーゼルエンジンが設定されるのはバンのみ。2004年8月のデビュー当初は2.5Lの2KD-FTV型を搭載していたが、2007年8月のマイナーチェンジで1KD-FTV型に変更され、排気量を3.0Lへと拡大した。

2010年7月のマイナーチェンジでは1KD-FTV型が大幅に改良され、最高出力を従来の100kW(136ps)から106kW(144ps)へとパワーアップ。さらに2017年12月には最高出力111kW(151ps)の2.8L 1GD-FTV型に置き換わり、現在に至っている。
 

 トヨタ ハイエースバン(5代目) ▲仕様によって2人乗りから9人乗りまで用意されるハイエースバン

カーセンサー掲載台数は約2950台(2025年3月7現在)。そのうち約1650台がディーゼル車で、5割弱が4WD車となっている。装備が充実して乗用車ライクの「スーパーGL」系のディーゼル車は約1210台と多くなっている。

全体の車両平均価格は約357万円で、平均走行距離は約7万9000km。走行距離3万km以内のディーゼル車が、総額300万円台前後から狙える。
 

▼検索条件

トヨタ ハイエースバン(5代目・現行型) × ディーゼル車

【5代目ハイエースバンの注目データ】
ボディサイズ:全長4695~5380mm×全幅1695~1880mm×全高1970~2285mm
室内寸法:メーカー非公表
燃費(WLTCモード):6.2~12.6km/L
乗車定員:3~10名
パワーユニット:ガソリンエンジン/ディーゼルターボ
排気量:1998~2982cc
エンジン最高出力:109~160ps
エンジン最大トルク:182~300N・m
駆動式:FR/4WD
新車の車両価格帯:170.6万~548.4万円
中古車の車両価格帯:68万~1390万円
 

 

第2位:三菱 デリカD:5(初代・現行型)

 三菱 デリカD:5(初代) ▲「ダイナミックシールド」顔になった後期型のデリカD:5

2019年2月の大規模マイナーチェンジでガラッとイメチェンした初代デリカD:5だが、基本設計は2007年1月にデビューした当時と同じ。当初はガソリン車しかラインナップされていなかったが、2012年12月の変更でファン待望のディーゼル車が追加された。

搭載される2.2L 直4ディーゼルターボエンジンは、コモンレール式燃料噴射を採用するもの。2019年2月以降の後期型ではガソリン車がラインナップから消え、ディーゼル車のみになるとともにピストンやコンロッドの設計が見直され、尿素SCRシステム、スポーツモード付き8速ATも初採用された。

デリカD:5の魅力は何といっても、ミニバンでありながら本格クロカン顔負けの悪路走破性能を備えていること。ディーゼルらしい大トルクとガソリンライクな吹け上がりを兼ね備えるディーゼルエンジンの特性も、そうした性格によくマッチしている。
 

 三菱 デリカD:5(初代) ▲ワンボックス型ながらエンジンをフロントに搭載しているため、着座位置も自然。街中でも運転しやすい

18年以上の長い歴史をもつモデルだけあり、カーセンサー掲載台数は約2380台もある。その3分の2近くがディーゼル車だ。また、全体のおよそ半数が大規模マイナーチェンジ後の後期型となっている。

全体の車両平均価格は約322万円で、平均走行距離は約6万4000km。走行距離3万km以内のディーゼル車が、前期型なら総額300万円前後、後期型なら総額340万円前後で狙える。
 

▼検索条件

三菱 デリカD:5(初代・現行型) × ディーゼル車

【初代デリカD:5の注目データ】
ボディサイズ:全長4730~4800mm×全幅1795mm×全高1825~1875mm
室内寸法:室内長2980mm×室内幅1505mm×室内高1310mm
燃費(WLTCモード):12.6km/L
乗車定員:7~8名
パワーユニット:ガソリンエンジン/ディーゼルターボ
排気量:1998~2359cc
エンジン最高出力:145~170ps
エンジン最大トルク:191~380N・m
駆動方式:FF/4WD
新車の車両価格帯:221.3万~473.3万円
中古車の車両価格帯:20万~699.9万円
 

 

第3位:マツダ CX-5(2代目・現行型)

マツダ CX-5(2代目) ▲基本設計こそ初代とほぼ同じだが、エンジンもシャシー制御技術も大きく進化した2代目

3種類のガソリンエンジンに加え、ディーゼルエンジンもラインナップしているCX-5。ディーゼルエンジンは、その中でも特に評価が高い。

それもそのはず、CX-5に搭載される2.2L 直4ディーゼルエンジン「SKYACTIV-D 2.2」には、ディーゼルノック音の原因となる振動を打ち消す「ナチュラル・サウンド・スムーザー」、アクセルレスポンスを追求する「DE精密過給制御」など、従来のディーゼルイメージを覆す技術が数多く採用されている先進的なもの。

スペックはデビュー当初、最高出力129kW(175ps)、最大トルク420N・m(42.8kgf・m)だったが、2018年3月の変更で140kW (190ps)、450N・m (45.9kgf・m)に性能アップ。さらに2020年12月の変更で最高出力が+7kW(+10ps)の147kW (200ps)となった。
 

マツダ CX-5(2代目) ▲CX-5のディーゼルエンジンはガソリンライフなフィーリングが特徴。国産車の中でも極めて洗練されている

カーセンサー掲載台数は約2740台で、そのうち7割がディーゼル車だ。駆動方式別ではFF車が大半。ディーゼルの4WD車は約590台となっている。

全体の車両平均価格は約246万円で、平均走行距離は約3万8000km。走行距離3万km以内の物件が、2Lもしくは2.5Lガソリン車なら総額180万円前後から狙えるが、ディーゼル車なら総額170万円前後から見つけられる。
 

▼検索条件

マツダ CX-5(2代目・現行型) × ディーゼル車

【2代目CX-5の注目データ】
ボディサイズ:全長4545~4575mm×全幅1840~1845mm×全高1690mm
室内寸法:室内長1890mm×室内幅1540mm×室内高1265mm
燃費(WLTCモード):12.2~19.5km/L
乗車定員:5名
パワーユニット:ガソリンエンジン/同ターボ/ディーゼルターボ
排気量:1997~2488cc
エンジン最高出力:155~230ps
エンジン最大トルク:196~450N・m
駆動方式:FF/4WD
新車の車両価格帯:246.2万~422.5万円
中古車の車両価格帯:29.8万~410万円
 

 

第4位:マツダ CX-8(初代)

CX-8▲同じくラージクラスのCX-60とは違い、エンジンを横置きするCX-8。キャビンの広さが特徴だ

マツダ・クロスオーバーSUVのフラッグシップに、かつて位置づけられていたモデルがCX-8だ。

搭載されるディーゼルエンジンは2.2L 直4ディーゼルで、超高応答マルチホールピエゾインジェクター、可変ジオメトリーターボチャージャーといったテクノロジーの採用により、最高出力140kW (190ps)、最大トルク450N・m (45.9kgf・m)を実現した。

全長4.9m以上のボディサイズに3列シートを備えるラージクラスSUVだが、フル乗車、荷物満載でもディーゼルの大トルクがあれば安心。静粛性においても高級車にふさわしい水準となっている。
 

マツダ CX-8(初代) ▲乗車定員は6名もしくは7名。インテリアはシンプルなデザインで高級感もある

カーセンサー掲載台数は約1920台で、そのうち1570台がディーゼル車だ。駆動方式別ではFF車が多いものの、ディーゼルの4WD車は約580台ある。グレード別ではディーゼル車なら「XD Lパッケージ」が最多で、特別仕様車の「グランドジャーニー」や「スポーツアピアランス」は希少だ。

全体の車両平均価格は約282万円で、平均走行距離は約4万3000km。走行距離3万km以内の物件が、ガソリン車でもディーゼル車でも総額210万円前後から狙うことができる。
 

▼検索条件

マツダ CX-8(初代) × ディーゼル車

【初代CX-8の注目データ】
ボディサイズ:全長4900~4925mm×全幅1840~1845mm×全高1730mm
室内寸法:室内長2690mm×室内幅1540mm×室内高1250mm
燃費(WLTCモード):11.6~15.8km/L
乗車定員:6~7名
パワーユニット:ガソリンエンジン/ガソリンターボ/ディーゼルターボ
排気量:2188~2488cc
エンジン最高出力:190~230ps
エンジン最大トルク:252~450N・m
駆動方式:FF/4WD
新車の車両価格帯:289.4万~511万円
中古車の車両価格帯:108万~479.1万円
 

 

第5位:トヨタ ランドクルーザープラド(4代目)

 トヨタ ランドクルーザープラド(4代目) ▲デビューからすでに16年近くたっている4代目ランドクルーザープラドだが、魅力は全く色あせていない

「ランクルといえばディーゼル!」というイメージを持っている方も少なくないと思うが、4代目ランドクルーザープラドにディーゼルエンジンが設定されたのはデビューから約6年後の2015年6月。それまでの4L V6ガソリンエンジンに変え、上位グレードのみに搭載されるパワーユニットとして2.8L 直4ディーゼルターボエンジンが設定された。

2015年6月~2020年7月の前期型でも最高出力130kW (177ps)、最大トルク450N・m(45.9kgf・m)と動力性能は十分。2020年8月以降の後期型では最高出力150kW(204ps)、最大トルク500N・m(51.0kgf・m)にまで性能が向上した。

2tオーバーの決して軽くはない車体を楽々と加速させる動力性能は痛快のひと言。オフロードでもランクルらしいトルクフルな走りが楽しめる。
 

 トヨタ ランドクルーザープラド(4代目) ▲インテリアの品質も欧州製高級SUVに劣らないもの

カーセンサー掲載台数は約1590台で、そのうち約460台がディーゼル車。年式別では2022~2023年式が多い。2列5人乗りと3列7人乗りが用意されており、ディーゼル車では後者が約250台で多数派だ。

全体の車両平均価格は約464万円で、平均走行距離は約3万7000km。走行距離3万km以内の物件が、ガソリン車なら総額260万円前後から購入圏内に入り、総額340万円前後から探しやすくなる。一方でディーゼル車の場合、総額300万円台でポツポツと物件が見つかり、狙いやすくなるのは総額440万円前後~だ。
 

▼検索条件

トヨタ ランドクルーザープラド(4代目) × ディーゼル車

【4代目ランドクルーザープラドの注目データ】
ボディサイズ:全長4760~4825mm×全幅1885mm×全高1835~1895mm
室内寸法:室内長1825~2520mm×室内幅1565mm×室内高1240mm
燃費(WLTCモード):8.3~11.2km/L
乗車定員:5~7名
パワーユニット:ガソリンエンジン/ディーゼルターボ
排気量:2693~3955cc
エンジン最高出力:163~276ps
エンジン最大トルク:246~450N・m
駆動方式:4WD
新車の車両価格帯:315万~554.3万円
中古車の車両価格帯:189.8万~733万円
 

 

第6位:日産 NV350キャラバン(初代)

 日産 NV350キャラバン(初代) ▲ビジネスユースはもちろん、マリンスポーツなどの愛好者にもファンが多いNV350キャラバン

ハイエースとともに4ナンバー貨物車界の両雄といわれるのがキャラバンだ。同シリーズでは通算5代目となる、このモデルには「NV350」という名前が追加され、打倒ハイエースが目指された。

荷室サイズひとつとっても、ハイエースより少し長い10尺モノが積める長さ(約3050mm)。これは4ナンバー貨物車でクラストップの数値だ。

内装の仕立てや先進安全性能においてはハイエースを一歩リード。ディーゼルエンジンの排気量は2.5Lとコンパクトながら、最大トルクでハイエースを上回る。

トランスミッションは2012年のデビュー時から5速ATを設定(5速MTの設定もあり)。これも当時のディーゼル貨物車としては先進的だった。

ちなみに、NV350キャラバンのガソリン車は2021年に「キャラバン」と名を変え、翌2022年2月にはディーゼル車も名称変更。同時にエンジンが三菱製の2.4Lディーゼルターボへと変更された。
 

 日産 NV350キャラバン(初代) ▲インパネシフトを採用するなど、内装デザインも空間のゆとりを重視したもの

カーセンサー掲載台数は約780台で、そのうち5割強がディーゼル車。グレード別では装備が充実した「DX」が多く、ボディはロングの方が優勢だ。上位グレードの「プレミアムGX」をベースとした、オーテックの「ライダー」系も全体で約90台あり、ディーゼル車に限定すると40台ほど見つかる。

車両平均価格は約181万円で、平均走行距離は約10万4000km。走行距離5万km以内の物件が、ガソリン車なら総額140万円、ディーゼル車なら総額210万円から探すことができる。キャラバンに改名後のディーゼル車の方が若干高出力・高トルクなので、併せて検討するのも一案だ。
 

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日産 NV350キャラバン(初代) × ディーゼル車

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日産 キャラバン(5代目・現行型) × ディーゼル車

【初代NV350キャラバンの注目データ】
ボディサイズ:全長4695~5230mm×全幅1695~1880mm×全高1990~2285mm
室内寸法:メーカー非公表
燃費(JC08モード):8.0~13.2km/L
乗車定員:3~10名
パワーユニット:ガソリンエンジン/ディーゼルターボ
排気量:1998~2488cc
エンジン最高出力:130~147ps
エンジン最大トルク:178~356N・m
駆動方式:FR/4WD
新車の車両価格帯:189.4万~432.3万円
中古車の車両価格帯:58万~565万円
 

 

第7位:トヨタ ハイラックス(8代目・現行型)

トヨタ ハイラックス(8代目) ▲2017年9月、ハイラックスは13年ぶりに日本市場でも販売再開されることになった

現存する数少ないピックアップであるハイラックス。日本モデルの現行型は、グローバル市場で8代目となるハイラックスのダブルキャブ仕様だ。

最大積載量500kgを誇る積載能力はもちろん、ダイヤル操作で切り替え可能なパートタイム4WDシステムやリアデフロックを標準採用するなど、オフロード性能も本格。先進安全装備の「トヨタセーフティセンス」を採用するなど、安全性も現代の水準となっている。

搭載されるエンジンは2.4L 直4ディーゼルターボ。最高出力110kW(150ps)/最大トルク400N・m(40.8kgf・m)を発生する。6速ATが組み合わされ、オンロードでの走りも快適だ。

2020年8月にはフロントまわりのデザインを変更するとともにエンジンも改良され、燃費性能が向上した。
 

トヨタ ハイラックス(8代目) ▲2WD~4WD切り替えダイヤルはステアリング左に配置される

カーセンサー掲載台数は約540台。グレード別ではシンプル装備の「X」よりも上級装備となる「Z」系が圧倒的に多い。Zをベースとしたスポーツモデルの「GTスポーツ」も170台ほど掲載されているのもうれしいところだ。 車両平均価格は約420万円で、平均走行距離は約2万8000km。走行距離2万km以内の物件が総額350万円前後から狙える。
 

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トヨタ ハイラックス(8代目・現行型) × ディーゼル車

【8代目ハイラックスの注目データ】
ボディサイズ:全長5320~5340mm×全幅1855~1900mm×全高1800~1840mm
室内寸法:メーカー非公表
燃費(WLTCモード):11.7km/L
乗車定員:5名
排気量:2393cc
パワーユニット:ディーゼルターボ
エンジン最高出力:150ps
エンジン最大トルク:400N・m
駆動方式:4WD
新車の車両価格帯:326.7万~477.2万円
中古車の車両価格帯:304.2万~672万円
 

 

第8位:マツダ CX-5(初代)

マツダ CX-5(初代) ▲初代CX-5のフロントマスクにはどことなく愛嬌がある。基本設計の確かさでは2代目にも決して見劣りしない

初代のCX-5も中古車市場では人気の高い1台。フロントマスクは2代目・現行型と全く異なる印象だが、基本設計は共通、ディメンションもほとんど同じ、さらにディーゼルエンジンのスペックも現行型デビュー時と共通だ。

ディーゼルエンジンといえば高圧縮が一般的だが、初代CX-5に搭載される2.2L 直4ディーゼルエンジンは低圧縮比なのが特徴。高回転化を可能にするとともに、薄肉化による軽量化も実現している。

最大トルクはV8ガソリンエンジン並みの420N・m(42.8kgf・m)。10年以上前にデビューしたディーゼル車とは思えないスペックだ。
 

マツダ CX-5(初代) ▲すっきりとしたデザインで開放感がある初代CX-5の車内

カーセンサー掲載台数は約570台で、そのうち約490台でディーゼル車だ。駆動方式別では4WDよりもFFの方が多め。グレード別では「XD」「XD Lパッケージ」が、ディーゼル車の8割弱を占める。

車両平均価格は約97万円で、平均走行距離は約7万9000km。ガソリン車の場合は走行距離5万km以内の物件が総額130万円前後から増えていくが、ディーゼル車の場合は総額90万円前後から購入圏内で、総額110万円前後から狙いやすくなる。
 

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【初代CX-5の注目データ】
ボディサイズ:全長4540mm×全幅1840mm×全高1705mm
室内寸法:室内長1910mm×室内幅1530mm×室内高1280mm
燃費(JC08モード):14.6~18.6km/L
乗車定員:5名
排気量:1997~2488cc
パワーユニット:ガソリンエンジン/ディーゼルターボ
エンジン最高出力:154~188ps
エンジン最大トルク:195~420N・m
駆動方式:FF/4WD
新車の車両価格帯:205万~348.8万円
中古車の車両価格帯:45万~294.4万円
 

 

第9位:マツダ デミオ(4代目)

 マツダ デミオ(4代目) ▲当時、国産コンパクトでディーゼルエンジンを採用していたのはデミオのみ

「魂動」デザインを採り入れたシャープな顔つきとなった4代目デミオ。2019年10月以降はMAZDA2と名前を変えて、販売されている。5ナンバーのコンパクト車では極めて珍しく、ディーゼル車が設定されていた。

デミオに搭載されたのは最高出力77kW(105ps)、最大トルク220N・m(22.4kgf・m)というスペックをもつ1.5L 直4ディーゼルターボエンジン。太いトルクの力強い走りで、ユーザーからの評価も高い。トランスミッションに6速ATだけでなく、6速MTを用意していたのもマツダらしい。
 

 マツダ デミオ(4代目) ▲クラスを超える上質感があったデミオのインテリア

カーセンサー掲載台数は約1050台で、半分程度がディーゼル車だ。グレード別ではディーゼル車の場合、「XD ツーリング」および「XD ツーリング Lパッケージ」が多い。特別仕様車の「アーバン スタイリッシュ モード」や「ノーブル クリムゾン」などは希少だ。

全体の車両平均価格は約84万円で、平均走行距離は約5万6000km。走行距離5万km以内の物件が、ガソリン車なら総額60万円前後、ディーゼル車なら総額70万円前後から狙える。名称変更後のMAZDA2のディーゼル車は2024年9月に生産が終了しているので、MAZDA2を検討している人は併せてチェックすると良いだろう。
 

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【4代目デミオの注目データ】
ボディサイズ:全長4060~4080mm×全幅1695mm×全高1500~1550mm
室内寸法:室内長1805mm×室内幅1445mm×室内高1210mm
燃費(JC08モード):19.2~30.0km/L
乗車定員:5名
排気量:1298~1498cc
パワーユニット:ガソリンエンジン/ディーゼルターボ
エンジン最高出力:92~116ps
エンジン最大トルク:121~250N・m
駆動方式:FF/4WD
新車の車両価格帯:135万~227.9万円
中古車の車両価格帯:19万~167.8万円
 

 

第10位:メルセデス・ベンツ Gクラス(2代目・現行型)

メルセデス・ベンツ Gクラス(2代目) ▲現行型は2018年6月に登場。デビュー時の型式は先代と同じW463型だが、設計やデザインは全くの別ものに生まれ変わった

Gクラスはランドクルーザーやレンジローバーと並び称される本格オフローダーだ。現行型となる2代目でも、ラダーフレーム構造やリア・リジッドサスペンションなど伝統的な構造を踏襲。一方で、フロントサスを独立懸架としてオンロードでの快適性にも配慮している。

ディーゼル車はデビュー時から設定。4LのV8ツインカムターボ・ガソリンエンジン搭載の「G550」が用意された。その約10ヵ月後には、3L 直6 ターボ・ディーゼルエンジン搭載の「G350d」が追加。最高出力210kW (286ps)/最大トルク600N・m(61.2kgf・m)というスペックはV8ガソリンを上回るものだ。

さらに、2021年5月には最高出力243kW(330ps)/最大トルク700N・m(71.4kgf・m)とした「G400d」をラインナップ。2024年7月には、ディーゼル全車がマイルドハイブリッド仕様の「G450d」となった。これは最高出力270kW(367ps)/最大トルク750N・m (76.5kgf・m)という動力性能をモーターが支援し、驚異的な走行性能を発揮する。
 

メルセデス・ベンツ Gクラス(2代目) ▲内装は本格オフローダーとは思えぬ仕立てだ

カーセンサー掲載台数は約500台で、その9割弱がディーゼル車だ。2021~2023年式が多数派で、グレードはG400d系が最多。次にG350dが多く、G450dはまだ少ない。

全体の車両平均価格は約1690万円で、平均走行距離は約1万7000km。走行距離3万km以内の物件が、「G350d」なら総額902万円、「G400d」なら総額1420万円で狙える。
 

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【2代目Gクラスの注目データ】
ボディサイズ:全長4575~4730mm×全幅1860~1985mm×全高1930~1990mm
室内寸法:メーカー非公表
燃費(WLTCモード):7.4~11.7km/L
乗車定員:5名
排気量:2986~3982cc(モーター除く)
パワーユニット:ガソリンターボ/ディーゼルターボ/マイルドハイブリッド/モーター
エンジン最高出力:245~422ps
エンジン最大トルク:600~750N・m
モーター最高出力:20~587ps
モーター最大トルク:208~1164N・m
駆動方式:4WD
新車の車両価格帯:1080万~2635万円
中古車の車両価格帯:780万~3100万円
 

※記事内の情報は2025年3月7日時点のものです。
 

文/田端邦彦 写真/トヨタ、日産、三菱、マツダ、MINI、メルセデス・ベンツ
田端邦彦(たばたくにひこ)

自動車ライター

田端邦彦

自動車専門誌で編集長を経験後、住宅、コミュニティ、ライフスタイル、サイエンスなど様々なジャンルでライターとして活動。車が大好きだけどメカオタクにあらず。車と生活の楽しいカンケーを日々探求している。プライベートでは公園で、オフィスで、自宅でキャンプしちゃうプロジェクトの運営にも参加。

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