フォルクスワーゲン ゴルフ VS シトロエン C4 PART.3 居住性&使い勝手編
2009/06/18
フォルクスワーゲン ゴルフ 居住性&使い勝手
主要諸元のグレード:TSIコンフォートライン | |||||
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ボディサイズ [mm] |
ミッション | エンジン種類 | 最高出力 [ps] |
最大トルク [kg-m] |
10・15モード燃費 (km/L) |
4210×1790×1485 | 7AT | 直4DOHC+ターボ | 122 | 20.4 | 16.8 |
細かな部分に手が加えられ、より質感や使い勝手が向上
新型ゴルフの室内は、先代のオーナーでなければエクステリア以上に“変わり映えしない”と印象をもつかもしれない。が、つぶさに観察していくと、随分違いがある。たとえばインパネのアッパーフェイシア(つまりガワ、だ)は、硬い樹脂から指で押すと凹むほどの柔らかい素材に改められた。コレはやや冷たい印象のあった先代より、文字どおり柔らかな印象を受け、質感も高く感じる。また、柔らかな素材だから音の反射が減り、室内の静粛性の高さにも貢献しているはずだ。
メーターはアッシー(部品のユニット)が変わり、スピード/タコメーターの間に表示部があるアウディ方式に。が、そのほかの操作系はシフトレバーなど先代と共通だし、ステアリングもスポークにスイッチが増設されたものの、先代のそれと基本は同じパーツのはず。シートも骨格は新旧で同じだろうし、前席シートベルトアンカー部など、まったく変わっていない。“無駄に変えない精神”が息づいている。
シートは、前席は身体全体をすっぽりと受け止めてくれる。後席は前席よりクッションがややソフトで心地よく、スペースはもちろん不満なしだ。
ラゲージスペースは、実はカタログに写真が1枚も掲載されていないほど(先代も同様。自慢する気もないのだろうか!? )だが、深く、四角い、初代以来の美点は今も健在。トノカバー裏の起毛風処理を含めフルトリム化され、載せた荷物を傷める心配もない。
それと新型ゴルフでは、バックカメラが必要時のみリアのVWマークがカパッ!! と開き姿を現す仕掛け。実はリポーターは昔からこれを自作したかったのだが、よって先を越された(!?)と思いつつも絶賛したいアイテムの一つに挙げておきたい。
なお車庫入れ、縦列駐車は、リバース時にミラーが下を向くなどの機能もあり、視界、取り回しは問題なし。低速でのクラッチの断続にやや気を使うのは気になった。
シトロエン C4 居住性&使い勝手
主要諸元のグレード:1.6T エクスクルーシブ | |||||
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ボディサイズ [mm] |
ミッション | エンジン種類 | 最高出力 [ps] |
最大トルク [kg-m] |
10・15モード燃費 (km/L) |
4295×1775×1480 | 4AT | 直4DOHC+ターボ | 140 | 24.5 | 10.5/td> |
高級サルーンに負けない雰囲気をもったインテリアが魅力
シトロエン C4のインテリアは、実はどんな高級サルーンにも負けないくらい、ウットリとさせられる空気をもっている。それはマイナーチェンジを受けた最新型でも同じ。というか、基本的に従来型から引き続き、こだわりの室内空間が構築されている。
インパネ中央に置かれるモダンな家具のミニチュアのような透過式メーターも健在。表示系では、従来ステアリングコラム部にあったバー表示式のタコメーターが、メーターパネル部に移設されたのが新しい。ただし右ハンドルのせいか、円状の新しいタコメーターは遠く小さいので、視認性は決して良くはない。丸みを帯びた独特の書体のデジタル式スピードメーターは変わらず、大きく見やすい。
室内スペースは前後ともに不満はまったくない。ただしリアシートは、クッションが意外と硬い印象もある。
ラゲージスペースは強敵ゴルフにもヒケをとらない容量を確保している。リアゲートの開口部形状はルーフ部まで大きく回り込んで開くので、アクセスしやすく扱いやすい。ただし空荷状態でスペースをのぞくと、後席背面と床の境目あたりに室内側のカーペットの端が不規則に見えていたり…と、ややラフな作りなのはゴルフに一歩譲るところだ。
車庫入れ、駐車も元来、視界の広い車だけにやりやすいものだった。ブザーで障害物の接近を知らせてくれるパーキングアシストも有効だが、リア側は対象と約30cm程度で最大級の警告音を発していたが、ややマージンのとりすぎか。ポッポッ、ポーとブザー自体は耳に心地よい音質で鳴る。
ダンボール積載数 | ラゲージ通常時 | ラゲージ最大時 |
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フォルクスワーゲン ゴルフ | 3コ | 12コ |
シトロエン C4 | 3コ | 12コ |
欧州車では確かルノーもそうだったが、2ペダル車でアクセルと同時に“左足ブレーキ”を実行すると、アクセルが絞られる制御が入る場合がある。どうやらゴルフのDSGもそうなっているようで、人によりこのことが低速時の扱いで気になる場合もありそうだ。が、人や荷物を乗せる(載せる)道具として、ゴルフは相変わらず第一級の出来だ。質感の高さまで含めると、相当な説得力がある。
居住性 | 使い勝手 | |
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フォルクスワーゲン ゴルフ | 5点 | 5点 |
シトロエン C4 | 5点 | 4点 |
次回はこれまでの結果を踏まえたうえで、VW ゴルフとシトロエン C4の総合評価をするぞ!