▲2016年10月にデビューした2代目スバル インプレッサG4。イメージカラーは赤ですが、赤の販売比率は第6位。中古車でも赤などの明るい色より黒やパールホワイトに人気が集中します ▲2016年10月にデビューした2代目スバル インプレッサG4。イメージカラーは赤ですが、赤の販売比率は第6位。中古車でも赤などの明るい色より黒やパールホワイトに人気が集中します

イメージカラーが人気になるとは限らない!

車は移動の道具であると同時に、自己主張に欠かせないアイテム。だからこそ多くの人がデザインや性能にこだわり、カーセンサーnetでいろいろな中古車を見ながら「どれを選ぼう」と悩んでいます。

気に入った車を探すうえで外すことのできない要素には、ボディタイプやデザインの他、ボディカラーもあります。「黒い車しか興味がない」「今の車の色はブルーだから、次は温かみのあるものにしよう」と考える時間は楽しいですよね。

車種により異なりますが、一般的に一つの車には5~10数種類のボディカラーが設定されています。高級車だとシックで上品な色が中心になり、ハッチバックや軽自動車だとカラフルな色も増えてきます。最近は2トーンカラーが人気になっており、設定されるボディカラーのバリエーションが豊富な車も少なくありません。

ところが、街を走る車を見てこのように思ったことはありませんか?
「黒や白の車が多いなあ」
そう。車のボディカラーは黒系とパールホワイト系、無難なシルバー系の人気が圧倒的に高くなります。最近発売されたモデルを見てみると、2代目スバル インプレッサG4は、クリスタルホワイト・パールとアイスシルバー・メタリックが26%、クリスタルブラック・シリカが15%と、新車販売台数全体の中でかなり高い比率になっています。一方で、イメージカラーのピュアレッド(8%)やクォーツブルー・パール(6%)などの明るい色は比率が少ないのがわかります。

▲インプレッサG4のボディカラー一番人気はパールホワイト。写真の黒はパールホワイトよりも新車の販売台数が少ないが一般的には人気の高い黒のため、中古車になると人気が高まり相場が上昇する可能性があります ▲インプレッサG4のボディカラー一番人気はパールホワイト。写真の黒はパールホワイトよりも新車の販売台数が少ないが一般的には人気の高い黒のため、中古車になると人気が高まり相場が上昇する可能性があります

色が違うだけで20万円以上の価格差に!?

新車は注文時に好きな色を選べ、しかも一部のオプションカラーを除きどれも同じ値段で買うことができます。しかし中古車は基本的に新車で販売されたものから選ばなくてはなりません。黒やパールホワイトなどの人気色は数に限りがあるため、中古車相場が高くなる傾向にあります。とくに黒は新車販売台数がパールホワイトより少ない車種が多いため、中古車相場の上昇はより顕著に。反対に黒やパールホワイト以外の色--赤やブルーなどのイロモノは探している人が少ないため、早く売りたいお店は黒やパールホワイトより価格を下げて店頭に並べるケースが多くなります。

ためしにカーセンサーnetで年式や走行距離などの条件がほぼ同じものを見比べてみましょう。2代目トヨタ アルファードの240S(2012年式、走行距離4万km台)だと黒は車両本体価格約280万~300万円のものが多いのに対し、紫色の車両本体価格は約260万円に。初代マツダ CX-5の2.2XD Lパッケージ4WD(2012年式、走行距離5万km台)はパールホワイトの車両本体価格が約240万~250万円なのに対し、青は車両本体価格約220万円で販売されていました。

▲SUVはボディが大きく見えるパールホワイトの人気が高くなります。青の相場は安め。ただ最近のマツダ車は赤の人気が高くなっています ▲SUVはボディが大きく見えるパールホワイトの人気が高くなります。青の相場は安め。ただ最近のマツダ車は赤の人気が高くなっています


このように大排気量の高級ミニバンやセダン、SUVだと、ボディカラーの違いで20万円以上の差が付くことも珍しくありません。そしてボディカラーによる価格差はハッチバックや軽自動車など新車時価格が安めの小排気量車でも見られます。

2代目ホンダ フィットの1.3G(2008年式、走行距離4万km台)は黒が車両本体価格約50万~80万円で、パールホワイト黒が約40万~50万円。それに対してイメージカラーだった青は約30万~50万円。黒はもちろん、パールホワイトよりも安い価格帯から探せます。

2代目ダイハツ タントのカスタムX(2008年式、走行5万km台)は黒が約70万~80万円なのに対し、紺は約60万~70万円でした。

▲軽自動車もカスタム系は黒が人気に。黒やパールホワイト以外の色は相場が安くなります ▲軽自動車もカスタム系は黒が人気に。黒やパールホワイト以外の色は相場が安くなります

輸入車は黒とパールホワイト以外が人気になることも

今回は同一店舗での比較ではありませんが、ボディカラーによって価格に差が付くことはお分かりいただけたでしょう。色による差は一般的に車両本体価格が高いほど大きく、低年式車や走行距離が多い中古車になると差が少なくなります。

ただ、黒とパールホワイト以外は相場が安くなるという法則に必ずしも当てはまらないものがあります。それはスポーツカー(クーペ、オープン)と輸入車です。

どちらも黒とパールホワイトの人気は高いのですが、スポーツカーだと赤や黄色なども人気になる場合も。また輸入車はアルファロメオの赤、プジョーの青など、ブランドにより特定の色が人気になるケースがあります。

▲アルファロメオは伝統的に赤のイメージが。写真の156や後継モデルの159も赤が人気です ▲アルファロメオは伝統的に赤のイメージが。写真の156や後継モデルの159も赤が人気です


ボディカラーは車の雰囲気を大きく左右するため、安いからといって好きではない色を手にしてしまうと購入後に間違いなく後悔します。好きな色がある場合は高くても迷わずそれを選びましょう。でも装備や機能などと違い、ボディカラーは走行性能や快適性にはほとんど影響しません。もしボディカラーにこだわりがないのであればあえて人気色を外すことで、条件のいい中古車を安く買えますよ!

▲カーセンサーnetで検索条件を指定すると、その条件に合う中古車が表示されます。車体色(ボディカラー)を選択すると、その色の価格帯がわかります ▲カーセンサーnetで検索条件を指定すると、その条件に合う中古車が表示されます。車体色(ボディカラー)を選択すると、その色の価格帯が分かります


最後にボディカラーの選択でお得な中古車を見つける検索方法をお伝えしましょう。カーセンサーnetの中古車検索は、本体色と内装色を検索条件に加えられるようになっています。目当ての車種・グレードを探す際に、希望の年式や走行距離を設定したうえで、ブラック系とホワイト系以外の車体色を選択することでおいしい中古車が見つけられるはず。相場の比較をしたい人はそれぞれの色で価格帯を比べてみてください。

text/高橋 満(BRIDGE MAN)
photo/スバル、マツダ、ダイハツ、アルファロメオ