微細なマイナーチェンジの大きな影響? 現行ルノー ルーテシア前期型のプライスが地味に激変!
カテゴリー: クルマ
タグ: ルノー / ハッチバック / 成人向け / お手頃 / FF / EDGEが効いている / EDGE SELECTION
2016/04/25

4月半ばには40万円級の暴落を見せた現行ルーテシア
今年2月25日に行われたマイナーチェンジが地味に効いている。何の話かといえば、現行ルノー ルーテシアの中古車相場についてだ。カーセンサーnetのデータによれば、今年2月後半の現行ルーテシア平均価格は約212万円。しかし2月25日のマイナーチェンジを境に前期型の平均価格は徐々に下がり始め、4月半ばには一気に約176万円まで下落。その後はやや反転しているものの基本的には軟調なまま推移し、市場には今、「車両価格150万円のルーテシア インテンスで、走行距離はまだまだ数千km」みたいな物件がゴロゴロしている。中古車ハンター的にはおもわずヨダレがたれてしまいそうな、かなりおいしい状況なのだ。
年により細かな変動はあるのだが、現行ルーテシア インテンスの新車価格はおおむね240万円。それのせいぜい走行数千kmレベルの中古車が、しかも近年のルノーでは希に見るヒット作となった現行ルーテシアが、車両価格140万~150万円あたりでいきなり狙えてしまうのだから、これはもうちょっとした事件である。

ただ、中古車というのは価格だけですべてを語ることはできない。「その車のクオリティ(資質、魅力)と価格の関係はどうなのよ?」という点も見ておかねばならないからだ。極端すぎる話ではあるが、例えばマイナーチェンジ後モデルが、それ以前のモデルと比べてもしも100倍ステキな車になっているのだとしたら、前期型の相場が破滅的に安くなっていない限り「安い!」とは思えない。人にとっての「お値打ち感」というのはそういうものである。 じゃあ、後期型ルーテシアは前期型と比べて果たしてどのぐらい良くなっているのか?

後期型は素晴らしい。でも前期型だって素晴らしいんです!
前述のたとえ話と違って実際は「何倍」「何%増し」というように定量化することはできないが、確かに後期ルーテシアはなかなか良くなっている。具体的には1.2L直噴ターボエンジンの改良により、最高出力はわずかに下がったものの最大トルクは1.5kg-m向上。さらに6速DCTのギア比を見直すことで、より運転しやすい特性に変わっている(具体的には1~3速のギア比を低く、4~6速を高くしている)。またその他、アイドリングストップ機能なども追加された。
要するに「何らかのもの凄いマイナーチェンジが行われた」というよりも、「ドライバビリティの向上を目指した少変更が行われました」というのが今回のマイナーチェンジの実態だ。
もちろん、それでもマイナーチェンジ後のルーテシアは前期型と比べてかなり運転しやすく、そして体感的速度もグッと向上している。それゆえ、もしもお金に糸目をつけずに選ぶのであれば、当然ではあるが後期型を選んだ方が明らかに満足度は高いだろう。
ただ、そこに「100万円ぐらいの価格差」があったとき、それでも「後期型を選んだ方が明らかに満足度は高い」と言いきれるかどうかは謎である。このあたりは人それぞれの価値観や懐事情によって変わるので何とも言えないが、少なくとも筆者なら「100万円ぐらい安い方の中古車でいいよ。そっちでもう性能的にも十分以上だよ!」と判断するだろう。
そう。現行ルーテシア インテンスの前期モデルは、それ単体で見れば文句をつけたい箇所などほとんど見当たらない、素晴らしすぎるBセグメントだったのだ。たまたま(?)後期型が登場したせいで相対的にその価値というか序列みたいなものが少しだけ下がってしまったが、前期ルーテシアはここ数年の間に登場した欧州Bセグメントのなかでは「珠玉!」といってもまったく大げさではない名作コンパクトだ。
その走行数千kmレベルの物件が、もしも新車価格よりも大幅に安く狙えるのであれば筆者としては選ばない理由がないし、またカーセンサーEDGE.net読者諸兄にオススメしない理由もないのである。

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