東京モーターショー2009|日刊カーセンサー

バブル崩壊で消えた幻のスーパーカー

日産 MID4 II|日刊カーセンサー
時は80年代後半から90年代前半、日本中が「バブル経済」にどっぷりと浸かり、銀行などが世界主要都市の高層ビルや名画を買いあさっていた時代。車に目を転じてみると、いまの軽自動車やコンパクトカー、ハイブリッド車がありがたがられる時代とは真逆の状況であった。

3ナンバー大型専用ボディにV6の大排気量セダンがバンバン売れ、各メーカーともに大排気量のスポーツモデルを数多く世に輩出していた。

三菱GTO、ホンダNSX、ユーノス(マツダ)コスモ、スバルアルシオーネSVXなどなど、およそ今では考えられないような車たちが、コンセプトカーとして華々しくデビューを飾っていた時代である。

そうした中、日産のMID4(写真は後述するMID4のII型)が1985年9月に開催されたフランクフルトショーで世界初公開された。当時は「ショーモデルを兼ねた研究実験車」という位置づけだった。その後、数回のモーターショーで改良モデルが出展されたが、バブル経済崩壊の煽りを受け、ついに市販されることはなかった。

1987年の東京モーターショーで発表されたII型では、それまでのミッドシップ横置きレイアウトから縦置きに、そして塔載エンジンも3.0L NA(自然吸気)からツインターボユニットに変更され、最高出力は330ps/6800rpm、最大トルクは39.0㎏m/3200rpmを発生。

当時としては驚くほどのスペックをもちながら、市販車として日の目を見ることのなかった“幻のスーパーカー”といえるだろう。