▲GW真っ只中のよく晴れた5月3日。茨城県の筑波サーキットのコース1000で行われた第21回日本EVフェスティバル。市販車をEV化したコンバージョンEVによる1時間耐久レース(写真)の他、電気自動車や燃料電池車の試乗会、電気カートレースなど様々なイベントが開催された ▲GW真っ只中のよく晴れた5月3日。茨城県の筑波サーキットのコース1000で行われた第21回日本EVフェスティバル。市販車をEV化したコンバージョンEVによる1時間耐久レース(写真)の他、電気自動車や燃料電池車の試乗会、電気カートレースなど様々なイベントが開催された

ヴィヴィオやプリウスをFRにすることまで可能!

ぴえいる(以下、ぴ):最近、そんなに食べてないのにお腹が出てきてさぁ……
編集部員A(以下、A):老化ですよ、ロ・ウ・カ!
ぴ:ちっ、人をすぐ年寄り扱いしやがって。まだAKBも歌えるし、ナウでヤングな……
A:AKBとか自慢げに歌っている時点で、ちょっと痛いおっさんですよ。そもそも、お腹が出てくるのは、老化で筋肉が衰えて基礎代謝が下がっているからです

「お腹が出てきた」とか「最近ヒザが痛い」という、年を取るにつれて増えがちな会話をAくんとしつつも、Aくんと向かったのは5月3日に行われた「第21回日本EVフェスティバル」だ。ここにトヨタ 800やポルシェ 914などの“電気自動車”が集結しているという。しかも、これら電気自動車だけの1時間耐久レースを筑波サーキットで行うのだ。

ぴえいる(以下、ぴ):軽自動車からポルシェまでたくさんあって、それだけで楽しいね
編集部員A(以下、A):1時間耐久レースにはコンバージョンEV、つまり既存の車を電気自動車に改造した13台がエントリーしているそうですよ。ちょっと覗いてみましょう

▲千葉県自動車総合大学校のスバル ヴィヴィオ。鉛電池を搭載し、本来ヴィヴィオにないFR(前にモーターを置きリアを駆動させる)になっている。FF(前にモーターを置き前を駆動させる)にするとエンジンルームにモーターとミッションが収まりきらないので、4WDをベースに後輪を駆動させることでエンジンルームのスペースを稼いだのだとか ▲千葉県自動車総合大学校のスバル ヴィヴィオ。鉛電池を搭載し、本来ヴィヴィオにないFR(前にモーターを置きリアを駆動させる)になっている。FF(前にモーターを置き前を駆動させる)にするとエンジンルームにモーターとミッションが収まりきらないので、4WDをベースに後輪を駆動させることでエンジンルームのスペースを稼いだのだとか
▲トヨタ東京自動車大学のトヨタ MR-S。こちらも鉛電池を搭載。本来2座のMR-Sをセンター1座に改造し、シート左右に電池を置いている。ここまで改造できたら楽しそうだ ▲トヨタ東京自動車大学のトヨタ MR-S。こちらも鉛電池を搭載。本来2座のMR-Sをセンター1座に改造し、シート左右に電池を置いている。ここまで改造できたら楽しそうだ
▲トヨタ東京自動車大学のトヨタ スポーツ800はリチウムイオン電池を搭載。ベースである「ヨタハチ」の水平対向2気筒エンジン&FRにインスパイアされ、フロントに2つのモーターを水平に対抗させる位置に置いている。その力をディファレンシャルギアで1つにまとめてリアを駆動する ▲トヨタ東京自動車大学のトヨタ スポーツ800はリチウムイオン電池を搭載。ベースである「ヨタハチ」の水平対向2気筒エンジン&FRにインスパイアされ、フロントに2つのモーターを水平に対抗させる位置に置いている。その力をディファレンシャルギアで1つにまとめてリアを駆動する
▲こちらはTeam TAISAN CTSのポルシェ 914(手前)&916(奥)。914は鉛電池を、916はリチウムイオン電池を搭載している。スーパーGT参戦などモータースポーツで有名なタイサンと、中央自動車大学校のコラボによる2台だ。916は、914に当時の911Sのエンジンを載せた貴重な車。ともにベース車と同様に、モーターをシート後ろのミッドに置き、後輪を駆動させる。916は昨年の優勝車両で、タイサンの千葉社長自らがハンドルを握った ▲こちらはTeam TAISAN CTSのポルシェ 914(手前)&916(奥)。914は鉛電池を、916はリチウムイオン電池を搭載している。スーパーGT参戦などモータースポーツで有名なタイサンと、中央自動車大学校のコラボによる2台だ。916は、914に当時の911Sのエンジンを載せた貴重な車。ともにベース車と同様に、モーターをシート後ろのミッドに置き、後輪を駆動させる。916は昨年の優勝車両で、タイサンの千葉社長自らがハンドルを握った
▲千葉県自動車大学校の日産 シルビア。AE86レビンをEV化したことで有名だ。これまではそのAE86で参戦していたのだが、今年は鉛電池だったAE86からリチウムイオン電池を搭載してパワーもアップしたS14シルビアで参戦した ▲千葉県自動車大学校の日産 シルビア。AE86レビンをEV化したことで有名だ。これまではそのAE86で参戦していたのだが、今年は鉛電池だったAE86からリチウムイオン電池を搭載してパワーもアップしたS14シルビアで参戦した
▲リチウムイオン電池を搭載するT.M.WORKSのスズキ ワゴンR。チューニングパーツメーカーのT.M.WORKSがワゴンRをEV化して参戦した。今年で4年目。一見、軽自動車でポルシェやシルビア、トヨタ スポーツ800などに勝てるのかと思うが、レースでは終始トップを走行し見事初優勝! ▲リチウムイオン電池を搭載するT.M.WORKSのスズキ ワゴンR。チューニングパーツメーカーのT.M.WORKSがワゴンRをEV化して参戦した。今年で4年目。一見、軽自動車でポルシェやシルビア、トヨタ スポーツ800などに勝てるのかと思うが、レースでは終始トップを走行し見事初優勝!
▲D1仕様のトヨタ プリウスも展示&デモランで参加した。D1ということは……そう、このプリウス、なんとFRなのだ! 最高出力は400馬力、最大トルクが800N・mもあるので、ミッションはレース用のものを移植。といっても2速、5速、Rの3つぐらいしか使わないのだとか。目下、D1に参戦すべく開発を進めているのだとか ▲D1仕様のトヨタ プリウスも展示&デモランで参加した。D1ということは……そう、このプリウス、なんとFRなのだ! 最高出力は400馬力、最大トルクが800N・mもあるので、ミッションはレース用のものを移植。といっても2速、5速、Rの3つぐらいしか使わないのだとか。目下、D1に参戦すべく開発を進めているのだとか

ぴ:このトヨタ東京自動車大学のトヨタ 800はこだわってるね。なんでもバッテリーに干渉しないように、ステアリングを当時の仕組みであるウォーム式から現在の主流であるラック・アンド・ピニオン式に変えたそうだよ
A:ボディもキレイだなぁって思ったら、学校の板金科の生徒が仕上げてくれたって言ってましたね
ぴ:タイサンのポルシェもすごいね。タイサンの千葉社長に聞いたら、4年前に比べてリチウムイオン電池は半額くらいになっていて、それで去年から鉛に変えてリチウムイオン電池にしたんだって
A:まだ社長が目標としている航続距離1000kmは難しいでしょうが、着実に技術は進歩して、価格は下がっていますね。それも随分と早く。最近は東大や京大がリチウムイオン電池の容量を従来の2倍や3倍にすることに成功しましたし、先日は日産も5年後の2020年には電気自動車の航続距離を従来の2倍の400km以上にすると宣言しましたしね
ぴ:タイサンが鉛からリチウムに載せ替えた例のように、電気自動車はパーツの載せ替えがしやすいところも魅力だなぁ
A:ぴえいるさんも、ブッシュ(膝の軟骨)やモーター(心臓)が載せ替えられたら老化が止まるんですけどねぇwww

text/ぴえいる