高速道路の緊急措置「特別転回」ってナンだ? 【CS探偵団】
カテゴリー: カーライフ
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2008/10/16
■高速道路でUターンした上に無料だったってホント?
数年前にマンガで読んで以来、ずっと気になっていた“特別転回”。なんのマンガかは忘れてしまったのですが、主人公が高速道路に乗っていたところ、途中で忘れ物に気がつき料金所でUターン、なんと東京まで無料で戻れちゃった、という話。つまり、本来Uターンができないはずの高速なのに、正当な理由があれば料金所の許可をもらってUターンできるという。
ホントにそんなこと可能なの? 長らく疑問に思っていたましたが、実はつい先日、体験の機会が訪れたんですよ!
それは東関東自動車道を走っていたときのこと。湾岸市川インターから入って東へ進んでいたら、佐原香取インターで降りるはずだったのにうっかり通り過ぎてしまい、終点の潮来インターまで来てしまった…。
佐原香取から潮来までは8.6kmと短く、差額も300円ちょっとなので余計に支払っても大した金額ではなし、一般道で戻ってもよかったのですが、ここでふと「特別転回」の話を思い出したのです。ダメでもともと。料金所で「降りるインターを誤って通り過ぎた」旨を伝えてみました。
すると、おじさんは慣れた様子で「どこで降りるはずだったの? 佐原香取ね、じゃあ特別転回になるからね」と言ってインターホンの受話器を取ったのです。どこに連絡しているのかはわからなかったけれど、通話はすぐに終わり、持っていた通行券にスタンプを押して返してくれました。
結果的に言えば、いとも簡単に済んでしまった特別転回。とはいえ、実際に目的のインターに戻るまでは落ち着きませんでした。たしかに転回はできたけど、果たして料金はいくらなのか。値札の付いていない商品をレジに持っていくような気持ちで着いた料金所。いよいよ告げられた金額は? やった、すごい、2,100円なり!
つまり正規に支払っていれば
●2,300円(湾岸市川IC→潮来IC)+350円(潮来IC→佐原香取IC)=2,650円 となるはずの料金が
●2,100円(湾岸市川IC→佐原香取IC)で済んだというワケ。
■特別転回という言葉をネット検索にかけてみると?
そもそも「特別転回」ってナニ? ネットで検索してみると、NEXCO東日本の「道路整備特別措置法に定める供用約款 高速道路営業規則 第7章 特別な通行をした場合の料金」という、なにやら難しそうな文章に行き着きました。
この第5節48条「利用者の事情による転回」によれば
『第48条 入口発券方式の高速道路において、タイヤチェーンの不保持その他利用者の事情により本線上で転回する場合は、当社は利用者が退出するインターチェンジ等(本条において「指定インターチェンジ等」といいます。)を指定します
2.前項の場合において、指定インターチェンジ等で退出した場合の料金は、転回前の進入インターチェンジ等から、指定インターチェンジ等までの料金とし、指定インターチェンジ等で退出せずに他のインターチェンジ等で退出した場合の料金は、転回前の進入インターチェンジ等から、指定インターチェンジ等までの料金と、指定インターチェンジ等から、退出したインターチェンジ等までの料金の合算額とします』
という…。わかるような、わからないような感じです。
そこで思い切ってNEXCO東日本お客さまセンターに電話してみると、
西崎)高速や自動車道を走行していて、うっかり乗り過ごしてしまったらどうすればよいですか?
お客様センター)我々の管轄道路でお話ししますと、料金所で転回できることもあります。
西崎)転回のできる/できないは、路線によるのですか?
お客様センター)路線ではなく料金所によります。構造上の問題です。
西崎)Uターンができる構造でありさえすれば特別転回できるということですか?
お客様センター)料金所の判断にもよります。
こんなことを電話で相談する人はいないのでしょうか。オペレーターの女性をずいぶん困らせてしまったようでこちらもだんだんと恐縮してしまうような空気に(笑)。ご丁寧にありがとうございました。
うっかりミスをしてしまったドライバーを大目に見てくれる。そんな特別転回は、ニッポンの交通社会に咲いた一輪の優しさです! 特別回転ありがとう! …ただし、くれぐれも悪用はしないでくださいね。
数年前にマンガで読んで以来、ずっと気になっていた“特別転回”。なんのマンガかは忘れてしまったのですが、主人公が高速道路に乗っていたところ、途中で忘れ物に気がつき料金所でUターン、なんと東京まで無料で戻れちゃった、という話。つまり、本来Uターンができないはずの高速なのに、正当な理由があれば料金所の許可をもらってUターンできるという。
ホントにそんなこと可能なの? 長らく疑問に思っていたましたが、実はつい先日、体験の機会が訪れたんですよ!
↑生まれて初めて見る「特別転回承認」のスタンプ。なんの変哲もない…などと言っちゃいけない、このスタンプ様に救われたのだ!
■意外にすんなりとできた特別転回、その一部始終それは東関東自動車道を走っていたときのこと。湾岸市川インターから入って東へ進んでいたら、佐原香取インターで降りるはずだったのにうっかり通り過ぎてしまい、終点の潮来インターまで来てしまった…。
佐原香取から潮来までは8.6kmと短く、差額も300円ちょっとなので余計に支払っても大した金額ではなし、一般道で戻ってもよかったのですが、ここでふと「特別転回」の話を思い出したのです。ダメでもともと。料金所で「降りるインターを誤って通り過ぎた」旨を伝えてみました。
すると、おじさんは慣れた様子で「どこで降りるはずだったの? 佐原香取ね、じゃあ特別転回になるからね」と言ってインターホンの受話器を取ったのです。どこに連絡しているのかはわからなかったけれど、通話はすぐに終わり、持っていた通行券にスタンプを押して返してくれました。
↑慣れた手つきで誘導してくれるおっちゃん。マジ、一瞬天使に見えた(左) 電光掲示された料金に胸を撫でおろす。万が一の時には助かる仕組みだ(右)
約2~3分のやり取りを終え、料金所から出たところでUターンすると今度は別の人の誘導に従って東関東道に再流入。このとき新たな通行券を取る必要がないので『ETC用のレーンじゃないのにドライブスルー』という不思議な体験をします。結果的に言えば、いとも簡単に済んでしまった特別転回。とはいえ、実際に目的のインターに戻るまでは落ち着きませんでした。たしかに転回はできたけど、果たして料金はいくらなのか。値札の付いていない商品をレジに持っていくような気持ちで着いた料金所。いよいよ告げられた金額は? やった、すごい、2,100円なり!
つまり正規に支払っていれば
●2,300円(湾岸市川IC→潮来IC)+350円(潮来IC→佐原香取IC)=2,650円 となるはずの料金が
●2,100円(湾岸市川IC→佐原香取IC)で済んだというワケ。
■特別転回という言葉をネット検索にかけてみると?
そもそも「特別転回」ってナニ? ネットで検索してみると、NEXCO東日本の「道路整備特別措置法に定める供用約款 高速道路営業規則 第7章 特別な通行をした場合の料金」という、なにやら難しそうな文章に行き着きました。
この第5節48条「利用者の事情による転回」によれば
『第48条 入口発券方式の高速道路において、タイヤチェーンの不保持その他利用者の事情により本線上で転回する場合は、当社は利用者が退出するインターチェンジ等(本条において「指定インターチェンジ等」といいます。)を指定します
2.前項の場合において、指定インターチェンジ等で退出した場合の料金は、転回前の進入インターチェンジ等から、指定インターチェンジ等までの料金とし、指定インターチェンジ等で退出せずに他のインターチェンジ等で退出した場合の料金は、転回前の進入インターチェンジ等から、指定インターチェンジ等までの料金と、指定インターチェンジ等から、退出したインターチェンジ等までの料金の合算額とします』
という…。わかるような、わからないような感じです。
そこで思い切ってNEXCO東日本お客さまセンターに電話してみると、
西崎)高速や自動車道を走行していて、うっかり乗り過ごしてしまったらどうすればよいですか?
お客様センター)我々の管轄道路でお話ししますと、料金所で転回できることもあります。
西崎)転回のできる/できないは、路線によるのですか?
お客様センター)路線ではなく料金所によります。構造上の問題です。
西崎)Uターンができる構造でありさえすれば特別転回できるということですか?
お客様センター)料金所の判断にもよります。
こんなことを電話で相談する人はいないのでしょうか。オペレーターの女性をずいぶん困らせてしまったようでこちらもだんだんと恐縮してしまうような空気に(笑)。ご丁寧にありがとうございました。
うっかりミスをしてしまったドライバーを大目に見てくれる。そんな特別転回は、ニッポンの交通社会に咲いた一輪の優しさです! 特別回転ありがとう! …ただし、くれぐれも悪用はしないでくださいね。
<Report/西崎博之>
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