▲CX-5の後継モデルとして登場するCX-6には、3列シートが与えられ、ミニバン所有者がターゲットに据えられる。2017年の東京モーターショーで、正式発表される可能性が高い ▲CX-5の後継モデルとして登場するCX-6には、3列シートが与えられ、ミニバン所有者がターゲットに据えられる。2017年の東京モーターショーで、正式発表される可能性が高い

次期CX-5から派生する多人数乗車可能な車

現在、マツダ系ディーラーが望んでいるのは、ファミリー需要が見込める3列シートのミニバンではないだろうか。しかし、マツダは今春、その需要を満たす、MPVのモデルライフに幕を下ろした。ブランドの方向性や収益性を考え、同社は後継モデルを開発しない方針を固めた。マツダの今後における、多人数乗車モデルへの考え方とは。

国内ラインナップに残っている3列シート車は、プレマシーとビアンテだけ。プレマシーは7年目、ビアンテは9年目に突入しており、どちらも基本設計は古い。マツダがミニバンから距離を置く方針を明確にしている以上、後継モデル登場にも期待できそうにない。

▲プレマシーの現行モデルは2010年に3代目として発表された。当時マツダに在籍していたヴァン・デン・アッカー氏が指揮を執ったNAGAREデザインが反映され、サイドには枯山水をイメージさせるプレスラインが配されている ▲プレマシーの現行モデルは2010年に3代目として発表された。当時マツダに在籍していたヴァン・デン・アッカー氏が指揮を執ったNAGAREデザインが反映され、サイドには枯山水をイメージさせるプレスラインが配されている
▲2005年に販売が終わったボンゴフレンディ以来の背高ミニバンとして2008年にリリースされたビアンテ。乗用車感覚で乗れる低いアイポイントが特徴に掲げられた。2013年にスカイアクティブG搭載車を追加設定 ▲2005年に販売が終わったボンゴフレンディ以来の背高ミニバンとして2008年にリリースされたビアンテ。乗用車感覚で乗れる低いアイポイントが特徴に掲げられた。2013年にスカイアクティブG搭載車を追加設定


そんなマツダが国内投入を検討しているのが、CXー6だ。当初は北米向けの戦略車であるCX-9が日本に投入されるとのうわさ(マツダは否定)があったが、MPVを上回る、全長5065×全幅1970×全高1750mmのボディサイズが、日本の道路事情に合わないことは明らか。より小さな車に白羽の矢が立つのも当然と言えよう。

▲2015年北米、LAショーで披露されたマツダ商品群のフラッグシップにもあたる大型SUVがCX-9。2.5Lターボエンジンが搭載されている。ボディは前述のとおり大型なアメリカンサイズ ▲2015年北米、LAショーで披露されたマツダ商品群のフラッグシップにもあたる大型SUVがCX-9。2.5Lターボエンジンが搭載されている。ボディは前述のとおり大型なアメリカンサイズ


CX-6とは聞きなれない名称だが、次期CX-5と並行して開発が進められている、ブランニューモデルのこと。もちろん、ミニバンではなく、CX-5派生のクロスオーバーSUVという位置づけだから、スライドドアもない。

ただ、3列シートは備わっており、マツダとしては同社の車づくりに共感を覚えつつ、「ミニバンほどの居住性は求めないが、3列シートは欲しい」というユーザーに売り込む考えだ。当然、MPVユーザーが最大のターゲットに定められる。

次期CX-5同様、Gベクタリングコントロールが搭載され、スカイアクティブGen2(第2世代)の実用化を待たずに登場する。ミニバンと比べて3列目シートにおける居住性はお世辞にも良いとは言えなさそうだが、スムーズな荷重移動を助けるGベクタリングコントロールやディーゼルエンジンのノック音を抑える周波数コントロール機構により、走行中の快適性は高いはず。CX-6は国内市場を意識しているため、約1年後の東京モーターショーで披露され、ほどなく発売される模様。

※2016年10月12日現在における新型車の発表についての予測記事です。発表を保証するものではありません

【SPECIFICATIONS】
■予想発表時期:2017年10月
■全長×全幅×全高:4690×1840×1695(mm)
■搭載エンジン:2.2L 直4ディーゼルターボ 他

text/マガジンX編集部
photo/マガジンX編集部