▲2007年にヒットしたギャグといえば小島よしおの「そんなの関係ねぇ」やIKKOの「どんだけぇ」だった(photo/PIXTA)
▲2007年にヒットしたギャグといえば小島よしおの「そんなの関係ねぇ」やIKKOの「どんだけぇ」だった(photo/PIXTA)

ジャネーの法則が当てはまるあなたは、10年落ち中古車を検討してみては

突然だが、「ジャネーの法則」という言葉をご存じだろか。「そりゃ、なんじゃねー」なんていうオヤジギャグを飛ばしたアラフォーのあなた。「ジャネーの法則」は、そんなおっさんにこそ知っておいてほしい法則だ。

19世紀のフランスの哲学者・ポール・ジャネが発案し、甥の心理学者・ピエール・ジャネの著書において紹介された法則で、「主観的に記憶される年月の長さは年少者にはより長く、年長者にはより短く評価されるという現象」を心理学的に説明したものである。簡単に言えば、年をとれば1年が短くなるあの現象のことだ。確かに、40オーバーの筆者も、最近はこの法則が顕著。10年なんてつい最近という心持ちだ。

10年前といえば2007年。ちょっと世相を振り返ってみると、東京マラソンや郵政民営化はこの年から。政治では東国原英夫氏が宮崎県知事に当選し、政権は第1次安倍内閣から福田康夫内閣に。芸能界では藤原紀香と陣内智則が結婚や沢尻エリカの「別に……」が話題に。ドラマでは『ガリレオ』や『花より団子2リターンズ』、『ホタルノヒカリ』などが、曲では嵐の『Love so sweet』や秋川雅史の『千の風になって』などがヒットした。ヒット商品では『ビリーズブートキャンプ』や『∞プチプチ』、アメリカで『iPhone(初代)』が登場したのも2007年だ。

アラフォー世代が振り返ると、ついこないだじゃん、と言いたくなる出来事ばかり。もしかすると、2007年デビューの車を今中古車で探しても、さほど古い印象を持たないんじゃないか? そこで、2007年デビューの車を探してみたところ、いまでもオススメしたくなる名車が数多く存在していた。

10年前から外観に大きな変化がないGT-Rなど、スポーツカーのオススメ10年落ちは?

筆頭格は、なんといっても日産『GT-R』だろう。エクステリアはデビュー当時からキープコンセプトで、最新モデルに比べても古くささはみじんも感じない。エンジンはV型6気筒ガソリンエンジン「VR38DETT型」。これは、初代R35型GT-R専用に新設計されたエンジンで、現行モデルの心臓部もこのエンジンをブラッシュアップしたものだ。

▲2007年式の『GT-R』で検索したところ、支払総額544.4万円の物件を発見。走行距離は2.7万kmだった(2月14日現在・以下同)
▲2007年式の『GT-R』で検索したところ、支払総額544.4万円の物件を発見。走行距離は2.7万kmだった(2月14日現在・以下同)

同じくスポーツカーでは、スバル『インプレッサWRX STI』と三菱『ランサーエボリューションX』のラリーカー2大巨頭も2007年デビュー。『インプレッサWRX STI』は2014年8月まで販売されていたので、いまでも現役感バリバリ。

『ランサーエボリューションX』は、2015年に限定販売された特別仕様車『ランサーエボリューション ファイナルエディション』が完売しニュースになったので、記憶に新しい人も多いだろう。いずれも、走りにこだわるユーザーには高い人気を誇る車種だ。

▲2007年式の『インプレッサWRX STI』を検索したところ、49台の在庫を発見。支払総額は250万円前後が多かった。走行距離が10万km程度だと、150万円前後の物件も存在
▲2007年式の『インプレッサWRX STI』を検索したところ、49台の在庫を発見。支払総額は250万円前後が多かった。走行距離が10万km程度だと、150万円前後の物件も存在
▲2007年式の『ランサーエボリューションX』の掲載台数は、『インプレッサWRX STI』よりも少なめの16台だが、支払総額は同程度で250万円前後が目立った
▲2007年式の『ランサーエボリューションX』の掲載台数は、『インプレッサWRX STI』よりも少なめの16台だが、支払総額は同程度で250万円前後が目立った

10年前のミニバンは顔つきが大きく変わっている車種も多い

ミニバンではトヨタの兄弟車『ノア』と『ヴォクシー』が2007年にデビュー。旧型となるが、トヨタは2013年頃から特徴のあるフロントグリルを採用しているので、現行型と比べると古くささは否めない。

三菱『デリカD:5』も2007年デビュー。こちらは、フルモデルチェンジをしておらず、いまだ現行車種である。直線基調スタイルにSUVのような大径タイヤを組み合わせた姿は、流行り廃りを超越した存在感。電子制御4WDやトレーリングアーム式マルチリンクを採用することで、SUV顔負けの走破性能を誇っており、根強いファンが多い1台だ。
 

▲2007年式の『デリカD:5』の掲載台数はなんと159台。走行距離10万kmオーバーならば、100万円以下の物件も多い
▲2007年式の『デリカD:5』の掲載台数はなんと159台。走行距離10万kmオーバーならば、100万円以下の物件も多い

10年前から最先端技術を搭載していたランドクルーザー200系

SUVでは日産『エクストレイル』とトヨタ『ヴァンガード』、『ランドクルーザー』が2007年デビュー。『エクストレイル』と『ヴァンガード』は旧型で現行型とは異なるデザインだ。

一方、『ランドクルーザー』は200系と呼ばれる現行型。お墨付きの走行性能はそのままに、高級車としての内外装を手に入れたのが特徴だ。ちなみに、新車時にはエントリーモデルでも472.8万円、最上位モデルは723.6万円だった。

それだけに、現在でも現役の最新技術を搭載。各輪の車輪(回転)速度センサー、加速度センサーなどの情報を基に、エンジン出力やブレーキ油圧を自動で最適にコントロールして、タイヤのスリップや車輪のロックを最小限に抑えながら、一定の極低速を維持して走行できる「クロールコントロール」や走行状況に応じてスタビライザーの効力をコントロールする『KDSS』などを備えている。

▲2007年式の『ランドクルーザー200』の掲載台数は9台。そのすべてが『AX』または『AX Gセレクション』だった。支払総額は338万~449.8万円。『AX Gセレクション』の新車時価格は585.5万円なので、値落ち率はやや低めだ
▲2007年式の『ランドクルーザー200』の掲載台数は9台。そのすべてが『AX』または『AX Gセレクション』だった。支払総額は338万~449.8万円。『AX Gセレクション』の新車時価格は585.5万円なので、値落ち率はやや低めだ

整備点検記録簿でしっかりとした整備が確認できれば、10年落ちでもお買い得な車種もある

コンパクトカーではマツダ『デミオ』、ホンダ『フィット』が、軽自動車ではダイハツ『タント』が2007年デビュー。いずれも旧型で、デザインは現行型と異なる。ちなみに、『デミオ』と『フィット』はパワートレインも一新されている。

2007年デビューの車を見てみると、いまでも現役感がある車は少なくない。10年落ちというだけで、最初から候補に入れないのはもったいないだろう。ただし、整備がされていないと消耗品の劣化などが進むので、整備点検記録簿を確認するのは忘れずに。また、時代を彩った名車で程度が良いと、値落ちが少ない場合があることも覚えておこう。

text/コージー林田
photo/PIXTA、トヨタ自動車、日産自動車、富士重工業、三菱自動車