スズキ パレット VS ダイハツ タント PART5:フル乗車対決
2008/04/24
PART5 フル乗車対決
スズキ パレット
ダイハツ タント
パレットの座り心地はなかなか。特に後部座席は◎
今回のパレット、タントで両車ともに言えるのは、後席のスペース的な余裕は「さずが!」ということ。天井の高さ、サイドウインドの立ちかたなど、空間をいささかもイジめない作りなのは、涙ぐましいほどだ。居住性に関しては、今回の試乗でも2車ともおおむね好評だった。まずパレットの後席では「普通」とのコメント。補足すれば、軽自動車ながらまずまず快適、問題なし・・・ということだろう。「クッションの厚みもあるほう」との評価も。「普通」と言った同コメンテーターはスペースも「広い」とシンプルに評価している。確かに、前席を一番後ろにスライドさせた状態でも「ヒザ前にコブシ一つ半の余裕がある」とのこと。長身の同乗者で、足を伸ばして座れるほどでもある。
他方で前席のシート幅をはじめとしたサイズがやや小ぶり。長身のテスターが助手席でヘッドレストの高さを合わせようとしたら、ステーが短くヘッドレストがシートから抜けてしまった。ただし「意外と身体がすっぽり包まれた着座感」というから、サイズの小ささは惜しい。スペースも大人が座ると「一般的な人でもドリンクホルダーにヒザが当たるかも」の印象。
またスイフト以降のスズキ車は、インパネ回りの仕上げが画期的に向上。「質感が良い」と同乗者にもそれはわかったようだ。
乗り心地は「ブワンとせず長距離もいけそう」。着座高の影響か、後席から前方を眺めた場合「フロントガラスの上端が下がって圧迫感があるようにも見える」とのコメントもあった。ドライバーから見て、同乗者の頭が揺さぶられるふうではなく、乗り味は快適そうだった。
パレットはノンターボの試乗車ながら、エンジン性能も評判は良かった。「ワーッと騒々しく加速する感じではない」など。
室内に入ってくる音が大きくやや快適性を損なってしまったタント
片やタントのほうは、前席で「グローブボックスがかなり下まであり、足先が入らない」のコメント。シートスライドは十分だが、前席のスペースはそれなりの狭さ感がある。また助手席側がピラーレス(Bピラーがスライドドア一体型)になっているのがウリ。そのため助手席ではシートベルトアンカーがシート一体(内蔵)になり、長身だと「ベルトに肩が押さえつけられる感覚が強い」とのこと。後席では「音が凄い」のコメントがあった。パレットに対し、室内に入ってくるエンジン音が勇ましいという意味だ。またパレットより後席の乗り味はやや粗そう。「上下にも揺れるし、コーナーでロールすると左右に身体がズレる」との声があがった。
動力性能も、発進初期こそエンジン音が高まるも、その後の加速感などはあるので「音はするが“大丈夫かよ、オイ”ってほどではない」の印象。ドライバーには、フル乗車時と1名乗車時との差(前後輪の接地感の違い)が実感されたものの、力強さには不満を感じなかった。
今回のまとめ
軽自動車は一般的にシートが小さく長時間ドライブは苦手なものだが、パレットはシートサイズこそ大きくないが座面に厚みがあり、1クラス上のレベルを達成しているのが印象的だった。ということで、この勝負はパレットの勝ち!次回予告
ママが使うときには?両車の使い勝手に迫る
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今回のテスト車両
スズキ パレット | |
---|---|
テスト車両 | 660X(2WD) 123.9万円 |
駆動方式 | 2WD |
トランスミッション | 4AT |
全長×全幅×全高(mm) | 3395×1475×1735 |
ホイールベース(mm) | 2400 |
車両重量(kg) | 910 |
最小回転半径(m) | 4.2 |
乗車定員(人) | 4 |
エンジン種類 | 直3DOHC |
総排気量(cc) | 658 |
最高出力[kW(ps)rpm] | 40(54)/6500 |
最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] | 63(6.4)/3500 |
使用燃料 | 無鉛レギュラー |
燃料タンク容量 | 30L |
10・15モード燃費 (km/L) |
20.0 |
タイヤサイズ | 165/55R14 |
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スズキ パレット VS ダイハツ タント PART5:フル乗車対決/旬ネタ
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