インスパイアは実はエコだった

みなさんはホンダというメーカーに対してどんなイメージをおもちでしょうか? 普通の人ならミニバンやコンパクト、車好きならタイプRなどに代表される走りのイメージではないでしょうか。なのでなかなかセダンのイメージはわかないかもしれませんが、実はいいセダンを作っていて、しかもかなり安いんです。

そのセダンとは現行型のインスパイア。2007年の12月に、フラッグシップのレジェンドよりも大きいサイズで登場しました。当時は「おいおいどっちがフラッグシップだよ」とツッコミを入れたくなったもんですが、そのボディに負けないくらいクオリティも高いんです。
  • ホンダ インスパイア 外観(フロント)|おいしい中古車
  • ホンダ インスパイア 外観(リア)|おいしい中古車
↑フロント/リアともに大胆なデザインで、街中ではかなり目立つ。全体的にどっしりしたイメージながらも、張り出したフェンダーなどで走りの力強さも演出(左右)
エンジンは新開発V6の3.5Lなんですが、このエンジンがまたスゴイ。メカ好きには垂涎ものの可変シリンダーシステム(VCM)を備えているんです。これはどんな仕組みかというと、エンジンはV6なので、本来は6気筒。しかし、状況に応じて3気筒になったり4気筒になったりするシステムなんです。

発進・加速時には6気筒、クルーズ時には3気筒、高速域での加速時は4気筒といったように。これは燃費にも大きく影響していて、3.5Lエンジンながら、10・15モード燃費は9.8km/Lとなかなかの低燃費を実現させています。あ、今「たいしたことねぇな」と思った方、そう思うのはちょっと早いんです。この車、ガソリンがレギュラー仕様なんですよ。

3.5Lクラスのセダンとしては唯一のレギュラー仕様で、財布にも優しい、それでいて、最高出力は280ps、最大トルクは34.9kg-mですからね。地球にも財布にも優しいのに、性能は十分というよくできたエンジンなんです。ちなみにミッションは全車5ATが装備されています。
  • ホンダ インスパイア インパネ|おいしい中古車
  • ホンダ インスパイア シート|おいしい中古車
  • ホンダ インスパイア ラゲージ|おいしい中古車
↑インパネは左右へ弧を描きながら広がる横基調のデザイン(左) ボディの拡大で車内はゆとりたっぷり(中) トランク容量は510Lで、トランクスルーも可能(右)

半額近い物件も登場!

さて、そんな先進技術がふんだんに盛り込まれたインスパイアなんですが、冒頭のイメージの問題もあるのか、あまり売れていません。つまり、中古車ではかなり狙い目というわけです。

例えば、修復歴こそありますが、走行3.3万kmの3.5TL。これが169万円で売られています。新車価格は330万円なので、約半額。しかも、物件をよく見てみると、純正のHDDナビやバックモニター、ETCまで付いてるんです。これらの金額も考えれば余裕で半額以下。そう考えるとかなり狙い目といえそうです。

エコというとどうしてもハイブリッドカーばかりに目が行きがちですが、実はインスパイアのようなアプローチの仕方もあるのです。これでもかというハイブリッドカー信奉に嫌気がさしていたというみなさん、ここらでちょっと違ったエコへのアプローチなんていかがでしょう?

Text/金子剛士