あこがれのチェイサーをオープンに!? 丁寧に維持しながら楽しく乗る旧車ライフ
2024/03/16

車の数だけ存在する「車を囲むオーナーのドラマ」を紹介するインタビュー連載。あなたは、どんなクルマと、どんな時間を?
やってみたいことをかなえて、自分の手でベストな1台に
存在感のあるフロントフェイスが印象的な初代チェイサーに乗る石井さん。この初代チェイサーを手に入れたのは10年前のこと。

チェイサーは、1977年当時圧倒的な人気を誇っていたスカイラインを追撃するべく、「追跡者」の名を冠して投入された。マークⅡ、クレスタとこのチェイサー、いわゆる「マークⅡ3兄弟」の中でも最もスポーティなモデルで、とりわけ2L直6エンジンを搭載したこの2ドアハードトップの2000SGツーリングは人気グレードだった。石井さんのチェイサーは1980年式というから、初代の最終型ということになる。
若い頃からのあこがれをかなえ、当時乗っていたbBからこのスポーティなチェイサーに乗り替えたのは、結婚生活に終止符を打ったのもきっかけのひとつだったという。
「独りになって買ったようなもん。誰にも文句言われんけ。今はもう独りで好きなときにバイク乗って、車乗って」と愉快そうに笑う。
オートバイはヤマハ XJR1300。バイク乗りは風を浴びずにいられないのか、なんとこのチェイサー、ルーフを切ってチルトアップ式のサンルーフ仕様に改造してしまったそうだ。
▲一瞬、「チェイサーにオープンモデルってあったかな?」と思ってしまいそうなほど、自然に屋根が空いている「一応エアコン付いてるけど、暑いときはちょっとエアコンが効きにくいけん」というのはさすがに冗談だろうが、とことん自分好みに仕上げている。

現在は電器店を営んでいる石井さんだが、以前はディーラーで自動車整備をしていたそうで、ある程度のことは自分でできるし、馴染みの整備工場もあるという。旧車を乗るにはうってつけだし、思い切ったカスタムにもチャレンジしやすいのかもしれないが、いやいや、思い切りすぎだろう。
内装もまたしかりで、オーディオはもちろん、シャンデリアも自分で取り付けた。
▲やってみたいことを全部やる!そんなカーライフも素敵だオーバーフェンダーの分、車幅が5ナンバーからはみ出したため構造変更届を出して3ナンバー登録をしているが、このナンバーを見て「2Lオーバーのエンジンに換装しているんじゃないか」とよく聞かれるそう。
「ノーマルの2L直6のまま替えとらんけどね、このエンジンが気に入ってるし」と困ったように苦笑い。そんないとしのストレートシックスに週に1度は火を入れ、月に1度は旧車仲間とツーリングに出かける。
仲間には、高校時代からの先輩もいれば、自宅のお隣さんもいるそうだ。 「近くのやまなみハイウェイに行くことが多いかね。信号もないし、走りやすいけん」

でもやっぱり、一番のお気に入りポイントはこのスタイリングだという。 「今の車だとね、10年たって新しい型が出れば新しいのが欲しくなるけど、この車は今にないような形でしょ? もう10年乗っちょるけど、自分の中では古くならないもんね。もうこれ以上どこをいじりたいとか、どこに乗って行きたいとかは別にあれやけど、乗れる間はずっと、末永く乗っていきたいね」

石井さんのマイカーレビュー
トヨタ チェイサー(1980年式)
●年間走行距離/約2000km
●マイカーの好きなところ/形
●マイカーの愛すべきダメなところ/パーツが手に入りにくいところ

ライター
竹井あきら
自動車専門誌『NAVI』編集記者を経て独立。雑誌や広告などの編集・執筆・企画を手がける。プジョー 306カブリオレを手放してからしばらく車を所有していなかったが、2021年春にプジョー 208 スタイルのMTを購入。近年は1馬力(乗馬)にも夢中。
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