【オンリーワンを探せ】かつての迷車は現在の珍車!
カテゴリー: クルマ
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2012/10/09
原稿執筆時点でカーセンサーnetにたった1台だけ掲載されている希少車を紹介するこの企画。今回、2012年10月1日に発見したのは「日産 ローレルスピリット」の最終型です。80年代後半、小さな高級車というコンセプトで「ローレルの魂/精神(スピリット)を受け継いでいる」ので、このような名前が付けられました。しかし、厳しく言えば、ローレルスピリットは当時のサニーをベースにエクステリア、インテリアをちょっとイジった車。名車ではなく“迷車”として一般的には知られています。当時の日産の、複数あるディーラー網への車両ラインナップ強化のための一車種だったようです・・・。
まぁ、そんなネガティブな側面はさておき、22年前のこの車、写真からうかがえる状態の良さからネオクラシックカーとしての価値を見出すことができます。ワンオーナー、記録簿付き、日焼けしていないシートから屋内保管されていたことが推測できます。中古車相場は面白いもので、新車時から20年ほどは下落一辺倒ですが、それ以降は“存在しているだけで価値がある”と見なされる傾向があります。17万円がローレルスピリットの現在価値ですが、今後はこのような状態の良い車両はなかなか出ないでしょう。たった17万円で差別化を図れて、良くも悪くも日産の歴史を手にできるんです。
最近では見かけなくなった直線基調の内外装、ただただ軽いパワーステアリグ、カセットプレイヤー付きステレオなどから、国産車の進化度合、そして技術の進歩を感じられることでしょう。たとえ古い車であっても移動手段としての役割は十分こなしますし、セカンドカーとしてもユニークな選択肢になると思います。そして、何よりもタイムマシンに乗ったかのようなノスタルジーに浸れる魅力があります。個人的には、ステレオのメタルテープのモードスイッチを見て萌えてしまいました(笑)。
17万円でもっと新しめの人気車を買うこともできるでしょうが、あえて“ハズし”の選択をするのも面白いと思います。ローレルスピリットを街中で見かけることは、もはや非常に少ないでしょうし、たとえデビュー時に迷車だったとしても、今では珍車で愛おしくさえ思える車です。ノスタルジックカーとして17万円は安いですし、実用車としての17万円も文句ありません!
Text/古賀貴司(自動車王国)