▲今レクサス IS、BMW 3シリーズ、アウディ A4の旧型が狙い目! ▲今レクサス IS、BMW 3シリーズ、アウディ A4の旧型が狙い目!

かつての高級コンパクトセダンに買い時到来!?

一般的に、中古車は新車時登録から時間が経てば経つほど安くなります。ただ、もう少し待てば安くなるという状況がしばらく続くという点では、いつのタイミングで購入すればよいのか迷いが生じるところでもあります。「欲しい!」と思ったときが買い時なのは当然ですが、今回ご紹介するかつての高級コンパクトセダンは、中古車として今がいちばんオイシイ時期かもしれません。

「かつて」と呼ぶのは現行モデルではないからというだけで、純粋に車の性能を評価するならば同価格帯の新車と比較しても性能的に劣る部分はほとんどないと思います。コンパクトながら世界に名だたるハイブランドのセダンゆえに、今でも「さすが!」と言わしめる質感の高さと優れた走行性能を有しています。

具体的にいうと、レクサス IS、BMW 3シリーズ、アウディ A4の旧型が予算100万円台でも購入圏内。総額100万円以下の物件もございます。移動手段として、これほど贅沢な選択肢もなかなかありませんよ!

それぞれ異なる魅力を持ちつつも実力は健在

まずは旧型ISのご説明をいたします。しっとりと路面をつかむ走りはほどほどにスポーティながら、レクサスが高級車ブランドであることを感じさせる静粛性と快適性も備えています。内装も精緻な雰囲気とレクサスならではのデザイン性が随所に反映されています。

2.5Lと3.5LのV6エンジンが用意されていますが、面白いことにどちらのモデルでも中古車相場に差がないばかりか、新車時価格が高かった3.5Lモデルの方が安いケースも見受けられます。これは他車でも散見される現象で、中古車ユーザーが大排気量エンジンを敬遠しがちなことを示しています。

中古車相場は需要と供給ですから、供給量があって需要が少なければ相場は下がります。排気量が大きいと税金面、燃費で不利になることは否めませんが、「せっかく高級車に乗るならパワフルな方を選ぶ」と考える場合はこの傾向はプラスに作用するでしょう。

▲「Lフィネス」と呼ばれるレクサスならではのデザインコンセプトに基づいた滑らかなラインは、内外装で用いられています ▲「Lフィネス」と呼ばれるレクサスならではのデザインコンセプトに基づいた滑らかなラインは、内外装で用いられています

続いて旧型3シリーズ。世界の自動車メーカーがお手本にするほどのスポーティセダンでした。前後重量配分50:50、アクセルの踏み込み量への素直な反応、適度に引き締まってステアリング操作に忠実な足回りなどなど、その走りの良さは枚挙にいとまがありません。BMWの「駆け抜ける歓び」というキャッチフレーズを見事に体現していると思います。

▲コンパクトスポーティセダンのお手本のような存在で、実用的なセダンながらドライバーズカーに仕上がっています ▲コンパクトスポーティセダンのお手本のような存在で、実用的なセダンながらドライバーズカーに仕上がっています

最後に旧型A4。言うなれば「芯の強い中性的な車」。内外装は男性っぽくも女性っぽくもなく、精緻な雰囲気が漂っています。しかし、それが押しつけがましくなくスタイリッシュ。ちょっと硬めの足回りは、ひとたび高速走行するとその良さが伝わってきます。

▲BMWやM・ベンツのいいとこ取りをしたかのような、新しい高級車の価値を打ち出しているのが昨今のアウディです ▲BMWやM・ベンツのいいとこ取りをしたかのような、新しい高級車の価値を打ち出しているのが昨今のアウディです

上記3モデルのカーセンサーでの掲載台数と平均車両価格/平均走行距離は下記のとおりです。

■旧型IS(449台):約162万円/約5万2000km
■旧型3シリーズ(730台):約131万円/約4万5000km
■旧型A4(58台):約95万円/約5万1000km
※2015年8月15日現在

車両価格のボリュームゾーンは、旧型ISが120万~190万円、旧型3シリーズが70万~140万円、旧型A4が70万~100万円。物件を見ると、旧型ISが総額90万円台から、旧型3シリーズが総額70万円台から、旧型A4が総額60万円台から狙うことができます。価格だけを見ると旧型A4が最もお手頃ですが、旧型3シリーズがタマ数が多い分お求めやすくなっています。

中古車市場での状況は三車三様といったところですが、いずれも魅力的な1台であることは同様です。旧型とはいえ、高級感も走行性能もまだまだ健在な今のうちに狙ってみてはいかがでしょうか?

text/古賀貴司(自動車王国)