プロレーサー&編集長▲ランキングを見た業界のプロたちの反応はいかに!

買いやすくなったと思っているのはみな同じ!? 中古スポーツは超激戦!

カーセンサーnetの中で単一車種ごとに見ると、掲載台数が一番多いのはトヨタ アクア(現行型)で約7300台。多い順に並べると実用車が多いことがよくわかる。一方、スポーツカーで一番多いのがトヨタ 86で約880台だ。

ただ、掲載物件1台当たりへの平均問い合わせ数を見ると、86はアクアのおおよそ3.7倍と、少ない物件を多くの人で取り合う早い者勝ちの様子が見て取れる。

スポーツカーはスピードも速いが、中古スポーツカーは狙っていた物件が消えてゆくスピードも激っ速なのだ。
 

8月20日発売号カーセンサーは「早く決めないと欲しい物件が買えないランキング特集」

トヨタ 86 ▲表紙を飾るトヨタ 86は一体何位なのか!? また今号は各版で86のボディカラーが違う! みなさんのエリアは何色だっただろうか。

スポーツカーは実用性をスポイルしてでも運動性能を高めるための専用パーツが奢られていたり、エンジンがスペシャルだったりするのでコストが高く、新車価格もため息が出るくらい高価になりがち。

加えて、実用性の低さから買える人を選ぶこともあり、新車販売台数もバカ売れとはなりにくく、それに伴い中古車流通量も少ない。

ただ、中古車になると相場は高めではあるものの、決して諦めるような価格ではなくなる。逆に言うと現実的に買えるゾーンに、結構選べるほどのラインナップが揃っているのだ。

そんな現実的な価格になったモデルや、流通量は少ないが今新車で買うよりも確実に安く買える現行型モデル、選んで買うなら今がラストチャンスとなる絶版車を中心に、ユーザーによる熾烈な取り合いが繰り広げられているスポーツモデルを特集しているのが、8月20日発売のカーセンサーだ。

特集では、先に述べた問い合わせ率や広告掲載開始から終了(掲載落ち)しているデータなどを分析して算出した。2019年上半期の「“速”買いしないと狙った物件が買えない可能性が高い」順の、国産スポーツ車“速”買いランキングベスト30を紹介している。
 

ホンダ シビックタイプR ▲2019年上半期 国産スポーツ車“速”買いランキング1位は……

1位は現行型シビックタイプR!

新車価格は450万円と、ひと昔前のシビックを知る諸兄たちからすると「高すぎる!」という声も聞かれるものの、2Lで320psを絞り出すVTECターボエンジンを搭載し、ドイツのニュルブルクリンク北コースでFF車世界最速記録を打ち立てた激っ速モデル(2017年4月記録)。

標準車のシビックと比べても、装着されている専用品の数々と圧倒的なスペックの高さを見れば、バーゲンプライスとも思えてくる1台だ。

中古車流通量は少しずつ増え、現在は30台ほど。このモデルを狙っている人は、現在最も熾烈な物件の取り合いに巻き込まれることになる。

シビックタイプRの速さを手に入れる前に、ぜひ速買いも体験しておこう!

また、特集ではドリキンこと土屋圭市さん、チューニングパーツメーカー直営店のHKSテクニカルファクトリー戸田店の仲さん、ベストカーの飯干編集長、CARトップの加藤編集長、レスポンスの宮崎編集長、ホットバージョンの本田編集長にランキング結果を見てもらい、その感想や彼らがオススメするスポーツカーも聞いている。
 

土屋圭市 ▲土屋圭市さんのスポーツカー論は目からウロコもの。また、何度もお会いしているが、やっぱり見た目も若い! スポーツカーは若さの秘訣なのかもしれない……。さらに特別にAE86ストリート号も見せてもらったがオーラが半端ない。速い車に特別な存在感があるのは間違いないだろう
仲 秀元 ▲HKSテクニカルファクトリー戸田店のピットには、オーラ出まくりの車が並んでいた。スポーツカーやチューニングカーに全く興味ない取材スタッフも思わず見ほれるほどの迫力があった
飯干俊作 ▲ベストカーの飯干編集長は、本人史上最も衝撃を受けたモデルの話をしてくれた。皆さんの想像どおり、やっぱりスポーツカー好きだったぞ
加藤元章 ▲CARトップの加藤編集長は、取材場所にマイカーのスカイラインGT-R(R33型)で登場! 加藤編集長のオススメしてくれたモデルは知る人ぞ知るマニアックな1台だ!
宮崎壮人 ▲レスポンスの宮崎編集長は、意外にも「ほれた車に一途派」だった! スポーツカーに引かれたきっかけや片思いしているモデルへのかたくななこだわりも話してくれた
本田俊也 ▲ホットバージョンの本田編集長は、スポーツカーへの評価がマニアックすぎて一同感心しきり。限界アタックでしかわからない車の本質的な性能についての話が、実に的を射ているのだ

スポーツカーとは「一度は乗っておくべき車」なり

この企画を通して、「スポーツカーには他の車よりも寛容さや奥深さがある」ということを再発見するきっかけになった。

彼らプロたちの意見に共通していたのは「ほんの少しでも興味があるならば、一度でいいのでスポーツカーに乗っておいた方が、絶対に人生が豊かになる」ということ。

つまり「好きだなぁ」「憧れるなぁ」と眺めているだけでなく、手に入れられる情報だけで「あれよりこっちの方が速いっていう記事や情報を見たことがある(オレは知ってるんだ)」という机上の空論で語るのではなく、「ボロボロでもいいから一度は実際にスポーツカーに乗って、それでしか感じられない世界を体験してみてほしい」ということだ。

ゲームやマンガなどをきっかけに、昭和や平成初期のスポーツカーに興味を持っている若者も多いと聞く。また取材中、実際にそれらを買って楽しんでいるユーザーにも出会った。

40、50代で再びスポーツカーに戻ってきたユーザーの若々しい表情も印象的だった。 間違いなく、スポーツカーには他の車にはない何かが絶対にある!!
 

文/編集部 大脇一成、写真/柳田由人、小塚大樹、篠原晃一
大脇一成

編集部 本誌デスク

大脇一成

埼玉県出身。岩手県にある大学の水産学部を卒業。水産会社へ就職し、昼夜問わず活魚や運送会社のドライバーと戦っていたものの、何の因果か気づいたらカーセンサー編集部にたどり着き、現在に至る。初めてのマイカーはホンダ CR-X(EF8)。その後何台か乗り継いできたが、子育て中も5MT+コンパクトハッチで貫き通したミニバン知らずの40代。