3月5日から開催されているジュネーブ国際モーターショーにて、111㎞/Lという驚異的な燃費性能を誇るフォルクスワーゲン XL1の市販モデルが初披露された。発売時期や価格についての正式発表はまだだが、夢のような車の発売が間近に迫っている。

XL1の始まりは2001年にまでさかのぼる。「実用性を備えた100㎞/Lの車を市場に導入する」という目標を掲げ始まった夢のエコカー開発。2009年に発表されたコンセプトカー「L1」では72㎞/Lを達成。2011年には100㎞/Lを達成したコンセプトカー「XL1」が発表された。そしてついに2013年、いよいよ市販モデルの発表となった。

XL1は動力に小型ディーゼルエンジンとモーター、リチウムイオンバッテリーを組み合わせたプラグインハイブリッドを採用。トランスミッションはフォルクスワーゲン独自の7速DSGとし、最高速度160㎞/h、0-100㎞/h加速12.7秒、EVモードで約50㎞の連続走行が可能と十分な実用性を備えている。

素材はカーボンファイバーとアルミを使用し、軽量で高い剛性を誇る。車両重量も約795㎏と軽自動車並み。ボディサイズは全長3888mm、全幅1665mm、全高1153㎜となる。ポルシェやフェラーリなどの本格スポーツカー並みに低い全高が特徴的だ。

XL1は、ゴルフカブリオレやポルシェ ボクスターなども生産するオスナブリュック工場の職人たちの手で作られる予定だという。XL1の生産で採用される革新的な技術は、今後、フォルクスワーゲングループの他の車へも生かされて行く。近い将来、100㎞/Lの車が当たり前に走っている時代が来るのかもしれない。

フォルクスワーゲンのテクノロジーを結集し111㎞/Lを実現したハイブリッドカー XL1。この車で街にくり出せば間違いなく人目を引くだろう

フォルクスワーゲンのテクノロジーを結集し111㎞/Lを実現したハイブリッドカー XL1。この車で街にくり出せば間違いなく人目を引くだろう

事故時の乗員の救出にも注意が払われており、XL1がひっくり返っても、スイングドアを簡単に開けることができる

事故時の乗員の救出にも注意が払われており、XL1がひっくり返っても、スイングドアを簡単に開けることができる

コンセプトカー L1ではタンデムシート(前後)だったが、XL1では、少し前後しているものの左右に並んで座れるシートになっている

コンセプトカー L1ではタンデムシート(前後)だったが、XL1では、少し前後しているものの左右に並んで座れるシートになっている