新型エルグランド発表! ところで3代目最終モデルの中古車状況は? モデル概要やオススメの狙い方を解説
2025/11/17
▲新型日産 エルグランドが発表されましたが、現在販売されている3代目の中古車状況はどうなっているのでしょうか? チェックしてみることにしましょう!新型の発表で中古車状況に変化はあるか?
シュアな走りと広大な室内空間、そして元祖Lサイズミニバンならではの存在感も放つ日産 エルグランドは、ラグジュアリー系のミニバンを入手したいと考える際にはぜひ選択肢のひとつに加えたい1台です。
そんな日産 エルグランドの新型がJapan Mobility Show 2025の会場で初公開されました。16年ぶりのフルモデルチェンジが行われ、2026年夏に発売される予定となっています。
▲Japan Mobility Show 2025で初公開された新型日産 エルグランドの内装そして、さまざまな新基軸を伴って発表された新型エルグランドも気になりますが、同時に気になるのは、今現在まだまだ現役の新車として販売されている3代目エルグランド後期型(2020年10月以降生産モデル)の中古車状況です。
新型が発表されたことで、中古車状況は大きく動いていたりするのでしょうか? そのモデル概要を振り返るとともに、チェックしてみることにしましょう。
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日産 エルグランド(3代目) × 2020年10月以降生産モデルモデル概要:長い歴史をもつ「元祖高級Lサイズミニバン」
日産 エルグランドは、現在隆盛をきわめている高級Lサイズミニバンというジャンルの「元祖」ともいわれているモデル。
初代は「キャラバン エルグランド」「ホーミー エルグランド」という車名で1997年に発売され、それまでの商用ワンボックスカーベースのバンとは明らかに異なる商品性によりスマッシュヒットを記録しました。
▲「最高級新世代1BOX」というテーマで1997年に登場したキャラバン/ホーミー エルグランド2002年には、専用プラットフォームを採用するなどのフルモデルチェンジを行って2代目に進化。
こちらも後輪マルチリンクサスペンションの採用や、よりスタイリッシュなエクステリアデザインになったことなどで大ヒット作となり、マイナーチェンジを重ねながら2010年まで販売されました。
▲こちらが2002年に登場した2代目日産 エルグランド3代目エルグランドが登場したのは2010年8月。
それまでのFRを基本とするものからFF用のプラットフォームに刷新したことで、全体としてはより低床となり、その結果として車内はより広大に。パワーユニットは2.5L直4と3.5L V6の自然吸気ユニットで、3.5L V6の最高出力は280psという“大台”に達しています。
▲2010年に発売された3代目エルグランドの初期モデル2014年1月には1回目のマイナーチェンジを行い、エクステリアデザインを大幅に変更。また、インテリアも室内高を拡大した他、サードシートには前方向240mmのスライド機能が追加されました。
そして今回取り上げる後期型、つまり2度目のマイナーチェンジを受けたモデルが登場したのは2020年10月のこと。
エクステリアではフロントグリルの形状を変更するとともに、「ブラッククローム」と「サテンクローム」の2色を設定。インテリアの意匠も変更され、新たにピアノブラックでまとめた10インチの大型ディスプレイを採用。シートもキルティングのパターンを変更し、より高級かつモダンなイメージに変わっています。
▲2020年10月に2度目のマイナーチェンジを受けて登場した3代目エルグランド最終型
▲ボディサイズは全長4965mm×全幅1850mm×全高1815mm
▲細部はグレードなどによって異なるが、3代目エルグランド最終型の運転席まわりはおおむねこのようなデザイン
▲Lサイズミニバンだけあって、さすがに室内空間は余裕たっぷり。写真のグレードは2.5 250 ハイウェイスター プレミアム安全装備に関しては、2台先の前走車を検知し、急な減速などによって自車の回避操作が必要と判断した場合にドライバーに注意を促す「インテリジェントFCW(前方衝突予測警報)」等々が標準装備となりました。
そして2024年4月には再び一部改良が行われ、「インテリジェントアラウンドビューモニター(移動物検知機能付き)」「ディスプレイ付き自動防げん式ルームミラー」が全車標準装備になっています。
3代目日産 エルグランド後期型は現在も、最高出力170psの2.5L直4自然吸気エンジンを搭載する250 ハイウェイスター系と、同280pの3.5L V6自然吸気エンジンを搭載する350 ハイウェイスター系を中心に、トヨタ アルファードやヴェルファイアと同クラスのLサイズミニバンとして販売が続けられています。
中古車状況:平均価格は決して安くないが、手頃な物件も多数流通中
現在、3代目日産 エルグランドを2020年10月以降の後期型に絞った場合のカーセンサーnet上の中古車平均本体価格は386.9万円。
とはいえ、この数字はあくまでも「平均」であるため、実際は総額で200万円台前半の物件も多数流通しています。
▲写真は特別仕様グレード「AUTECH(オーテック)」また、後期型のカーセンサーnet掲載台数は現在277台と、まずまず豊富な数が流通中。つまり3代目日産 エルグランドの後期型中古車は「探しやすく、選びやすい状況にある」と結論づけることができるでしょう。
中古車のオススメ①:価格重視で選ぶなら総額200万円台の250ハイウェイスター S
3代目エルグランドの後期型を価格重視で、つまりなるべく手頃な予算で狙いたいのであれば、順当なターゲットは「総額200万円台までの物件」になるでしょう。
そしてその場合の狙い目は、というか実質的に唯一の選択肢は、2.5L直4エンジンを搭載するベースグレード「2.5 250ハイウェイスター S」です。
▲こちらが後期型エルグランドの最廉価グレードである2.5 250 ハイウェイスター S3代目エルグランドはそもそも3.5L V6エンジン搭載グレードの流通量が少なく、全体の8割以上が2.5L直4エンジン搭載グレード。そのため総額200万円台で購入可能な後期型も、そのほとんどというか、正確には「すべて」が2.5L直4エンジン搭載グレードとなっています。
で、その中でも上級グレードは総額200万円台ではほぼ流通していないため、必然的に、最廉価なベースグレードである「2.5 250ハイウェイスター S」とその4WD版が、唯一の選択肢となるわけです。
しかし、最廉価グレードしか狙えないからといって、嘆く必要はありません。
3代目エルグランドの2.5L直4エンジンは、もちろん超パワフルではありませんが、普通に走る分にはまったく問題ない力強さがあります。そして「2.5 250ハイウェイスター S」の装備内容も、最廉価グレードとはいえそもそも高級ミニバンですから、普通以上に充実しています。
250ハイウェイスター Sは、運転席側の「ワンタッチオートスライド」が標準ではなくオプション扱いなのですが、運転席側のそれを使う機会はさほど多くはないため、特に問題はないでしょう。
そして中古車としてのコンディションも、走行5万km台までの物件が20台ほど、7万km台までで数えると30台ほどが流通していますので、それらの中から内外装の状態と整備履歴が良好なものを選ぶようにすれば、普段づかいのLサイズミニバンとしては何ら問題なく愛用できる可能性が高いと考えられます。
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日産 エルグランド(3代目) × 2020年10月以降生産モデル × 2.5 250ハイウェイスター S系 × 300万円未満中古車のオススメ②:より高年式狙いなら250ハイウェイスター Sを総額300万円台後半で
より高年式な後期型、具体的には2024年4月の一部改良が行われた以降の世代を選びたい場合も、ベースグレードである「2.5 250ハイウェイスター S」とその4WD版が、基本的にはほぼ唯一の選択肢となります。なぜならばこの世代のおいても、流通している中古車のほとんどは2.5L直4エンジン搭載グレードであり、なおかつ、そのほとんどが「2.5 250ハイウェイスター S」だからです。
もしも「自分は250ハイウェイスター Sで十分だ」と考えるのであれば(ちなみに筆者もそう考えています)、総額360万~400万円付近のゾーンにて走行1万km台までの物件、あるいは走行数十kmレベルの物件が容易に見つかるでしょう。
▲2024年式以降に絞った場合でも、2.5 250 ハイウェイスター S(写真上)が流通全体の約8割を占めている▼検索条件
日産 エルグランド(3代目) × 2024年4月以降生産モデル × 2.5 250ハイウェイスター S系また、もしも「せっかくLサイズミニバンに乗るなら、もっと装備が充実しているグレードの方が……」と考えるのであれば、残念ながら流通量は少なめですが、より上級なグレードを見つけることも不可能ではありません。
より上級なグレードの主な特徴と、それぞれの中古車価格目安は下記のとおりです。
特徴:250 ハイウェイスターSのエクステリアをさらに精悍にしたグレード。漆黒フロントグリルや漆黒フォグランプフィニッシャー、グラファイトフィニッシュの18インチホイールなどを装備。
流通台数:4台
中古車価格:総額390万~430万円
▲精悍なビジュアルが特徴となる2.5 250 ハイウェイスターS アーバンクロム
特徴:250 ハイウェイスターSをベースに、ドライビングポジションメモリーシステムやスライド機能、リクライニング機能、ランバーサポート機能の付いた運転席パワーシート等々を装備したグレード。
流通台数:6台
中古車価格:総額420万~480万円
▲装備が大いに充実している2.5 250 ハイウェイスター プレミアム
特徴:250 ハイウェイスター プレミアムの充実した装備に、「アーバンクロム」の精悍なエクステリアをプラスしたグレード。
流通台数:5台
中古車価格:総額460万~480万円
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日産 エルグランド(3代目) × 2024年4月以降生産モデル × 2.5 250ハイウェイスターS アーバンクロム系 × 2.5 250ハイウェイスター プレミアム系 × 2.5 250ハイウェイスター プレミアム アーバンクロム系中古車のオススメ③:かなり希少だが「VIP」もいちおう検討可能!
3代目日産 エルグランドには、350ハイウェイスター プレミアムをベースとする特別仕様車「VIP」というグレードが存在します。
VIPは、350ハイウェイスター プレミアムの充実した装備にプラスしてツインサンルーフや助手席オートスライドドア連動ステップ、読書灯、後席100V電源などが特別装備として搭載されますが、最大の特徴は、3列仕様7人乗りに加えて「2列仕様4人乗り 後席パワーシートパッケージ」もラインナップされているということでしょう。
▲3代目エルグランド後期型VIPの2列仕様4人乗り 後席パワーシートパッケージ。後席は文字どおりVery Important Personにふさわしい空間になっているその車名どおり「VIP!」な仕様であるこちらのグレードを狙いたい人も多いかと思いますが、残念ながら、後期型のVIPは現在2台しか流通していません。
そして、そのうちの総額300万円台で流通している1台は残念ながら(?)7人乗り仕様ですが、400万円台と700万円台の物件は2列仕様4人乗り。特に700万円台の物件は、メーカーオプションをすべて装着しているという強烈な1台です。
流通量は激少ですし、価格もかなりのレベルにはなるのですが、ご興味がある方はぜひチェックしてみてください。
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日産 エルグランド(3代目) × 2020年10月以降生産モデル × VIP系▼検索条件
日産 エルグランド(3代目) × 2020年10月以降生産モデル
自動車ライター
伊達軍曹
外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツR EX Black Interior Selection。