ハイブリッドシステム搭載のTS030 HYBRIDでテストを開始

TS030 HYBRID|日刊カーセンサー
中嶋、ブルツ、ラピエール|日刊カーセンサー

トヨタ自動車株式会社は、2012年のル・マン24時間耐久レースを含む2012年FIA(国際自動車連盟)世界耐久選手権(以下WEC)に参戦する車両を発表し、フランスでテストを開始しました。

フランスのポールリカールサーキットで公開された車両は、以前お伝えしたニュースどおりハイブリッドシステムを搭載しており、マシン名は「TS030 HYBRID」となっています。これにより、トヨタはハイブリッドシステムを採用してWECに参戦する世界初の自動車メーカーとなります。

TS030 HYBRIDは、3.4Lのレース専用エンジンに日清紡ホールディングスと開発したキャパシタ(蓄電器)を備えたハイブリッドシステムを搭載しています。市販車と同じようにブレーキ時にエネルギーを蓄え、加速時にアシストで使用します。発表後に行ったテストでは、フロントとリアのそれぞれのモーターシステムがレースでどのようなメリットになるかを評価し、改良を進めています。

ドライバーは中嶋一貴選手(写真左)、アレックス・ブルツ選手(写真中央・オーストリア)、ニコラス・ラピエール選手(写真右・フランス)の3名です。ル・マン24時間耐久レースではもう一台のTS030 HYBRIDを走らせる予定で、そのドライバーには石浦宏明選手も候補に挙がっています。ドライバーの中嶋選手は「ハイブリッド技術を携えてのル・マンへのカムバックはトヨタにとっては大きなチャレンジだと思うが、我々ドライバーにとっても大きなチャンスだと思うので、SUPER GTレースでの経験が活かせることを願っている。このプロジェクトに関わることができて最高だ。今シーズンは本当に頑張りたい」 と語っています。

TS030 HYBRIDのデビューは5月に開催されるWEC第2戦のスパ・フランコルシャン6時間耐久レース(ベルギー)となる予定です。

2012年 FIA世界耐久選手権 スケジュール
第1戦 3月17日 セブリング12時間耐久レース(アメリカ)
第2戦 5月5日 スパ・フランコルシャン6時間耐久レース(ベルギー)
第3戦 6月16-17日 ル・マン24時間耐久レース(フランス)
第4戦 8月26日 シルバーストン6時間耐久レース(イギリス)
第5戦 9月15日 サンパウロ6時間耐久レース(ブラジル)
第6戦 9月29日 バーレーン6時間耐久レース(バーレーン)
第7戦 10月14日 フジスピードウェイ6時間耐久レース(静岡県)
第8戦 未定 6時間耐久レース(中国)
※トヨタは第2、3戦の参戦は発表済み。それ以外の予定は追加で発表予定。

トヨタ自動車 2012年のWEC参戦計画を発表
http://ms.toyota.co.jp/jp/news/other/120125_news.html

FIA世界耐久選手権ホームページ(英語)
http://www.fiawec.com/

Text/カーセンサー編集部