差別化を容易に図ることができる車たち

「個性派」の解釈には様々な観点があるかとは思いますが、“もう二度と市場に出てこないだろう”、“思い起こせばすごい車だった”、“存在感たっぷり”という車を独断と偏見で選んでみました。なかには予算150万円を大幅に下回る車もありますが、リフレッシュ整備を施す前提でお考えいただければ幸いです。気になる車は中古車カタログや物件をチェックしてみてください。同じ150万円以内の選択肢でも、かなりとがったカーライフを満喫できるでしょう。

第10位は日産 インフィニティQ45(絶版)。これほど「和」を意識した車も珍しかったでしょう。今の世界的な“日本ブーム”を先取りしたような車です。個人的にはフロントグリルが付いていない前期型のほうが、日本特有の“遠慮”を表しているかのようで好みです。絶版になってから久しいので、程度の良い車両はどんどん減っていると思います。程度と価格のバランスを見て、ある程度のレストアを施す前提で購入してほしいです。もちろん、予算内で収まります!

第9位はキャデラック コンコース(絶版)。古き良きアメ車の要素がすべて詰まった天然記念物級の車です。デカかろう、良かろう、に加えて一応、燃費も意識したようですが・・・、今となっては考慮に値するようなレベルではないかもしれません(笑)。ただ、毎日の通勤、通学に使わないのであれば、スーパーカーを保有していると思えば良いだけです。ゆったりとしたシートや走りは、当時のアメリカ人が考えた高級感で非日常感たっぷり!一度は味わっておきたいです。

第8位は三菱 プラウディア(絶版)。当時としては画期的だった大排気量の直噴エンジンは、振動が上手く抑えられていて他社を驚かせたものです。三菱がかつてラインナップしていたフルサイズの高級セダン、今となっては歴史の1ページと化しています。時間が経てば歴史的価値が見出されるのではないか、と密かに思っています。韓国ではしばらく現代自動車の最高級モデルとしてライセンス生産(?)されていたようですが、もはやそれも終了。狙うなら今のうちです。

第7位はトヨタセンチュリー(現行)。現行モデルのトヨタ最高級車でありながら、生産スパンの長さから予算150万円以内でも狙えるんです。日本が誇る唯一のV12エンジンを搭載し、トヨタと関連部品メーカーの“マイスター”たちが揃いに揃って生み出される車は新車時価格をもってしても割安と判断できるでしょう。後席に座る人のことを最優先に考えられた車で、“おもてなし”度は世界最高峰です。グローバルスタンダードを無視した、日本流最高級は買いです。

第6位はVWボーラ(絶版)。ボーラ自体、質実剛健セダンだと常日頃、言い続けています。しかし、オススメする「V6 4モーション」は別物です。VWやアウディのラインナップにおけるヒエラルキーを意識したパワーに抑えられていますが、端的に言うなら「羊の皮を被った狼」。当時のアウディS4のパワートレーンからターボを抜いたようなパッケージで、驚くほどの不良に仕上がっています。値段もこなれてきているので、軽くリフレッシュできる予算は残ると思います。

Report/古賀貴司