スーパーカーブランドの雄「フェラーリ」のどこまでもカスタマーファーストなフルサービス網!【EDGE MOTORSPORTS】
2022/01/18
モータスポーツ部門を2つもつフェラーリ
1950年に始まったF1世界選手権に、これまで継続参戦している唯一のコンストラクター「フェラーリ」。F1に参戦するために市販車を作っている、といわれるほど同社とモータースポーツは密接な関係にある。
そして現在、フェラーリのモータースポーツにおける主な組織は2つある。F1チームを「スクーデリア・フェラーリ」が、それ以外のモータースポーツ活動を「コルセ・クリエンティ」という部門が統括している。
「コルセ・クリエンティ」とは、いわゆるカスタマーレーシングという意味だ。WEC(FIA世界耐久選手権)や国内のSUPER GTなどに参戦するチームへGTカーを販売、サポートなどをしている。2021年シーズンのSUPER GT GT300クラスでも488ベースの「488 GT3」が参戦していた。
また、過去のGTマシンのオーナーを対象に、走行会イベントなどを行う「クラブ・コンペティツィオーニGT」や、FXX、599XX、FXX Kなどのサーキット専用車をオーナーが走行させる「XXプログラム」、歴代のF1マシンを管理、販売し、そのオーナーが自らステアリングを握って走行できるプログラム「F1クリエンティ」といった、エクストリームなサービスを提供しているのもフェラーリならではといえる。
そうした中コルセ・クリエンティが主催する「フェラーリチャレンジ」とは、1993年の348チャレンジから始まった。歴代のV8ミッドシップシリーズをベースとした専用車両の“チャレンジ”で競われるFIA公認のフェラーリ ワンメイクレースで、現在は欧州をはじめ、北米、アジア・パシフィック(APAC)の3地域に加えて、2019年からUKシリーズもスタートしている。
マシンは「348チャレンジ」に始まり、「355チャレンジ」「360チャレンジ」「F430チャレンジ」「458チャレンジ/EVO」「488チャレンジ/EVO」と、進化を続けている。
日本国内では、APACシリーズ内で行われてきたが、コロナ禍にあって数年はレース数も制限を受けている。2022年シリーズは、5月が富士スピードウェイでの開幕。第2戦は6月に鈴鹿サーキットで、第3戦は7月に韓国インターナショナルサーキット、最終戦は8月にマレーシアのセパンで開催予定となっている。
フェラーリチャレンジは、ドライバーの経験とレベルによって、トロフェオ・ピレリAM(優勝経験のあるアマチュア向け)、コッパ・シェル(経験が豊富なセミプロ向け)、コッパ・シェルAM(経験の浅いドライバー向け)の3クラスに分類されている。多くは多忙でスーパーリッチなビジネスマンだけに、マシンの保管、メンテナンス、転戦のためのロジスティックはもちろんのこと、同行する家族のためのVIPラウンジを用意するなど、いわゆるフルサービスが提供されている。
例えば身支度ひとつをとっても、毎戦ドライバーのためにフェラーリのCIに準じた特設ロッカーが用意され、レース後にレーシングスーツやシューズを放り込んでおけば、クリーニングされ次戦のロッカーに整えられているという流れだ。つまり、ドライバーは身ひとつでサーキットへ向かえばいいというわけだ。フェラーリのF1ドライバーになることは極めて難しいが、フェラーリ・チャレンジのドライバーになれる可能性なら、あなたにもある。