日本車でFFの駆動方式を初採用したのはスズキ スズライトSS!FF車の歴史を振り返る
カテゴリー: クルマ
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2015/09/25
技術の進化で現在では大型車も採用
車のカタログやカーセンサーの試乗ページを見ているとスペック情報の「駆動方式」と書かれた部分に「FF」「FR」「4WD」などの記号が書かれています。これってどういう意味か分かりますか?
これは文字どおり、その車がどうやって動いているか(=駆動)を記載しています。4WDは「Four-Wheel Drive」の略で(「All Wheel Drive」とも呼ばれます)、四輪すべてを動かしていることを表します。車に詳しくない人でも「ヨンク」という言葉は聞いたことがあるはず。ヨンクとは四輪駆動の略なんですね。
ここで駆動方式に書かれる略語を紹介しましょう。
●FF:Front-engine Front-driveの略。エンジンが前方にあり、前輪を駆動します。
●FR:Front-engine Rear-driveの略。エンジンが前方にあり、後輪を駆動します。
●MR:Midship-engine Rear-driveの略。エンジンを前後の車軸の内側に積み、後輪を駆動します。
●RR:Rear-engine Rear-driveの略。エンジンを後方に積み、後輪を駆動します。
2015年4月に発売開始となったホンダの軽オープンスポーツ、S660は駆動方式がMRであることが話題となっています。しかし4WDを除くと、国産車はほとんどがFFまたはFRです。
FFは駆動と操舵(ハンドル操作)を前輪が一手に担うため、前輪への負担が大きいと言われますが、一方で後輪を駆動させるためのパーツがいらないので室内が広くなる、製造コストを抑えられるなどのメリットがあります。
FFは自動車史の初期から作られていましたが、日本の自動車史を見ると最初はFRが主流でした。日本で初めてFF方式を採用したのは1955年に登場したスズキ スズライトSS。日本初の4人乗り可能な本格的軽四輪自動車でもありました。
スズライト登場後も日本車ではFRが主流。またスバル 360(1958年)、三菱 500(1960年)マツダ キャロル360(1962年)などはRRの駆動方式を採用しました。一方、スズキは軽自動車のフロンテ(1962年)、小型車のフロンテ800(1965年)をFFで生産。ただ、フロンテは2代目以降はRRへと駆動方式を変更しました。
スズキ以外のメーカーがFF方式を採用するのは1965年以降になります。ホンダはN-ONEのモチーフにもなっているN360(1967年)でFFを初採用、日産は1970年発表のチェリー、トヨタは1978年登場のターセル/コルサでFFを初採用しました。
当初は小型車が多かったFFですが、だんだんと大型モデルでも採用されるように。1985年にはトヨタ クラウンや日産 セドリックと同クラスとなる初代ホンダ レジェンドがFFで登場しました。
室内を広くできる一方で、アンダーステアになりやすいなどのデメリットもあったFF。しかし多くのメーカーは技術力でそれを克服し、現在ではミニバンやSUVなど幅広いモデルで採用されています。あなたの愛車はいかがですか?