ルノーカングー▲自動車・中古車に関する調査・研究を通じ業界の発展を目指すリクルート自動車総研が、調査データと独自の考察をお届け。今回のテーマは「車の収納」

あえて荷室に置きっぱなし! 車が重要な収納スペース化

割合としては少数ですが、車を「置ききれない荷物を一時的にストックしておく空間として使う」という方が存在します。

リクルート自動車総研が行っている『中古車購入実態調査』の下記データを見ると、その数は年々微増。全体ではまだ6.3%にとどまりますが、こと20代においては9.5%となり、極一部の特殊な使い方という範囲は超えているように思えます。

リクルート自動車総研グラフ

また、エリア別の内訳を見ると都市部に住む方は8.8%と全体よりも高い数字に。トランクルーム利用が当たり前の時代ですから、車の荷室を活用してもおかしくはありませんよね。

例えば、キャンプなどのレジャーに頻繁に出かけるようであれば、ある程度ギアは積みっぱなしという方もいらっしゃるのではないでしょうか。他にも、いざというときの非常食やお子さまの着替え、運転時に履き替えるための靴などもよく目にする積みっぱなし荷物の例でしょう。

subaru

車選びは生活スタイルの反映! 家もセットでコストも収納も最適化

先日、愛車がエアコンの不調で2ヵ月ほど修理に出ていた際、カーシェアを頻繁に利用しました。

すると、毎度すべての荷物を持って行き、その後忘れぬようすべて持って帰ることに少しおっくうだと感じることも。

軽バン

大きな荷物に限らず、スマホの充電ケーブルの端子が合わない、Bluetooth接続を毎回行わないといけないなど、ささいなことですが「いつも乗る車」の便利さに改めて気づかされました。

qi ▲ここ数年で車載用としても普及しつつあるワイヤレス給電規格の「Qi(チー)」。車の機能はますます便利になっていく。写真は日産のBEV「アリア」のコンソールに備わるスマホ充電器

防犯的な観点もありますし、たくさん積みすぎると運動性能や燃費を悪化させたりもしますので必ずしもメリットばかりではありません。それでも、自宅と車、つまり間取り+車載量でいろいろ考えてみると生活の便利さが変わるはずです。

Nvan ▲荷室の高さが魅力のホンダ N-VAN。助手席側ピラーレス化によって側面開口部が広く、背の高い荷物でも積むことができる

部屋ごと外に持ち出せる、外出先でのベースキャンプになるなど、荷物を積んだ車を活用することで、楽しさだって変わります。まして、電気を使用する製品となれば今後さらに相性が良くなりますからね。

文/西村泰宏、写真/篠原晃一、スバル、ダイハツ、日産、ホンダ
西村泰宏(にしむらやすひろ)

リクルート自動車総研所長

西村泰宏

カーセンサー統括編集長 兼 リクルート自動車総研所長。自動車メディアを車好きだけでなく、車を購入するすべての人のエンターテインメントに変革すべく日々の仕事に従事している。