「国産ミニバンだけは乗りたくない」という人へ ゴルフトゥーランという処方箋
2016/03/22
旧型フォルクスワーゲン ゴルフトゥーランなら「ミニバン生活」も怖くない!
家族構成やライフスタイルの変化により、いわゆるミニバンがどうしても必要になるタイミングというのがあります。そんなとき、売れ筋の国産ミニバンをフツーに選べれば話は早いのですが、世の中には「国産ミニバンだけはどうしても買う気になれない……」「とはいえ300万円も400万円も出して輸入ミニバンを買うわけにもいかない……」という人も少なからずいるものです。
そんな場合はどうすればいいのか? という問いに対する一つの解答が、ずばり「旧型フォルクスワーゲン ゴルフトゥーランの中期型を選ぶこと」です。
ゴルフトゥーランというのは同じフォルクスワーゲンのゴルフをベースに作られた3列シートのミニバンですが、新車のほうは今年1月に12年ぶりのフルモデルチェンジを受けました。で、その影響で旧型のゴルフトゥーランがとってもお買い得になっているのです。具体的には、車両価格100万円以内ぐらいで好条件な1台が探せるはずです。
では、約12年の長きにわたり販売された旧型ゴルフトゥーランのなかでも、なぜ「中期型」がとりわけ今オススメなのか、順を追ってご説明しましょう。
旧型ゴルフトゥーランという車はざっくり3つの世代に分けることができます。一つは、04年2月から07年2月までの通称前期型。こちらはなかなかステキなルックスで、中古車相場も約30万円からと大変お手頃なのですが、オススメかと言われるとやや微妙です。
というのも、年式的に今や若干古いというのもありますが、それ以上に「エンジンがTSIではない」というのが大きい。TSIエンジンというのは今流行のダウンサイジング・ターボエンジンで、ゴルフトゥーランの場合は排気量1.4Lの小排気量ガソリンエンジンをターボとスーパーチャージャーの2つで加給していました。で、それが動力性能的にも燃費性能的にもホント素晴らしいんです。が、前期型のエンジンはそれではない……ということで、イチオシとは言い難い存在なんです。
次の世代が07年3月から10年12月の通称中期型で、ここでのイチオシです。こちらはフロントフェイスなどが若干変更されるとともに、エンジンが前述の「TSI」に刷新されました。で、トランスミッションも高効率なDSG(デュアル・クラッチ・トランスミッション)になっています。それら改良の結果、ミニバンの枠を超えた素晴らしい動力性能を発揮すると同時に、環境にもオサイフにもやさしい燃費性能を手に入れたのです。それでいて中古車相場は、比較的走行距離が少ない物件であってもおおむね110万円以下で探すことができる……ということで、中古の輸入ミニバンを手頃な予算で探している人にはオススメしないわけにはいかない逸材なのです。
「でも中期型ってことは、その次の後期型のほうがもっといいんじゃない?」という声もあるでしょう。11年1月から15年12月の後期型は、細かい部分をリファインさせるとともに外観を大幅変更。それによりかなりイイ感じでステキなビジュアルのミニバンに生まれ変わりました。予算に糸目をつけないのであれば、後期型のほうが確かにいいかもしれません。
でも当然ながら後期型は若干高く、支払総額でおおむね150万~330万円あたり。……ここまでの金額になると「じゃあいっそのことフルモデルチェンジされた新車のほうが」という気持ちにもなってしまいます。いい車なんですが、中古車としてオススメかと言われるとちょっと微妙なのです。
ミニバンというのはここ日本が本場ですから、輸入ミニバンを選ぼうとすると選択肢はそもそもやや少ないのですが、そんななかでもゴルフトゥーランは最強レベルの存在であり、特に中期型はコスパ的に最強です。シートアレンジの容易さなどについては国産ミニバンに一日の長がありますが、こと走りの確かさに関しては「こ、これが本当にミニバンの走りなのか?」「こんなに速いのにエンジンはホント1.4Lなのか? 何かの間違いじゃないのか?」と驚愕すること間違いなしです。
シルバーの微妙なフレームが付いた中期型の顔つきは賛否両論ですが、実物を見れば、写真から感じるような違和感はありません。まとまった、いいデザインだと感じることでしょう。ということで家族のためにも、そして何よりもドライバーであるあなたのためにも、100万円ほどで狙える旧型ゴルフトゥーランの中期型、ぜひご注目ください。
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