2013年、大幅な業績回復を果たした国内自動車メーカー。しかし、日本自動車工業会(以下JAMA)が発表した数字によると、2013年の国内四輪総需要(乗用車)は、456万2000万台で前年比99.8%と、ほぼ前年と同じ台数だったとのこと。

JAMAでは「年前半は、経済対策や、景気の緩やかな回復による下支えがあったものの、前年に終了した補助金効果の剥落により、前年水準を下回った。年後半は、景気の回復に加え、新型車投入・モデルチェンジ効果や、消費税率の引き上げを控えた駆け込み需要により、市場は前年を上回り、通年では前年並みの水準となった」と分析。

ただしこれは、“国内”での需要。冒頭の業績回復に貢献したのは、好調な北米市場と円安によるもののようだ。そしてリーマンショック後の経営不振の間、地道に重ねてきたコスト削減などの経営改革が成果を見せ始めたのも大きかのだろう。

それでは、今年2014年はどうなるのか。乗用車の国内四輪総需要予測は、408万台で前年比89.0%と2013年を下回ると見込まれている。

JAMAでは、「世界経済の緩やかな回復を背景とする輸出の増加や、企業収益の改善等による設備投資の増加、経済対策による公共投資が景気を下支えするものの、消費税率引き上げによる消費者マインドの低下が懸念される。また、2013年の後半に発生した駆け込み需要の反動減も予想される」と分析。

特に軽自動車は、2013年に新型車の投入やモデルチェンジが多かったため、その効果が徐々に薄れることが考えられ、前年比87%になるといった予想がされている。

JAMAの「自動車需要台数推移」によると、1989年以降、乗用車が最も売れなかったのは、2011年の352万4788台。2014年の予想である408万台は、2011年に次ぐ低水準となる。

ただし、エコノミストなどからは、業績自体は、2013年と同じように、円安の安定とアメリカ景気の回復、コスト削減効果により、業績自体は大きく落ち込むことはないという声も聞かれる。

いずれにしても現段階では消費税増税前の駆け込み需要により新車・中古車ともに売り上げを伸ばしているので、その影響で出回る程度の良い中古車が市場をにぎわしてくれることを期待したい。

1989年以降、乗用車が最も売れたのは、1990年の510万2659台。昨年のモーターショーで話題になったホンダのNSXも1990年デビュー

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売り上げ台数が年々伸びる軽自動車。1989年には乗用車に対して約10倍の差があったが、2013年には約1.7倍の差となっている

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