国土交通省から指針が示され、各社がこぞってコンセプトモデルを発表している超小型モビリティ。軽自動車よりコンパクトで小回りがきき、環境性に優れ、地域の手軽な移動の足となる1~2人乗り程度の車両と位置づけられ、新しい車の形として期待されている。

社会実験として複数の街で検証が行われているなかで、国土交通省関東運輸局は6月14日、日産の「ニューモビリティコンセプト」を全国で始めて公道走行が可能な車両として認定した。

この認定により、安全・環境性能が低下しない一定の条件下で公道走行が可能になり、地方自治体や自動車メーカーなどが積極的に導入できるようになる。さっそく7月からは、UR都市機構が神奈川県及び日産と協力し、横浜及び神奈川市内のUR都市機構の賃貸住宅や団地の巡回管理業務用車両として運行されることが決まっている。

まだ個人レベルで使うことはできないが、それでも一時に比べると相当な規制緩和。この運用により安全性や運行能力などのデータが蓄積されれば、近い将来の全面解禁も視野に入ってくるだろう。

このニュースと前後して話題になったのがトヨタが東京おもちゃショー2013に出展した「Camatte57s(カマッテ ゴジュウナナ エス)」。車が持つ「夢・楽しさ」をより幅広い層に伝えることを目指して、カスタマイズの「手軽さ」と「自由度」を高めることを追及した子供向けのコンセプトカーである。

特徴はボディの外板。小型で軽量な57枚の「着せ替えパネル」で構成されており、ピンで簡単に着脱できるので、ボディカラーやデザインを容易にカスタマイズできる。「前席1、後席2」の三角配列シートの3人乗りで、後ろから親が子供の運転をサポートすることもできる。動力はモーターを使用しており最高速度は40km/hとなかなかのものだ。

狙いとしては、小さな子どもに車の楽しさや夢を持ってもらい、将来の自動車ファンになってもらいたいというところだろうが、モーターで走る3人乗りの小型車は、まさに超小型モビリティそのもの。そう考えると、気分に合わせて外観を変えられる自分専用の超小型モビリティが発売されるのも夢ではないということ。このような遊び心のある提案が、個人への普及にとって一助となるのではないだろうか。

これまでも乗車定員の少ない車としては、2シータースポーツカーなどが存在してきたが、それらは一部の車好きの趣味的な車に留まる。ある程度の数の人を遠くまで快適に運ぶというこれまでの車の概念とは全く異なる、新しいパーソナルな自動車が現実的になって来た。

日産の「ニューモビリティコンセプト」。2人乗りの電気自動車で最高速度は時速80km。すでに欧州で実用化されている「ルノー トゥイジー」と同型車

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トヨタの「Camatte57s」。子供でも運転できるようペダルとシートの位置を子供用に調整できる。親は後席右側からハンドル操作や車両停止を補助できる

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車のボディは57枚のパネルで覆われピンで簡単に脱着できる。気分に合わせて好みの色や柄に着せ替えする楽しみがある

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