▲ダウンサイジングが主流の今だからこそ、乗っておきたい車がある!▲ダウンサイジングが主流の今だからこそ、乗っておきたい車がある!

車好きならばやはり一度は体感しておきたい大排気量車のトルク感!

とかく「エコ」が叫ばれる昨今。自動車の販売台数ランキングの上位にもズラリとエコカーが並びますし、大排気量の代名詞ともなっていたアメ車にまでダウンサイジングの波が押し寄せており、あのマスタングですら2.3リッター4気筒ターボが搭載される時代となっています。

しかし、そんな時代だからこそ大排気量の魅力を訴えたい! というのが今回の趣旨。過給機に頼らずどこからでも加速する豊かなトルクと自然なフィーリング。そして、多気筒車ならではの官能的なサウンドと、大排気量車には大きな魅力が秘められているのです。車好きを表するのであれば、死ぬまでに一度は体感しておかねばならないと言っても過言ではない大排気量車。しかも到底手の届かないスーパーカーとは違い、実は中古車ではかなり買いやすい値段となっているのです。

その一方で「大排気量車=燃費が極悪」というイメージがあるかもしれませんが、低回転域でのトルクも分厚く通常走行ではかなり低い回転域で走行できるため、シチュエーションによってはかなりの燃費を記録することも夢ではないのです。さすがに自動車税の額はいかんともしがたい問題ではありますが、トランプ大統領が「日本でアメ車が売れないのは高額な自動車税のせいだ!」とか言い出して大排気量車が減税になることを祈るしかありません!

ということで、今回は魅惑の大排気量エンジンを積んだ車種の中から、新車時価格から考えればバーゲンプライスとも言えるモノを厳選してご紹介いたします!
 

日産 フーガ(初代・450GT系)新車時価格554.4万~627.9万円

スーパーGT車両に搭載されるエンジンと同型の心臓部を持つ俊足セダン

▲それまでのセドグロに比べ、グッと若々しいイメージとなった初代フーガ▲それまでのセドグロに比べ、グッと若々しいイメージとなった初代フーガ
 

それまで日産の高級セダン、セドリック/グロリアの後継車種として2004年に登場したのがフーガです。デビュー当初は2.5リッターと3.5リッターのV6エンジンのみのラインナップでしたが、デビューからおよそ1年後の2005年8月に4.5リッターV8エンジン搭載車が追加設定されています。

フーガに搭載された4.5リッターエンジンは333馬力/46.0kg・mを発生し、1.8トン弱のボディを軽々引っ張ってくれます。また、このエンジンはスーパーGTのGT500クラスに参戦していたフェアレディZやGT-Rに搭載されたエンジンのベースにもなっていることから、そのポテンシャルの高さがうかがい知れますね。

新車時には600万円近くした4.5リッターエンジンを搭載したフーガですが、高いものでも150万円程度で、安いものだと50万円台のものもあり(2017年2月1日時点)新車時価格の10分の1となっています。車格的に法人で使用されていた個体も多いことから、距離を走っていてもしっかりメンテナンスがされているものもありそうです。
 

ホンダ エリシオン(初代・プレステージ3.5)新車時価格357万~461万円

今なお国産ミニバン最高のカタログ馬力を誇るホンダらしいミニバン

▲ホンダのフラッグシップ、レジェンドのエンジンをそのまま搭載▲ホンダのフラッグシップ、レジェンドのエンジンをそのまま搭載
 

大人数が乗ることが多いミニバンは比較的大排気量エンジンが採用されることが多い車種ですが、その中でも頭一つ抜き出た個性を持つのがホンダ エリシオンです。トヨタ アルファードや日産 エルグランドに対抗するため2004年に登場したエリシオンは、2.4リッター4気筒と3リッターのV6エンジンのラインナップでスタート。そして2007年に3.5リッターエンジンを搭載する上級グレード「プレステージ」が追加となりました。

このエリシオンプレステージに搭載されるJ35A型V6エンジンは、日本車で初めて280馬力の自主規制値を突破した4代目レジェンドが搭載したのと同形式のもの。通常こういったエンジンをミニバンに載せる際は若干マイルドにデチューンしたりすることが多いですが、ホンダは同スペックのまま搭載し、国産ミニバン最高の馬力を持つ車両が誕生したというわけです。

もともと上級グレードとして登場しただけあって、必要と思われる装備はほとんど標準で装備されているエリシオンプレステージ。にも関わらず安いものでは50万円を切るものも存在し、見た目にも古さを感じさせないところが嬉しいところ。また、ホンダ独創の低重心パッケージや4輪ダブルウィッシュボーンサスペンションの採用により、走りの楽しさも持ち合わせています。
 

日産 フェアレディZ(3代目・Z33型)新車時価格300万~449.4万円

海外にも熱狂的なファンを持つ「ズィーカー」

▲多くの特別仕様車が設定されたZ33型フェアレディZ。写真はVersion NISMO Type 380RS-Competition▲多くの特別仕様車が設定されたZ33型フェアレディZ。写真はVersion NISMO Type 380RS-Competition
 

日本が世界に誇るスポーツカーといえばフェアレディZ。初代モデルは欧州スポーツカー並みの性能を誇りながら非常に安価な価格で、日本車が海外で評価される一端を担った歴史的にも価値のあるモデルと言えるでしょう。今回紹介するZ33型は、先代のZ32型生産終了から2年後に登場したモデルで、多くのユーザーが待ちに待った新型として大きな歓迎を持って迎えられたモデルです。

搭載されるエンジンはそれまでのVG型からVQ型へと一新。このVQ型エンジンはアメリカの10ベストエンジンに14年連続で選出されるなど、国内外で評価の高いエンジンです。排気量も歴代最大の3.5リッターとなり、2007年からは改良型のVQ35HR型エンジンへ換装され、スポーツカーとしての資質をさらにアップさせています。また、NISMOが手掛けたバージョンNISMOなど、限定車も多く存在しています。

そんなピュアスポーツモデルのフェアレディZも初期型であれば30万円台からと、驚くほど安価に手に入れることが可能となっています。VQ35HRエンジンになった2007年1月以降のモデルでも150万円からと、性能も妥協したくないユーザーにも買いやすい値段。アフターパーツも豊富なことから、安価な車両をベースに自分好みにカスタマイズする楽しみもある1台と言えるでしょう。
 

いかがだったでしょうか? 今回ご紹介した車種以外にも、ハッチバックボディに3.5リッターエンジンを詰め込んだトヨタ ブレイドマスターや、FF大排気量ビッグセダンの先駆け、三菱 デボネア、カジュアルなルックスながら本格的なSUV性能も持ち合わせるトヨタ FJクルーザーなど、魅力的な車種がたくさん存在します。

排気量で決定される自動車税が高額であったり、燃費の面では不利な部分も存在したりしますが、大排気量車の値落ち幅が大きいということもあり、新車時の価格を考えればお得感が高いというのも魅力。10年20年と所有するならば維持費の大きさがネックとなりますが、短期間の所有であれば車両価格も含めたトータルの出費額ではこちらの方が少なかった、なんて可能性もありますよ!
 

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日産 フーガ(450GT系)

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ホンダ エリシオンプレステージ 3.5

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日産 フェアレディZ(Z33型)

text/小鮒康一
photo/日産自動車、本田技研工業