ホンダと下水道のただならぬ関係? その実態は意外にもスマートすぎた
カテゴリー: トレンド
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2015/08/05
下水処理の過程で水素を作るホンダの技術
ぴえいる(以下、ぴ):ホンダは下水管を走れる車でも開発したのかな?
編集部 たけだたけし(以下、た):んなわけないでしょうww
ぴ:たけだくんはジュール・ヴェルヌのSFの名作『地底旅行』とかに、ワクワクしないのかい? 『地底旅行』では……。
スペクタクルな妄想を頭の中で展開している私を完璧に無視して、たけだくんは私を7月28日~31日に開かれた「下水道展 ’15東京」に連れていった。そこにホンダが出展しているという。下水道展になぜホンダが出展?
ぴ:地底探検チックな車は見当たらないなぁ。
た:燃料電池車のFCXクラリティがあるだけですね。
ぴ:ちょっと聞いてみよう。あ、すみません。カーセンサーのぴえいるですが、下水道展になぜホンダが出展しているのですか?
ホンダのスマートコミュニティ企画室の山田さん(以下、山):実は下水道と水素ステーションにはちょっとした関係がありまして……。順を追って説明しますね。下水を処理する過程でメタンガスが発生するのですが、そのメタンガスを使って発電をするところが全国にいくつかあるんです。
ぴ:メタンガスの発電所ってことですね。
山:ええ。で、私たちは「スマート水素ステーション」という、水を電気分解することで水素を作り出すステーションを開発しているんですが、発電所のある下水処理施設にこれを置けば、本来捨てるだけだったエネルギー(この場合はメタンガス)をより有効に活用できるんです。
ぴ:水の電気分解! 中学生の理科の実験でやったやった!
た:水素ステーションというと、東京の芝公園にある水素ステーションを思い浮かべるのですが、それと何か違いはあるのですか?
山:一般的な水素ステーションは約200平方メートルの敷地が必要なのに対し、スマート水素ステーションはわずか7.8平方メートルで済みます。またスマート水素ステーションは工場で組み立てて、設置場所に置くだけですから、工事も1日あれば終わるんです。
ぴ:なるほど。簡単に設置できるコンパクトな水素ステーションなら、下水処理施設などに置きやすいですね。
た:しかも、本来捨てるはずのエネルギーを使って車を走らせるというのも、エコですね。
山:全国にある下水処理の発電所だけでなく、ゴミ焼却の余熱を利用した発電所などでも活用できますよ。
た:これなら一気に水素ステーションの数を増やせそうですね。ありがとうございました。
ぴ:本来、敷地を見つけて設備を備えて……と作る水素ステーションを「工場で作る」って発想がホンダらしくていいね。
た:いくら1充填で500km以上走ることも可能だと言っても、全国のガソリンスタンドの数と比べたらまだまだ水素ステーションの数は少なすぎますからね。電気自動車の充電スポットは、日産のHPによるとすでに1万4000基以上もあるそうです。燃料電池車の普及は水素ステーションの普及にかかっていますから、このスマート水素ステーションには期待したいところですね。
ぴ:それにしても燃料電池車は水素と酸素を反応させて電気を作り、その電気でモーターを回すんだろ? でもスマート水素ステーションはその逆、電気を使って水を水素と酸素に分けて、水素を取り出す……って、なんだかエネルギーがいろんな形態にクルクル回っている感じだなぁ。
た:まぁ、今まで無駄になっていたメタンガスやゴミ焼却の余熱が車の動力に生かされるんですから、いいことじゃないですか。ぴえいるさんの、そのお腹の無駄も、何かに活用できるといいんですけどねwww
ぴ:原稿を書くのにつまったとき、これが燃えて脳みそが活発に動くようなシステム、誰か作ってくれないかなぁ (;´Д⊂)