すべてがハイレベルなコンパクトカーのベンチマーク

今回ご紹介するのがホンダのフィットと聞いて、「オイオイ、そんな人気車がおいしいわけねぇだろ?」なんて思われた方も多いと思います。ボク自身も実はそう思っていたのですが、最近は50万円以下の中古車も出てくるようになってきました。

コンパクトカーの代名詞とも言えるフィット(現行型)が登場したのは、2007年の10月。初代の大ヒットを受けてとあって、2代目はかなり注目されましたが、結果はこれまた大ヒット。2008年の新車販売台数では、カローラを抑え堂々のトップを獲得しています。
  • ホンダ フィット 外観(フロント)|おいしい中古車
  • ホンダ フィット 外観(リア)|おいしい中古車
↑初代から大きな変化はないが、フロントピラーを前方に配置したスーパーフォワーディングフォルムを採用。空間の広さと走りを感じさせるデザインに(左右)
ではなぜこれほどまでにヒットしたのか。その秘密は、穴がないことに尽きると思います。デザインなどは個人のし好によると思いますが、車の実力を測る上で大切な要素、走り、燃費、居住性、使い勝手などが、どれも非常に高いレベルにあるんです。つまり、不満に感じることが少ないというわけです。

例えば燃費。実は軽自動車のワゴンRよりいいんです。10・15モード燃費では、ワゴンRの23.0km/L(FF、CVT)に対し、フィットは24.0km/L(1.3L、FF、CVT)。排気量は倍近くあるんですけどね。そのほか、センタータンクレイアウトの採用で、居住性や積載性、走りなども大幅に進化しています。

仕事柄、自動車評論家の方々とお話しする機会も多いのですが、「一般の人にオススメするコンパクトカーは?」の質問には、ほとんどの人が「フィット」と口を揃えます。その理由は「完成度の高さ」にあるようで、「どんな人が乗っても満足できる」と車のプロも絶賛するほどの実力をもっています。

それは2007-2008の日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞していることからもおわかりいただけるでしょうが、そんなフィットのエンジンは、1.3Lと1.5Lの2種類。ミッションはFFがCVT、4WDが5ATで、スポーティグレードのRSのみ5MTを選択することができます。
  • ホンダ フィット インパネ|おいしい中古車
  • ホンダ フィット インテリア|おいしい中古車
  • ホンダ フィット シートアレンジ|おいしい中古車
↑メーターは常時発光式を採用し、優れた視認性を実現(左) 後席は幅を20mm、奥行きを15mm、クッション厚を10mm拡大し、シートアレンジも豊富(中右)

修なし走行5.5万kmの1.3Gが46.7万円!

さて、そんなホンダのドル箱フィットですから、中古車相場はさぞかし高値かと思いきや、ここにきてずいぶん下がってきました。初回車検の買い替え需要でもないので、単なる在庫のダブつきかもしれませんが、理由なんて我々にとってはどうでもいいこと。安いなら絶対買いの一台ですからね。

ちなみに最安値の中古車は、ついに50万円以下に突入。走行5.5万kmで修復歴なしの1.3Gが、46.7万円です。この辺りの価格帯では修復歴車がかなり多いのですが、なかには走行2.2万km、修復歴なしで59.8万円なんて物件も存在します。まだ登場から3年未満ということで、もし大きな故障などがあってもギリギリ新車保証でまかなえる今、フィットはかなり狙い目だと思いますよ!

Text/金子剛士