ついにボンネットが付いた次期ハイエースがやってくる!?
2016/12/19

脱・ガラパゴス、ハイエースがついに次世代へ向け殻を破る
プロユースの顔を持ちつつ、プライベートワゴンとして、カスタマイズ市場をも創生したハイエース。両側面から日本を支える商用バンに変化が起きようとしている。
現行型のモデルライフは、10年を優に超え、次期モデルに関する情報が聞こえてくる時期になってきた。順調に開発は進んでいるようで、それを加速させているのは、2016年に行われたトヨタの組織改革だ。「もっといいクルマづくり」を進めるべく、商品を軸とした7つのカンパニー制が執られているが、そのうちのひとつは、商用車の名を配した社内カンパニー、「CVカンパニー」という力の入れよう。
トヨタの世界販売1000万台のうち、商用車は260万台以上を占めている。収益面においても重要な役割を持つ。このジャンルにおいても、グローバルな視点での開発は避けられない。当然、ハイエースにおいても例外ではない。

一度は断念した欧州市場に再挑戦
次期ハイエース、最大のニュースは、パッケージングの刷新だ。前席の下にエンジンが置かれている現行のキャブオーバー型から、ミニバンなどと同じくフロントにエンジンを置くセミボンネットタイプへと変わる。
理由は言うまでもなく、前突への対応だ。10年を優に超えるモデルライフが想定されているハイエースは、この先強化されるであろう規制を先取りする。そして、この次期型をベースにグローバル展開をいっそう進めていく。
ハイエースは、かつて欧州でも販売されていたが、ライバルに比べて少なかったボディタイプなどがうまく受け入れられず、撤退した過去を持つ。現在欧州に投入されているトヨタの商用バンといえばプロエースだが、これはプジョー/シトロエンとの共同開発車だ。次期ハイエースこそが、純血のトヨタ商用車として、欧州市場への再挑戦の役割を担うのである。
商用車として求められる要素は、まず仕様の豊富さだろう。最近投入された日産のNV400は、なんと駆動輪(FWDかRWDか)までも選択できるフルチョイスシステムを採用している。
対して、次期ハイエースはRWDとAWDのみ。そしてボディタイプは1ナンバーサイズのワイド1本となる。メルセデス・ベンツ Vクラスのエクストラロングのような、全長5m半ばに達するスーパーストレッチも用意されるようだ。ただ、国内では駐車場事情を考慮し、4ナンバー枠から大きく逸脱しない全長で投入されるだろう。

荷物が積めない商用バン?
最大の懸念は、仕事車としての「積む」、「走る」といった基本性能だ。同じような全長の中で、独立したエンジンルームを確保すると、そのしわ寄せは間違いなく、キャビン寸法に及んでしまう。要は荷物が積めなくなるのだ。
また、乗車位置が限りなく前に位置するキャブオーバーは、ボンネット付き車よりも前方の見切り性能が圧倒的に優れている。ショートホイールベースによる小回り性能の高さも魅力だ。これらは街を縦横無尽に走り回る商用車にとって、欠かせない性能だと言えるだろう。
抜本的にパケージングが変わる次期ハイエースは、これらの案件を満たそうと思ってもできない。現行型の4ナンバー所有者からは「乗り替えに値しない」という烙印を押される懸念が大だ。

現行モデルは新ユニットを得て継続販売
次期ハイエースに不安を抱く方もいることだろう。しかし、ご安心あれ。対策は用意されている。それは現行モデルの継続販売だ。現行ハイエースは、数度の改良を経て、通称4型へと進化しているが、もう一度マイナーチェンジされて5型となって併売される。
その時期は次期型投入と同時か、少し前。2018年までには登場するだろう。トピックのひとつは、ランドクルーザープラドに搭載されている2.8Lクリーンディーゼルの移植だ。
現行ハイエースの併売で胸をなで下ろしているハイエースファンも多いだろう。それだけハイエースしか愛せないユーザーに支えられている事実を踏まえると、次期ハイエースが根付くまでは、相当な時間を要することは間違いない。トヨタは「もっといい商用車づくり」をコツコツと積み重ねるしかないだろう。
※2016年12月19日現在における新型車の発表についての予測記事です。発表を保証するものではありません
【SPECIFICATIONS】
■予想発表時期:2018年以降
■全長×全幅×全高:4790×1800×1965(mm)
■搭載エンジン:2.7L 直4ガソリン、2.8L ディーゼルターボ
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